私たちの暮らしと社会に欠かすことのできない水。世界では今、その水資源への需要がかつてないほど高まっています。国連が定めたSDGs (持続可能な開発目標) の中にも、水事業が貢献できる5つの目標が含まれており、すべての人にきれいな水を持続的に届けようという試みが始まっています。
日立は、これまでもそれぞれの国や地域が抱える問題に応じて、さまざまな水インフラを提供してきました。下水道事業においても、処理場の施設や設備、監視制御システムなどを数多く納入して実績を重ねてきました。そうした豊富な経験とノウハウに、さらに「IoT」「AI」「ビッグテータ」といった先進の技術を融合することで、お客さまや社会の課題を解決し、安心・安全・安定的な水インフラの構築に貢献していきます。
SDGs (Sustainable Development Goals) は、2030年の実現をめざして国連が定めた17のゴールと169のターゲットからなる開発目標です。日立は責任ある企業活動と社会イノベーション事業を通じて、 社会が直面する課題に率先して応え、SDGsの達成に貢献します。
実績豊富で、高品質の設備関連技術とITを融合させた、日立の「デジタルソリューション」で、熟練技術者が蓄積してきた技術やノウハウの継承、ヒューマンエラーの抑制、後継人材の育成などを支援します。また、運用データの収集・解析によって、設備故障の未然防止、安定的な稼働などにも貢献します。
AR*技術などを活用した点検ナビゲーション機能で、技術の継承やヒューマンエラーの抑制を支援します。
モバイル点検端末に実施内容や結果判断を表示する電子マニュアルで、保全業務の確実な遂行を支援します。
運用データからAIを用いた強化学習を行い、熟練者と同等の運転ガイダンスを出力して、オペレーター不足時の運転管理を支援します。
*AR:Augmented Reality (拡張現実:実映像にPCの情報を重畳表示する技術)
クラウドやIoTの導入、モバイル端末の活用などによって、各設備からのセンシング情報や保守点検情報の一元管理を実現します。日々蓄積する保守データ管理を効率化し、共有化することで、設備の安定的な運転を支援するとともに、予防保全や延命化にも貢献します。
各設備から送られてくるセンシング情報や、モバイル端末を利用した巡回点検の結果などを一元管理できます。
運転履歴や保守データを分析することによって、設備の安定した運転や効率的な運営を支援します。
モバイル端末で保守点検の手順や結果判断などをナビゲーションすることで、正確な作業を支援します。
水中カメラ、内視鏡カメラ、超音波探傷器などの点検装置と各種分析装置を用いて、ポンプを分解することなく信頼性の高い計測および診断が可能です。オーバーホールや更新計画の目安となるデータを採取できるとともに、異常時の早期原因追究などにも貢献します。
ポンプ内部に水中カメラ(ロボットや内視鏡)を挿入することで、羽根車やケーシングライナなどの状態を確認できます。
超音波計測データを基に、外面から鋳鉄管路内面の腐食状況や肉厚を推定することができます。
多面的な診断結果と省エネ・延命化技術を組み合わせて、ライフサイクルコストの削減に貢献するサービスをご提案します。
光ファイバーを使ったセンシングシステムで、これまで困難だった下水道環境の把握を実現し、リアルタイムの状況対応やインフラの老朽化対策などに貢献します。また、収集・蓄積したデータを利活用することによって、豪雨の際の浸水予測やその対策の立案なども支援します。
光ファイバーセンシングシステムと下水道光ファイバーネットワークを接続することで、広域多点の管理が可能です。
浸水状況や放流水の汚濁状況、消費エネルギーの増加など、複合的なリスクを考慮したポンプ制御が行えます。
センシング情報や豪雨時の運転実績データ、気象情報などを総合的に活用して、浸水の予測や対策を支援します。
災害時の応急復旧処理に適用可能な下水処理技術として、単槽式の膜分離活性汚泥法 (MBR) を新たに開発しました。装置がコンパクトなため、トレーラーでの搬送が可能です。災害時の仮設水処理だけでなく、下水処理場の再構築工事中の処理などにも適用できます。
トレーラーで運搬できるコンパクトなユニットタイプで、設置も撤去も容易です。
目標放流水質や処理水量などの条件に応じて、処理フロー (単独、組み合わせ) の使い分けが可能です。
災害時の仮設水処理に適用でき、被災後の段階的な目標処理水質向上に合わせて運用できます。
広域に分散した施設をシームレスに管理でき、堅ろう化を実現するシステムです。高い信頼性を保ち、システムの段階的な増設、更新、統合化などが可能です。さらに、セキュリティ対策、事故や災害への迅速な対応を可能にする緊急ログイン機能などで、安心・安全・効率的な水環境のシステム基盤を支えます。
段階的な広域化や機能の更新などが想定される水環境システムに適応するクライアントサーバー方式の分散システムです。
ホワイトリスト技術の導入、ユーザー管理機能の強化などにより、不正侵入、不正操作からシステムを防御します。
事故や災害などの緊急時に操作権限を持つ運転者が不在の際、緊急ログイン機能によって管理者が迅速に対応できます。
3Dレーザー計測技術と3Dモデリング技術の導入と、セキュリティを確保したクラウド環境の活用によって、下水道施設の設計・施工における各プロセスでの関係者間の情報共有を容易にします。それぞれの職種の情報を一つの3Dデータに集約し、可視化することで品質や安全性の向上などを支援します。
設計・施工の各プロセスで、担当業種の枠を超えたデジタルデータの受け渡しが可能になります。
3D点群データに3Dモデリングデータを集約・共有することで、完成イメージや施工の手順などを分かりやすく伝えあうことができます。
クラウドを活用し、モバイル端末で共有データを使用して設計業務を行うことができます。
*VDI:Virtual Desktop Infrastructure (仮想デスクトップ基盤)