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Hitachi

2024年7月29日
株式会社日立製作所

「下水道展'24東京」と「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」で、
「下水道ブルーカーボン構想」の取り組みを紹介します

株式会社日立製作所(以下、日立)は、下水道による豊かな海への貢献と脱炭素への貢献を同時に実現することをめざす「下水道ブルーカーボン*1構想」を立ち上げ、推進しています。活動の成果を、2024年7月30日から8月2日に公益社団法人 日本下水道協会の主催で開催される「下水道展'24東京」の日立グループブースと併催企画、および2024年9月4日から9月5日に開催される「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」で紹介します。

下水道事業は、従来の浸水防除、公衆衛生の向上、公共用水域の水質保全だけではなく、持続可能な社会に向けてさらに多様な役割が志向されています。日立では、栄養塩類*2のアンモニア態窒素処理を制御して豊かな海や省エネによるCO2削減に貢献する技術として、国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業(B-DASH*3プロジェクト)により、ICT*4を活用し送風機の適切な風量を予測・制御する省エネ型下水処理制御システムを開発・提供*5してきました。
持続可能な社会に貢献する下水道事業を今後も支えていくために、日立では、大気中のCO2を除去するネガティブエミッション技術活用の新たな施策として「下水道ブルーカーボン構想」を提案し、その実現に向けた取り組みを2022年から行っています。本構想では、下水処理水質制御技術によって栄養塩類の適切な供給管理を実現し、海洋生態系によるCO2吸収・貯留を促進することをめざします。
本構想の実現には、さまざまな分野のステークホルダーとの連携が必要です。2022年12月には、日本で唯一、国土交通省が認可したブルーカーボンクレジット認証法人のジャパンブルーエコノミー技術研究組合が運営する「ジャパンブルーエコノミー推進研究会」(以下、本研究会)で、下水道分野と海洋・港湾分野の産官学専門家の賛同と協力のもと、日立を主催者とした「ブルーカーボン促進のための栄養塩供給管理プロジェクト」が発足しました。初年度(2023年度)の活動の成果は、白書「豊かな海に貢献する栄養塩類供給管理〜下水道ブルーカーボン構想〜」(日本水道新聞社)として発刊されました。また、「下水道展'24東京」では、本研究会と国土交通省 水管理・国土保全局との共催セミナー「下水道におけるネガティブエミッション技術 〜豊かな海とブルーカーボン」が開催されます。
今後も、日立はプロダクト・OT・ITを併せ持つ強みを生かした水・環境分野での長年にわたる製品・システム・サービスなどの実績を踏まえ、「下水道ブルーカーボン構想」の実現を通じて、市民、自治体、関係省庁、民間事業者などのさまざまなステークホルダーと連携して、持続可能な水環境の未来へつなぐソリューションを提供していきます。

*1
沿岸・海洋生態系に取り込まれ、そのバイオマスやその下の土壌に蓄積される炭素のこと
*2
海藻類の生長や、魚類や二枚貝の生産を支えるプランクトンの増殖に必要な窒素やリンなど
*3
B-DASHプロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project
*4
ICT:Information and Communication Technology
*5
2017年2月14日 日立ニュースリリース https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/02/0214a.html

下水道ブルーカーボン構想について

下水道ブルーカーボン構想の概念図

光合成によって藻場(海藻が茂る場所)などで海洋生態系に取り込まれた炭素(ブルーカーボン)は、海草や海藻由来の有機物として海底土壌に堆積したり深海に沈降したりするほか、海草や海藻から放出される難分解性の有機炭素として海水中にも蓄積します。ブルーカーボンは数百年〜数千年の長期間貯留されるため、CO2に戻るリスクも低いという特長があります。日立は本構想において、ブルーカーボン管理・制御技術を開発中です。対象海域データを管理・評価することで適切な栄養塩類の供給量を設定し、これに見合った下水処理水質制御を行うものです。これにより、ブルーカーボン生態系(海草・海藻藻場など)の維持拡大に寄与することが期待されます。

下水道展'24東京 日立グループ特設サイト

日立グループブース、および併催企画「下水道におけるネガティブエミッション技術 〜豊かな海とブルーカーボン」(https://www.gesuidouten.jp/project/)において取り組みをご紹介します。

Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPANでの紹介について

本取り組みは、展示会場の「EX01-14: 下水道ブルーカーボン構想」にてご紹介する予定です。
詳しくは、オフィシャルサイト(https://www.service.event.hitachi/regist/)をご覧ください。

以上

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