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コラム・インタビュー

将棋の棋士とAIの関係性

個人的には、デジタル技術の活用に興味があります。

新井氏

デジタル技術の活用で各工程の効率や作業精度を上げられます。例えば、ライン構築の際にはシミュレーション技術を使うことで、顧客との要件定義の齟齬(そご)を減らせるでしょう。シミュレーション上で問題をしらみつぶしにすることで、現実に設備を導入した後の「現場合わせ」を相当減らせます。結果として、立ち上げまでの期間を短縮できます。また、経験者のノウハウをデジタルに取り込み、人工知能(AI)などを使うことで技能の伝承や自動化を図りたいです。

デジタル活用のイメージ(提供)デジタル活用のイメージ(提供)

デジタル活用のイメージ(提供)デジタル活用のイメージ(提供)(クリックで拡大)

生成AIの登場もあり、よく話題にはなりますが、生産現場でのAI活用は進むと思いますか。

新井氏

日立が本格活用を始めたら、印象や状況が変わる可能性があると思います。AI導入のハードルの一つは、判断などの信頼性でしょう。日立でも使っていると言うと、世の中の受け取り方が変わるかもしれません。そういった心象的なハードルを下げることは重要です。

なるほど。

新井氏

それと、最初から信頼しすぎないのも大事です。当初は作業を効率化したり、一部自動化するなどの支援ツールとして活用しつつ、ロボットの自律化などまで任せる範囲を少しずつ広げていくのが理想です。将来的には、人とAIの双方向の学びもあると考えています。将棋AIがまさにそうですよね。登場した頃は、棋士の目の敵にされていましたが、今ではAIの指し手を参考に自身の戦略を立てる棋士も少なくありません。そういった人とAIの化学反応が生産現場で起きるとどうなるのか。考えるとワクワクしませんか。そういった未来を皆さんと築いていきたいと思っています。

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転載元:robot digest
robot digest 2024年10月24日掲載記事より転載
本記事はrobot digestより許諾を得て掲載しています。

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