2024年1月4日
株式会社日立製作所
(左から)本システムによる青森県中村川の浸水シミュレーション、青森県職員による本システムの活用シーン
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、「逃げ遅れゼロ」「命を守る行動」への貢献をめざした「流域治水 浸水被害予測システム」*1(以下、本システム)にて、株式会社日本経済新聞社(以下、日本経済新聞社)の「2023年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞しました。
日本経済新聞社が主催する「日経優秀製品・サービス賞」は、毎年1回、生産財や消費財のみならず、ソフトウェアや金融商品なども対象に、特に優れた新製品・サービスを表彰するもので、1982年に「日経・年間優秀製品賞」として始まり、42回目の開催となります。昨年1月〜12月に日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタス、日経電子版、Nikkei Asiaに掲載された新製品・サービスのうち、今回は228点の候補から35点が選出されました。
「2023年日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞した本システムは、国土地理院の地図データに加え、国土交通省や都道府県などの保有する河川データや地形データを取り込み、高精度かつ高速に浸水のシミュレーション*2が可能です。また、シミュレーション結果を活用した的確な避難・緊急活動支援の機能*3の拡張性も有しており、行政機関におけるハード・ソフト両面の流域治水対策に有効です。日立は本システムを青森県向けに初納入し、2023年4月から同県において本格運用が開始されました。
近年、日本では気候変動などの影響から水害が激甚化・頻発化する傾向にあり、2021年11月には、インフラ整備の加速化・充実、治水計画の見直し、流域全体を俯瞰した水害対策などの治水対策強化を目的に、「流域治水関連法」が全面施行されました。日立は、行政機関の治水対策の取り組みを加速するため、本システムを広く展開することで、大規模水害による被害軽減への貢献をめざします。
今後、気候変動による水害激甚化に対応するために、国や県、自治体、企業、住民など、あらゆる関係者が協働し、流域全体を俯瞰した治水対策が重要となります。日立が提供する本システムの高精度かつ高速なシミュレーション技術は、流域治水対策に取り組む行政機関自らが活用して有効な対策検討を行うことが可能であり、「逃げ遅れゼロ」「命を守る行動」への貢献をめざします。