更新日:<2016.10.03>
Firefox 49.0.1 では、Websense に起因して起動時にクラッシュする不具合を修正しています。セキュリティアップデートは含まれていません。
Windows/Mac/Linux 版 53.0.2785.143 では、メモリの解放後使用 (use-after-free:CWE-416) など、計 3 件の脆弱性 (CVE-2016-5177 他) を解決しています。
BIND 9.10.4-P3、9.9.9-P3 では、サービス不能攻撃を許してしまう脆弱性 (CVE-2016-2776) を解決しています。脆弱性 CVE-2016-2776 は、DNS 応答の作成処理の不具合により、特定の DNS 要求に対応する応答パケットを作成する際に、named が異常終了するというものです。
BIND 9.0.0 以降が稼働するコンテンツサーバ (権威 DNS サーバ) とキャッシュ DNS サーバに影響があります。なお BIND を開発するインターネットシステムズコンソーシアム (ISC) は、9.0 系〜 9.8 系のサポートは終了していることから、セキュリティパッチはリリースしないとしています。
DNS コンテンツサーバ (権威 DNS サーバ) の一つである NSD (Name Server Daemon) のバージョン 4.1.13 は、バグ修正を目的としたリリースで、RFC 7929 で規定されている OPENPGPKEY リソースレコードのサポート、ゾーン転送 xfrd の不具合などを修正しています。セキュリティアップデートは含まれていません。
キャッシュ DNS サーバの一つである Unbound のバージョン 1.5.10 は、バグ修正を目的としたリリースで、セキュリティアップデートは含まれていません。このバージョンでは、TCP 処理の改善、e.root-servers.net (E-Root) の IPv6 アドレスの追加をするとともに、応答が停止してしまう不具合などを修正しています。
ISC DHCP に変わる新たな DHCP サーバ Kea のバージョン 1.1.0 がリリースされました。このバージョンでは、データベースとして Cassandra の実験的なサポート、ホスト予約、クライアント分類などの機能拡張が施されています。
OpenSSL 1.1.0b では、1.1.0a に存在するメモリの解放後使用 (use-after-free:CWE-416) に起因して、サービス不能攻撃を許してしまう脆弱性 (CVE-2016-6309) を解決しています。OpenSSL 1.0.2j では、CRL の正当性確認処理を導入することで、1.0.2i の CRL 処理に存在するサービス不能攻撃を許してしまう脆弱性 (CVE-2016-7052) を解決しています。
PostgreSQL 9.6 では、クエリの並列処理によるスケールアップ、クラスタ上で一貫性のある読み込みを実現する同期レプリケーションでのオプション追加、全文検索でのフレーズサポートなどの機能改善が施されています。
Red Hat Enterprise Linux Server に搭載されている Python Twisted Web、BIND、OpenSSL のセキュリティアップデート (RHSA-2016:1978、RHSA-2016:1944、RHSA-2016:1940) がリリースされました。
Python Twisted Web のアップデートでは、クライアントが指定したヘッダ Proxy の値を環境変数 HTTP_PROXY として参照してしまう脆弱性 (CVE-2016-1000111) を解決しています。また、BIND、OpenSSL のアップデートでは、BIND 9.10.4-P3、9.9.9-P3 で解決した脆弱性 (CVE-2016-2776)、OpenSSL 1.0.2i で解決した脆弱性 (CVE-2016-2177 〜 CVE-2016-2182、CVE-2016-6302、CVE-2016-6304、CVE-2016-6306) に対応しています。
商業施設、重要製造業、エネルギー、上下水道分野などで利用されている米 American Auto-Matrix (aamatrix.com) のビル管理ソリューション用アプリケーションである Aspect-Nexus、Aspect-Matrix には、情報漏洩を許してしまう脆弱性が存在します。この問題は、設定ファイルなどの読み取りが可能であること (CVE-2016-2307)、パスワードなどのアカウント情報が平文のまま格納されていること (CWE-256)(CVE-2016-2308) に起因しています。
化学、重要製造業、エネルギー、農業・食料、輸送、上下水道分野などで利用されている独 Siemens (siemens.com) のセキュリティ統合ルータ SCALANCE M-800、セキュリティモジュール SCALANCE S615 には、情報漏洩を許してしまう脆弱性 (CVE-2016-7090) が存在します。この問題は、組み込みの Web サーバが secure 属性なしでも Cookie を使った重要なデータの通信ができてしまうことに起因しています。
担当:寺田、大西/HIRT