IT運用部門による効率的かつ的確なレポートの作成により、システム運用の継続的な改善や業務サービスの稼働品質向上に貢献
2020年10月2日
株式会社日立製作所
- お知らせ -
「IT運用最適化サービス」において、AI活用によりシステム稼働レポート作成業務のさらなる自動化を実現
IT運用部門による効率的かつ的確なレポートの作成により、システム運用の継続的な改善や業務サービスの稼働品質向上に貢献
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、IT運用の継続的な改善を支援する「IT運用最適化サービス」*1を強化し、「システム稼働分析」へのAI適用範囲を拡大することで、システムリソース不足の時期の予測や、システムごとに報告すべき問題点の絞り込みなど、システム稼働レポート作成業務のさらなる自動化を実現し、10月2日より提供開始します。
具体的には、稼働データをAIで分析することで、中長期的なシステムリソース不足の時期を自動予測し、早期に障害リスクを回避するための提案を可能としました。また、過去と比較した傾向の変化をAIで抽出できることに加え、今回新たに、重要度の高い問題点を自動で絞り込むことが可能になりました。この絞り込みは、運用エンジニアがもつノウハウに基づき、システムごとに設定できます。これらにより、IT運用部門は運用エンジニアのスキルに依存せず、効率的かつ的確にレポートを作成できるため、システム運用の継続的な改善や業務サービスの稼働品質の向上に貢献できます。
なお、今回の機能強化にあたり、30年にわたるデータセンター事業の実績を持つ株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)においてシステムの運用を担当するエンジニアがレポート作成時に問題点を抽出し絞り込むノウハウを本サービスに取り込みました。本サービスの提供開始に先立ち実施した日立システムズでの事前検証では、過去18カ月分のシステム稼働データをAIで分析し、レポートで報告すべき重要度の高い問題点を絞り込んだ結果、過去に運用を担当するエンジニアが月ごとのレポートで報告した問題点と比較して、90%以上(最大97%)の精度*2で問題点を抽出することができ、実用が可能なレベルであることを検証しています。
新しい生活様式(ニューノーマル)の実践に向けたビジネスの変革が求められる中、ITを活用した業務サービスの重要性がますます高まっています。このような中、IT運用部門においては、システム運用の継続的な改善や、業務サービスの稼働品質向上への貢献に向けて、AIを活用し業務の自動化・効率化を行う取り組みが拡大しています。日立は、「IT運用最適化サービス」において、システム状況の分析・判断や可視化など高度なスキルが必要なIT運用業務に対して、AIを活用しIT運用の自律化を支援する「AI for IT Operations」の「イベント分析」「システム稼働分析」などのメニューを2018年から提供*3しています。これまでに、金融、公共、社会インフラなど各種分野の企業のIT運用部門やITサービス企業とのAI適用の検証により得た結果を「AI for IT Operations」に取り入れ、IT運用業務の自動化・効率化を支援してきました。
こうした取り組みの一環として、日立システムズの顧客向けのシステム稼働レポートの作成業務において「システム稼働分析」の適用検証を進めてきました。従来、日立システムズでは、自作ツールを利用し、過去の稼働データとの比較や障害の兆しの抽出を行っていました。しかし、ツールで抽出しきれない障害の兆しの確認や、将来のリソースの増強提案に向けたリソース不足時期の予測、および顧客ごとに異なる観点を考慮した報告すべき問題点の選定は熟練のエンジニアが手動で行っていたため、負担が大きくなっていました。日立は、こうした課題に対応するため、今回、「システム稼働分析」を強化しました。効率的かつ的確なレポート作成を支援することで、IT運用部門の業務の自動化・効率化に貢献します。
日立は今後も「IT運用最適化サービス」の利用企業の要望をフィードバックし、IT運用業務へのAI活用範囲を拡大することにより、IT部門のさらなる業務効率向上や業務サービスの継続的な改善に貢献していきます。
従来から提供してきた、AIを活用した稼働データ分析に基づく傾向変化の自動抽出やグラフ作成、抽出の根拠となるコメントの自動生成に加え、今回新たに、業務サービスのシステム利用状況から、中長期的にリソース不足に到達する日を自動で予測することが可能になります。一般的に、こうした予測は、運用エンジニアの経験に依存するため精度にバラつきがありましたが、今回の機能強化により、業務サービスの障害・停止につながる重大なシステム課題を回避できる提案を早期に行うことができます。
稼働データよりAIが抽出した傾向の変化から、レポートで報告すべき重要度の高い問題点を、運用エンジニアのノウハウに基づきシステムごとの報告基準としてあらかじめ設定することで、自動で絞り込むことができます。例えば、CPU使用率の最大値の前月比が5%以上、いつもの傾向より超過している箇所のうち最大値を含むものに限定、ディスク空き容量不足に到達する予測日が90日以内、といった基準で絞り込むことが可能です。これにより、従来はノウハウに頼って人手で都度行っていた絞り込み作業を高い精度で自動化できるため、運用エンジニアは絞り込まれた問題点の原因調査や改善策の検討に注力でき、的確かつ効率的なレポート作成作業が可能です。
図:「システム稼働分析」の適用例
名称 | 概要 | 価格(税別) | 提供開始時期 | |
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IT運用最適化サービス (【強化】:今回の強化メニュー) | ||||
立ち上げ支援サービス | AI適用効果の検証、AI環境の構築 など | 個別見積 | 提供済み | |
継続支援サービス | AI適用効果の再評価と改善 など | 提供済み | ||
AI for IT Operations - Platform | IT運用にAIを適用するための機能セット
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提供済み*4 |
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