2019年6月26日
株式会社日立製作所
- お知らせ -
「IT運用最適化サービス」において、AIを活用した「システム稼働分析」をクラウドサービスとして販売開始するなど、AI導入のさらなる容易化による運用業務の自律化を促進
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、IT運用の継続的な改善を支援する「IT運用最適化サービス」において、従来からお客さま環境に構築し提供しているAIを活用したIT運用の自律化支援を、新たにクラウドサービスとして販売開始します。
本クラウドサービスの第一弾として「システム稼働分析」を6月28日より販売開始し、システム稼働状況の定期レポート作成業務の自動化を支援します。また、システム監視業務の支援において、お客さま環境に構築し提供している「イベント分析」を強化し、AIによる過去の対応記録に基づいた判定を可能とすることで、運用手順をまとめたマニュアルが未整備のシステムに対しても導入可能になります。これらの強化により、AI導入のための環境構築や運用・保守における工数の削減が可能となり、容易かつ迅速なAI導入で運用業務の自律化を促進し、IT部門のさらなる業務効率の向上に貢献します。
近年、企業のIT部門では、AIなど最新のテクノロジーを活用し、戦略的に企業のデジタル変革を促進することが期待されています。ビジネスにおいて不可欠な、ITシステムの安定稼働を維持する運用業務においても、運用品質を確保しつつ、24時間のシステム監視や定期的に必要な月次の稼働状況レポート作成といった運用担当者やエンジニアにとって負荷の大きい業務の効率化が求められています。日立は、システム状況の分析・判断や可視化など高度なスキルが必要なIT運用業務について、AIを活用した自律化支援を2018年8月より開始*1し、これまでに、金融、公共、社会インフラなどさまざまな分野の企業とAI適用の効果検証や本番環境への導入に取り組んできました。本サービスでは、これらで培ったノウハウを用いて、運用場面ごとの業務の自律化を促進するAI分析機能などを提供しています。
今回、AI導入のさらなる容易化に向け、IT運用向けAI基盤*2をお客さまの準備した環境に構築して提供している「AI for IT Operations - Platform」に加えて、クラウドサービス「AI for IT Operations - Service」を新設しました。クラウドサービスの第一弾として、お客さまからのニーズが高い「システム稼働分析」を提供開始するとともに、「AI for IT Operations - Platform」においては、運用担当者の負荷が大きいシステム監視におけるイベント*3のエスカレーション業務を支援する「イベント分析」を強化しました。
お客さまは、AIを活用するための環境準備や運用における負荷を軽減できるクラウドサービスの導入により、運用業務の効率化に着手することが可能となり、AIの導入効果を確認しながら、段階的に適用するシステム範囲や運用場面を拡張するなど、運用業務の自律化を着実に促進できます。
図1|クラウドサービスを用いた、AI適用の段階的な拡張例
従来は、IT運用向けAI基盤をお客さまの準備した環境に構築し、提供してきましたが、加えて、クラウドサービス「AI for IT Operations - Service」も提供開始します。AI環境の準備や運用・保守を日立が行うため、お客さまのAI導入・運用における負担を軽減できるなど、より容易かつ迅速なAI導入を可能にし、運用業務の自律化を促進できます。
今回、お客さまからのニーズが高い「システム稼働分析」をクラウドサービスとして最初に提供開始します。「システム稼働分析」は、エンジニアが多くの工数を費やしているシステム稼働状況の定期レポート作成業務の自動化を支援するものです。膨大な稼働データの整理や傾向分析、問題の特徴抽出にAIを活用し、長期的・短期的な視点で分かりやすくシステムの稼働状況を見える化できるため、従来、高度なスキルをもつエンジニアが行ってきた定期的な業務の大幅な工数削減が可能です。具体的には、お客さまのシステム稼働状況を、分析対象期間において、時系列のグラフなどで可視化するとともに、通常時と異なる現象が発生した時間帯や抽出した根拠などをAIがさまざまな角度から分析し、特徴を具体的かつ分かりやすく文章化します。このため、エンジニアのスキルの差や、多忙時に起こるデータ見落としなどの人的なミスがなく、的確なレポートを自動で作成可能です。
今回のクラウドサービス化により、AI環境の準備の負担などから今まで導入を見送っていたお客さまでも、「システム稼動分析」を容易に導入することが可能となりました。
図2|システム稼働分析の画面イメージと特長
システム監視業務を支援する「イベント分析」は、IT運用向けAI基盤である「AI for IT Operations - Platform」をお客さまの準備した環境に構築して提供しており、システムの警告メッセージ発生時のエンジニア呼び出し要否判断などイベント振り分け業務の自律化を促進することが出来ます。従来は、AIが学習した運用マニュアルに応じたイベント判定を行っていましたが、今回の強化により、過去の対応記録を学習させることで、類似した対応を抽出し、過去と同様の判定が可能になります。これにより、運用マニュアルが未整備のシステムでもAIを導入可能となり、容易かつ迅速に自律化を始められます。また、必要に応じてAIを活用しながら対応記録データを蓄積し、それらをまとめることで運用マニュアル化をめざすことも可能です。
今後も日立は、お客さまが使いやすく導入しやすいIT運用に特化したAIを強化し、自律化する運用業務を拡充するとともに、統合システム運用管理JP1との連携によりITシステム全体の最適化を支援するなど、IT部門のさらなる業務効率向上や企業のビジネス価値創出に貢献していきます。
名称 | 概要 | 価格(税別) | 提供開始時期 | |
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IT運用最適化サービス (【新規】:本発表における新規メニュー) | ||||
立ち上げ支援サービス | AI適用効果の検証、AI環境の構築 など | 個別見積 | 提供済み | |
継続支援サービス | AI適用効果の評価と改善 など | 提供済み | ||
サービスプラットフォーム | AI for IT Operations - Service (クラウドサービス版)【新規】
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9月30日 | ||
AI for IT Operations - Platform (オンプレミス版*4)
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提供済み*5 |
2019年8月1日(木)に、品川イーストワンタワー 13Fにおいて、IT運用の自律化に関するセミナー「もう始まっている運用現場へのAI導入。運用改善のユースケースを徹底解説!」を開催します。