2017年9月27日
基幹システム向けDevOpsサービスを販売開始
アプリケーション開発の迅速化と品質確保の両立、およびDockerコンテナによるシステムの早期立上げを実現
株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、企業の基幹システム向けDevOps*1環境を提供する「DevOpsサービス」を本日から販売開始します。本サービスは、OSSを活用した並行開発やビルド・テストの自動実行、開発プロセスの統制などが可能なツールや、アプリケーションの実行に必要なミドルウェアを組み合わせ、Hitachi Cloudのサービスとして提供するものです。本サービスにより、多くの開発および運用担当者が携わる大規模かつミッションクリティカルな基幹システムにおいても、アプリケーション開発の迅速化と品質確保の両立を実現します。また、Dockerコンテナ*2によるアプリケーション実行環境も提供し、開発から運用までのシームレスな管理と確実で迅速なデプロイによりシステムの早期立上げを可能とします。これらにより、基幹システムの経営環境の変化への対応に貢献します。
近年、市場を取り巻く環境の変化が一層激しくなっており、Webサービス系システムだけでなく基幹システムにおいても、その変化に対応できるアプリケーション開発や本番環境への適用が求められています。このような中、開発と運用の一体化により、市場ニーズにあわせたアプリケーションの開発、検証、運用を非常に速いサイクルで実現するDevOpsの適用が期待されています。 しかし、これまで基幹システムへのDevOpsの適用には、アプリケーションの品質確保への不安や最新技術を習得して運用・保守ができる人員の不足といった課題がありました。
今回、日立は、基幹システムに適した開発ツールやアプリケーションの実行に必要な各種ミドルウェアで構成されたDevOps環境を、サービス型で提供します。専用のポータル画面から利用申請するだけで、アプリケーションごとの開発環境やビルド・テストの自動実行が可能な検証環境を容易に生成できるため、迅速に開発を始めることができます。また、テストの自動実行やテスト結果を受けた修正プログラムの反映、結合において、開発責任者の承認をプロセス化できるため、基幹システムに必要となる堅ろうな開発管理が可能です。さらに、Dockerコンテナの活用により、異なるクラウド環境においてもアプリケーションの開発・検証・運用までをシームレスに管理でき、開発から実運用までの移行を容易とすることでシステムの早期立上げを支援します(図1)。加えて、運用時の稼働監視や維持保守を日立が代行することも可能です。
これらにより、開発から運用のすべてのプロセスにおいて迅速な対応と高い品質確保の両立を支援します。
日立は今後も、基幹システムにおけるノウハウと最新の技術を組み合わせ、顧客の多様なニーズに応えながら高い競争力を創出できるシステム開発とビジネスの革新を支援していきます。
図1:本サービスの利用イメージ
(1) 開発環境準備の短期化
基幹システム向けアプリケーション開発に使用する各種ツールを実装した開発環境を提供します。専用のポータル画面からアプリケーションごとの開発環境やテストの自動実行ができる検証環境を容易に生成できるため、開発環境準備にかかる期間を大幅に短縮します。
(2) 開発プロセスの遵守や自動化などによる開発品質の安定
開発者の役割ごとに開発プロセスの遵守を徹底できる管理ツールを利用しています。また、分散型バージョン管理ツールGitHub Enterpriseにより、アプリケーションを開発項目ごとにプログラムを分岐させて開発できるとともに、それらの結合作業を自動化することで開発品質の安定を支援します。
(3) テスト実施の徹底と開発検証のサイクルの迅速化によるアプリケーション品質の向上
開発したプログラムのテストを各開発者の指示に従い自動実行できるとともに、開発責任者の修正内容・テスト結果の確認後に、修正したプログラムの反映、結合を承認できるため、基幹システムに必要となる堅ろうな開発管理が可能です。また、Dockerコンテナを活用して本番環境と同じ構成の検証環境を短期間で容易に準備でき、各開発者が小規模な変更でもテストを実施できるため、開発と検証のサイクルを迅速化しアプリケーション品質の向上に貢献できます。
Dockerコンテナを使用することで、基幹システムの開発環境・検証環境から本番環境のシームレスな管理が可能となります。専用ポータルのカタログ一覧から選択するだけでDockerコンテナを利用でき、開発から実運用までの容易な移行を支援します。また、アプリケーションの実行に必要な関連するコンテナをグループ化して、グループごとに生成・起動・停止が容易にでき(図2)、確実で迅速なデプロイを実現し、システムの早期立上げを支援します。なお、Hitachi Cloudのエンタープライズ環境だけでなく、Amazon Web Servicesなどのパブリッククラウド環境や、オンプレミス環境など、開発環境と本番環境が異なる場合にもスムーズに移行できます。
開発環境や本番環境の稼働監視や維持保守を日立が代行することができ、システム部門は、従来システム管理に費やしていた工数をアプリケーション開発などコア業務に集中できます。
図2:専用ポータル画面の利用イメージ
名称 | 概要 | 価格(税別) | 提供開始時期 |
---|---|---|---|
基本提供サービス | ・セルフサービスポータルの提供 ・ヘルプデスク窓口開設 ・ユーザ管理/コンテナ管理機能の提供 ・バックアップ、稼働監視等の維持保守(オプション) |
126,000円/月〜 | 9月27日 |
開発管理環境提供サービス*3 | ・各種OSS設定、およびソースコード取込承認プロセスが組込済のアプリケーション開発環境を提供 ・ソースコードの結合やビルドの自動化機能を提供(オプション) ・リグレッションテスト、カバレッジ取得・静的解析の自動実行機能を提供(オプション) ・GitHub Enterprise利用環境*4を提供(オプション) ・バックアップ、稼働監視等の維持保守(オプション) |
85,000円/月〜 | |
実行環境提供サービス*3 | ・Dockerコンテナ基盤を活用し、各種パラメタ設定済みカタログからAPサーバ環境、DBサーバ環境を自動生成 ・バックアップ、稼働監視等の維持保守(オプション) |
57,000円/月〜 | |
各種導入サービス | ・セルフサービスポータルの利用環境、開発管理環境、実行環境の構築、提供 | 200,000円〜 | |
統合アプリケーション 構築基盤提供サービス |
・エンタープライズグレードのアプリケーション開発を支援する日立アプリケーションフレームワーク*5の利用環境の構築、提供 | 個別見積 | |
導入支援サービス | ・プロジェクト特性に応じたアプリケーション開発環境や開発プロセス策定を支援 |
株式会社日立製作所 サービスプラットフォーム事業統括本部 IoT・クラウドサービス事業部
http://www.hitachi.co.jp/it-pf/inq/NR/
以上