全日空商事では,約130台のクライアントPCを使って,その2倍に相当する約260名の社員がさまざまな業務に,OLAP分析を活かしている。
「本社の部長は,自分でHITSENSER3を操作して,支店別/月別の予実績管理などをしています。HITSENSER3で用意しておいた定型帳票を選ぶだけですから,操作練習などはほとんど必要ありませんでした」と園山氏は言う。
レポート作成業務も格段に効率化した。
「HITSENSER3には,月別/支店別/発着地別など,30〜40の切り口を用意していますが,東京支店では,そのほとんどすべてを使って毎日レポートを作り,支店の社員全員に配っています」と,全日空商事 東京旅行支店 スカイホリデー部 商品計画課 上野 裕美氏。
これまでは,紙の帳票のデータをPCに入力し直して,100ページ以上にものぼるレポートを作るのに2〜3日もかかっていた。
「今では1〜2時間でできますので,速報を毎日配布することができます」と上野氏はにっこりする。
また,毎日更新される新しい情報を使って分析ができるため,コース企画の発売日に出足をチェックして,次の日には対策を講じるなど,機敏な動きができるようになった。
「自分が企画したツアーについて,実施後の評価もできます。企画,実施から評価に至るライフサイクルを確実に管理できる環境が整ったのです」と溝邊氏は言う。
統計的な分析による発見も多い。
「たとえば,これまではゴルフツアーでは3日間コースが一番人気があると感覚的に思っていました。ところが,新しいシステムで分析してみたら,一番売れ筋だったのは2日間で2プレイできるコースでした」と上野氏。
「従来はトレンドを見つけようとしても,データを集めてきて分析を行うという物理的な時間がなかなかとれませんでした。しかしHITSENSER3なら,10回でも20回でも思いついた分析を繰り返して,より精度の高いトレンド把握につなげることができるのです」と,溝邊氏は補足する。
経験やカンを超える「発見」は,新しい商品企画へとつながっていく。全日空商事は,日立のデータウェアハウスソリューションを採用したことによって,業務効率向上だけでなく,「明日の企画力」を手に入れたのである。
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