統合管理により、UFJ銀行のシステム管理には、単一の仕組みの中での管理に加えて、オペレーションレスと大規模システムにおける高信頼性というメリットがもたらされた。
UFJ銀行では、ネットワーク管理ツール「JP1/Cm2」を利用することで、約60システムを常時わずか2名の要員が監視している。しかしその監視要員も通常は別の業務をおこなっており、必要なときのみ対応している。
旧・三和銀行は、早くから日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」を導入し、オープンシステムの役割が拡大するのと歩を同じくして、JP1の適用領域も拡大してきた。さらに2002年1月、三和銀行と東海銀行が合併してUFJ銀行となり、システム規模が約2倍になったにもかかわらず、システム監視はずっと、2名だけでこなせている。
「経営戦略を支え、サービス拡大を実現するのがシステムの役目であり、合併後もどんどんシステムの数は増えています。それでも監視要員は2名のままで済んでいる効果は大きい」と、UHS システム基盤開発部 分散基盤グループプロジェクトリーダー 楠田 哲也氏は言う。
また、警告などのメッセージは、日本語の文章に音声変換してデータセンター内に放送されるため、監視要員が監視画面に張り付いている必要はない。「放送を聞いて画面を見ると、その問題はどこに連絡すればいいか、連絡先の電話番号まで表示されていますから、すばやく初動アクションがとれます」と楠田氏。豊富な運用経験に基づき、対応アクションが標準化されているのである。
「運用の手順やレベルは、JP1の機能を基本に標準化し、ドキュメント化しています。したがって、アプリケーション開発のとき、運用に関わる部分で開発者が個別に悩まずに済み、開発工数削減という効果をもたらしています」と楠田氏は付け加えた。 |