「お客様指向」の発想から生まれたWeb受注システムは、名付けて「WEB TRUSCO」。基幹システムの情報をいかにスムーズにWeb環境へつないでいくかが、システム構築の最大の課題であった。基幹システムと連携しリアルタイム処理を実現しないと、他のシステムとデータの同期をとるのがむずかしいということだ。「午前の注文は午後に届ける」のがトラスコ中山のビジネススタイルである。基幹システムからデータの一部をインターネット公開用サーバへファイル転送し、夜間バッチでデータの整合性をとるという方法では、トラスコ中山のビジネスのスピードをキャッチアップできない。
この問題を解決したのが、日立のWebアプリケーションサーバ「Cosminexus」である。
Cosminexusは、CORBAにも対応したJ2EE準拠のアプリケーションサーバ製品であり、Cosminexusのシステム連携基盤「Object Wrapper」を使うことによって、既存システムを変更することなく、そのままラッピングしてWebシステムとシームレスに連携させることができる。新たなアプリケーション開発やラッピング用の定義ファイルやHTMLファイルのプログラミングは一切不要だ。
「Java(TM)のプログラミングが必要な部分は日立さんが全面的にサポートしてくれたため、われわれはCOBOLを使って社内オンラインシステムを開発することに専念できました」とトラスコ中山 情報システム部 高橋 孝幸氏は言う。
WEB TRUSCOは、お客様が発注情報を入力するための方法を豊富に提供しているのが特長だ。
発注画面へ手順通りに入力する方法はもとより、電子カタログを検索してそこからボタンクリックで注文する方法、商品の価格照会をしてそこから注文する方法、お客様の購買履歴を表示させてそこから注文する方法、商品やカタログのバーコードをスキャンして注文する方法など、発注情報の入力の手間を減らすさまざまな工夫が凝らされている。
また、CD-ROMやDVDで配布してきた電子カタログを付属のソフトで加工して、発注データのCSVファイルを生成することも可能だ。
特筆すべきは、WEB TRUSCO上で返品さえも可能にしている点だ。真に顧客の利便性を考えた、商品に対する自信のあらわれでもある。
さらに、携帯端末からの受注・照会業務も実現。すべてのキャリアに対応している。
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