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事例紹介

Casestudy
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信金中央金庫
 
中小企業の資金調達のライフラインとして「電子手形サービス」が登場。
構築から運用まで、高信頼システムを支える日立のト−タルソリューション
 
信金中央金庫(以下、信金中金)は、2003年5月、インターネット上で安全・確実に電子決済ができる「電子手形サービス」をスタートさせた。3年以内に、信用金庫と約3万社の中小企業の利用を目指す。さらには、都市銀行・地方銀行などの他金融機関や大企業の参加を得て、電子商取引における新決済インフラとして普及させていく意気込みだ。高信頼性が要求されるシステムの構築には、統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」やWebアプリケーションサーバ「Cosminexus」など、日立の豊富なミドルウェア製品を組み合わせ、短期開発と安定運用を両立させることに成功した。
 

手形の電子化で中小企業の 資金調達を支援

 

商業手形は、日本、韓国でおもに普及している決済手段である。現金化する前に割引や譲渡などが柔軟にできる手形は、中小企業にとって、資金調達のライフラインだと言っても過言ではない。

しかし手形は、紙の券面を扱うだけに不便な点もある。金融機関は、他行が支払人となっている手形を受け取ると、手形交換所へ現物を持参して交換するが、手形交換所は都道府県によっては1ヵ所しかないところもある。信用金庫では、手数料を支払って地方銀行に手形交換を依頼するなど、事務作業やコストの負担が大きい。

インターネットを使った電子手形による手形レス取引。この世界で初めてのビジネスモデルの構築にチャレンジしたのは、全国326信用金庫のセントラルバンクである信金中金である。

「手形を電子化することで、金融機関の手間が省けますし、企業にとっては遠隔地の相手とも信用取引がしやすくなります」と、信金中金 総合企画部 電子手形企画室長 高橋 秀充氏は言う。

電子手形は、電子商取引における企業間決済の手段として大きな可能性を持っている。

「企業間の電子商取引は、企業の信用力が厳しくチェックされるため、中小企業が参加しにくくなっています。電子手形は、手形決済の堅実性を継承しつつ、さまざまな決済の仕組みを柔軟に取り込むことが可能。電子手形を電子商取引の共通決済基盤に据えることで、中小企業も電子商取引でビジネスチャンスをつかみやすくなります」と高橋氏は語る。

高橋 秀充 氏の写真
 
信金中央金庫
総合企画部
電子手形企画室長
高橋 秀充 氏
 
 

スパイラル型開発を支えたCosminexus

 

信金中金はまず、電子手形決済のビジネスモデル作りに取り組み、2001年11月、ビジネスモデル特許を申請した。このビジネスモデルを共同開発したパートナーが日立である。

「日立は、電子証券や債権の流動化などに早くから取り組んでおり、すでに11件以上のビジネスモデル特許を持ち、この分野で実績あるベンダーです。これらの実績から電子手形の共同開発の相手として、日立を選びました」と高橋氏は言う。

システム開発の手法については、ウォーターフォール型があたりまえの金融業界にあって、あえてスパイラル型を採用した。誰も経験したことのない新しいビジネスモデルをシステム化するため、短期間でパイロットシステムを構築し、実証実験を通じてブラッシュアップしていくことにしたのである。

2001年12月にビジネスモデル作りを開始したとき、最初の実証実験は2002年6月に実施することが決まった。つまり、最初のパイロットシステムは、わずか6ヵ月で作り上げなければならなかった。

そこで活躍したのが、日立の「Cosminexus」だ。Cosminexusは、Webアプリケーションの開発・実行環境であり、高品質なWebアプリケーションを短期開発することができる。Cosminexusを活用したことによって、2002年6月の第1次実証実験の段階で、振出、受取、譲渡などの、手形の主要機能を備えたパイロットシステムを使用することができた。その後、割引や分割という電子手形独自の機能まで加えて、本番稼働を迎えた。

将来は、携帯電話から電子手形への電子署名などができるようにする計画もあるが、豊富なアクセスチャネルに対応するCosminexusは、こうした拡張をも確実に実現する。

 

システムの安定稼働をトータルに実現するJP1

 

Cosminexusは、日立のスケーラブルデータベース「HiRDB」および統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」との高い連携性により、信頼性が高く安定したシステム稼働を実現するうえでも威力を発揮している。

HiRDBは、金融業界をはじめとするミッションクリティカルな用途で多く活用されているデータベースだ。コストパフォーマンスが極めて高く、電子手形サービスにおいてもハイレベルなトランザクション性能を実現している。

JP1は運用管理システムとして、ジョブ管理、稼働監視、データバックアップという3つの役割を担っている。

「信金中金では、1995年からクライアント/サーバ・システムの構築が始まりました。オープン系システムを安定稼働させるために、運用管理の標準製品に選んだのがJP1です。デファクトスタンダードであり、多くの基幹系システムにおいて実績あるJP1なら安心でした」(高橋氏)。

ジョブ管理としては、システムの起動と終了処理、オンライン終了後のバッチ処理、バッチ処理の前後でのバックアップ処理、決済データの送信処理など、多種多様な日次・週次処理を、スケジューリング機能により自動化している。

稼働監視では、各機器の状態監視およびリソースのしきい値監視を一元的に行っている。システムに問題が発生した場合には、単一の管理コンソールを操作しながら、問題箇所の特定や原因の切り分けができるのである。

手形データは5年程度、オンラインで参照できる状態にしておく必要がある。データ量の急激な増大に備えて、ストレージとしては日立ディスクアレイサブシステム「SANRISE2200」を選んだ。SANRISEとJP1は密接に連携しており、ストレージに万一障害が発生した場合にも、JP1の統合監視画面に即座に表示される。

また、SANRISE、JP1のジョブ管理、バックアップソフト「JP1/VERITAS NetBackup」の連携により、バッチ処理の前後に、高速で安定したバックアップを実行している。システム全体の運用スケジュールに基づいた効率の高いバックアップ自動運用ができるため、将来の24時間サービス化にも容易に対応可能だ。

これらのシステムの運用はすべて、日立のデータセンターにアウトソーシングしている。

「こうした機能に1つでもトラブルがあればシステムが止まってしまいますが、これまでそうした障害は一度も起きていません。他の金融機関から『1年ぐらいでよく電子手形のシステムが作れましたね』と言われますが、開発から運用まですべてがトータルで密接に連携できているからこそ、短期開発と安定稼働を両立させることができたのです」と高橋氏は強調する。

 
信金中央金庫「電子手形サービス」システムの概念図
 
信金中央金庫「電子手形サービス」システムの概念図
 

静岡県からサービス開始。 3年で3万社の参加を見込む

 

中小企業でも手軽に利用できるインターネット環境で、強固なセキュリティを確保するためにはさまざまな工夫をしている。そのひとつとして、信金中金自身が電子署名法に準拠した認証局を開設し、特定認証業務の認定を受けた。

2002年6月の第1次実証実験には3信金5企業、同年12月から翌年2月までの第2次実証実験には7信金55企業が参加して、システムの完成度は高まった。2003年5月、電子認証局の運用を開始し、本番稼働がスタートした。

信金中金では静岡県をパイロットエリアに定め、ここから段階的に全国展開していく。信金業界が取引している中小企業は約130万社あるが、3年以内に3万社の参加を見込む。

「利用をさらに拡大するため、地銀や都銀にもこの決済基盤を積極的に利用していただきたい」と高橋氏は意欲的に語る。システム面でも、大企業の会計システムとの連携、サービス時間延長、小切手機能の取り込み、携帯電話経由での電子署名など、拡張したい機能が目白押しだ。

日立の豊富なミドルウェア製品を連携させて実現した堅牢なプラットフォームは、中小企業のライフラインへと育っていく電子手形サービスを今後もがっちりと支えていく。

 
 

USER PROFILE

信金中央金庫
本店 東京都中央区京橋3-8-1
創立 1950年6月1日
総資産 26兆8,104億円(2003年3月31日現在)
常勤役職員数 1,097名(2003年3月31日現在)
連結自己資本比率
(国際統一基準)
16.20%(2003年3月31日現在)
URL http://www.shinkin.co.jp/scb
事業概要 全国326の信用金庫を会員とする協同組織形態の金融機関。信用金庫法に基づき設立された。2003年3月末現在の資金量は、信用金庫から預け入れられた資金と、金融債を発行して調達した資金を合わせて21兆6,043億円にのぼり、日本有数の規模と効率性を有する金融機関である。日本格付研究所の長期優先債務格付AAAを獲得しており、信用金庫のセントラルバンク、機関投資家、地域金融機関という3つの役割を併せ持つ。

 
この記事は、「日経コンピュータ」2003年 7/14号に掲載されたものです。
 

JP1CosminexusHiRDBの詳細については,ホームページをご覧ください。
 
* 会社名,製品名は,各社の商標もしくは登録商標です。
 
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