選定にあたっては次の4つのポイントを重視した。
「第1に,監視コンソールに至るまで,完全にUNIXオンリーで構築できること。ミッション・クリティカルなシステムですから,これは必須の条件でした」と,エヌ・ケー・エクサ 技術部 技術開発・支援チーム 猪田 栄一氏は話す。
第2に,現状のジョブ・スケジュール情報を自動的に移行できること。
運用管理の対象は,生産管理システムをはじめ,7つものUNIX基幹系システムである。しかも,生産管理システムの中のたった1つのアプリケーションだけで,3,000ジョブが動いているというほど,ジョブ数は膨大だ。全体では1万ジョブにも及ぶスケジューリング情報を,またゼロから人手で入力し直すのはほとんど不可能である。
「他社の運用管理ソフトウェアとのコンバート・ソフトウェアを作ってくれる。そういうきめ細かい対応をしてくれるベンダーを求めたのです」
第3は,国内に開発部隊がいること。
「バグを1つ直すのに,海外とやりとりして,半年も1年もかかるシステムは避けたかったのです」
そして第4が,安定性だ。
「運用管理サーバ自体をクラスタ構成にしますから,ことに,クラスタ構成における安定稼働を重視しました。ミニマムのクラスタ構成でテスト環境を作って,途中でシステムがダウンしたときに,アプリケーションのスクリプトがなくなってしまったりしないか,細部に至るまで入念にテスト/評価をしました」(エヌ・ケー・エクサ 技術部 技術開発・支援チーム 大熊 一也氏)。
参考製品を含めて,比較検討した5種類の製品の中で,このすべての条件を十分に満足できたのは,日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」だけだったのである。
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