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(本リリースの内容は、イタリアにおいて6月18日16:00
(日本時間6月18日23:00)に発表しました。)
日立レールが参画する企業グループがイタリア・ブレシア市の新しいトラムシステムの契約を締結
総額3億2600万ユーロ、日立レールは18編成の車両等を受注
納入する車両のイメージ
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、このたび、イタリア・ブレシア市の市営交通インフラ企業であるBrescia Mobilità(以下、ブレシア・モビリタ社)から、新しいトラムT2線の建設契約を締結しました。この契約はManelli Impresa(以下、マネリ・インプレサ社)が主導し、日立レールとAlstom(以下、アルストム社)が参画する企業グループ(Temporary Grouping of Companies: TGC)が締結したものです。新しい路線はフィエーラ駅とペンドリーナ駅を接続し、総契約額は3億2600万ユーロ(約542億円*1)です。
- *1
- 1ユーロ= 166.5円で換算。
このプロジェクトは、公共交通機関の効率を高め、環境への負荷を減らし、さまざまな都市モビリティの統合促進を目的とした戦略的インフラです。
T2線は、フィエーラ駅(市南西部)とペンドリーナ駅(市北西部)の間を結ぶ全長11.3kmの複線ルートに沿って運行され、市内で最も人口密度の高い地区のいくつかを通過し、イタリア国鉄の主要駅を迅速かつスムーズに接続します。このプロジェクトには、21のトラム駅、フィエーラのメインデポ、ペンドリーナの補助デポが含まれ、持続可能性とサービス効率を確保するための最先端のテクノロジーを備えています。
T2線の走行ルートの72%は専用軌道上に設けられ、交通の流れをスムーズかつ安全に維持します。また、全体のうち約8.2kmは架線を介して電力を供給し、残りの約3.1kmは景観保護のため架線を設けず、バッテリー駆動で走行します。
マネリ・インプレサ社は、主要なインフラプロジェクトを専門とする大手建設会社であり、T2線の最終設計と安全管理を含む、土木およびインフラ工事を担当します。同社の今回の契約金額は、約1億6100万ユーロ(約268億円*1)です。
日立レールは、鉄道および持続可能なモビリティ分野におけるグローバルプレーヤーとして、18編成の次世代トラムに加え、地上および車載の通信機器、車載信号システムを納入します。日立レールの契約金額は、約7700万ユーロ(約128億円*1)です。これらの新型トラムはS.C.A.I.の原則(安全性、快適性、環境適合性、革新性)に基づいて設計・開発され、人間工学と乗客体験に配慮されています。イタリア・レッジョ・カラブリアの日立レールの製造拠点で生産されます。
車両には、歩行者や周囲を走行中の車両などの潜在的な障害物を検知できる衝突防止機能を備えた革新的なADAS(先進運転支援システム)を搭載します。高度な振動抑制技術と低騒音設計、乗客定員216人のうち24%を超える52の座席により、乗客の快適性が向上されます。車両は軽量で、98%がリサイクル可能な素材で製造されており、乗客数に応じてエネルギー消費を調整・削減する自動空調制御システムを備えています。歴史的・芸術的価値の高い地域ではバッテリー駆動により環境への負荷を低減し、ブレーキ時の回生電力を活用する革新的なエコドライブ・アルゴリズムにより電力消費量を15〜20%削減します。
アルストム社は、イタリア各地でターンキーシステムの主要プロバイダーとしての役割を果たしています。このプロジェクトでは、アルストム社は軌道システム、電化システム、架線、照明、信号システムの設計・建設を担当し、契約金額は約8800万ユーロ(約146億円*1)です。これらの業務は、ローマに拠点を置くアルストム社のシステム&インフラチームが担当し、電化システムは100年以上の技術革新と開発の歴史を持つ、ヴァルマドレーラにあるアルストム社の拠点で設計・提供されます。提供される最先端のソリューションの一つに、架線の自動張力を調整する革新的な装置「Spiroll™」があります。
マネリ・インプレサ社CEO, Sergio Onofrio Manelli(セルジオ・オノフリオ・マネリ)氏のコメント
「新しいトラムプロジェクトは、歴史的地域、都市再生が進む地域、再開発が必要な地域など、複雑な都市環境を通過します。このプロジェクトの建設は、PGT(Piano di Governo del Territorio: 領域統治計画)の戦略に沿った都市空間の質を高める絶好の機会です。T2線は、公共交通機関を強化し、自家用車への依存を減らすことにより、歴史的中心部へのアクセスと利便性を向上させます。また、変革が進む地域の経済活性化に貢献し、都市化されていない地域での社会的結束を促進することにより、都市のウェルビーイングを向上させます。」
日立レールグループCOO 兼 日立レールイタリアCEO, Luca D'Aquila(ルカ・ダキーラ)のコメント
「ブレシア市向けに開発中のトラムは、最高水準の市場基準を満たし、世界的に優れたトラム輸送の卓越性を体現するでしょう。鉄道事業者や乗客に利益をもたらすために、包括的で最先端のテクノロジーソリューションを提供する日立レールの能力を示しています。そして、安全で持続可能な公共交通への移行を促進することにより、輸送の脱炭素化を推進するという、グループの戦略的目標にも合致しています。」
アルストムイタリア, Managing Director, Michele Viale(ミケーレ・ヴィアーレ)氏のコメント
「私たちは、複雑で統合的なトラムプロジェクトの専門知識をブレシア市に提供し、より持続可能で効率的な都市および郊外のモビリティの実現をサポートできることを誇りに思います。11kmを超える新しいトラムの建設により、地域の公共交通に革新的なソリューションを提供するという取り組みをさらに強化します。」
日立レールについて(英語)
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。