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日立、環境ビジョン・環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を改定
SBTイニシアチブから「ネットゼロ目標」の認定を取得
株式会社日立製作所(以下、日立)は、日立グループ全体でめざす方向性をしめした環境ビジョンと2050年度に向けた環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を改定しました。今回、近年顕在化している環境課題に加え、その課題解決に向けた人々の意識変化やビジネスモデルの進化を踏まえ、「脱炭素」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」の3つの柱を新たに環境ビジョンとして掲げ、その実現に向けた目標に更新しました。
さらに、日立の2050年度へ向けた温室効果ガス削減目標は、パリ協定で定めた1.5℃目標*1と一致する科学的根拠に基づくネットゼロ目標(science-based net-zero target)として、国際的な気候変動イニシアチブであるSBTイニシアチブ(以下、SBTi)*2から認定されました。
- *1
- 産業革命以前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力をする目標
- *2
- 企業や金融機関が科学的根拠に基づいた温室効果ガス(GHG)排出削減目標を設定し、その妥当性を審査・認定する国際的なイニシアチブ
環境ビジョンおよび「日立環境イノベーション2050」の改定
日立は、世界で深刻化する環境課題を踏まえ、環境ビジョンと環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を2016年に策定しました。策定以降、3年ごとのアクションプランを定め、事業所やバリューチェーン全体のカーボンニュートラル達成に向けた活動や、水・資源の利用効率の改善、生態系保全活動など、日立グループ全体で目標達成に向けて取り組んできました。
近年、生成AI利用拡大等による電力需要の急激な高まりや、地政学リスクに起因するバッテリー等製品の製造に必要な鉱物資源の囲い込み、自然災害の激甚化といった環境課題が一層顕在化しています。それらに対して、非化石エネルギーの利用拡大や、循環型ビジネスへの転換、自然資本の保全や回復に向けた取り組みなど、多様な解決策が模索されています。
こうした状況を踏まえ、日立は、今回改定した環境ビジョンにおいて、「脱炭素」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」の3つを柱に掲げ、社会イノベーション事業を通じて、すべての人が地球環境を守りながら豊かな社会を実現できるように、グリーントランスフォーメーション(GX)のグローバルリーダーをめざします。この新たな環境ビジョンの下、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を改定しました。
「日立環境イノベーション2050」改定のポイント
- 「脱炭素」の実現 : これまでは、2050年度までにバリューチェーン全体の「カーボンニュートラル」の実現を目標としていました。今回の改定では、CO₂のみならず温室効果ガス全体の削減をめざし、2050年度までにバリューチェーン全体の「ネットゼロ*3」の実現を目標に設定します。高効率な製品や革新的なサービス、将来の技術により、温室効果ガス排出量の削減やバリューチェーンの脱炭素化に貢献します。
- 「サーキュラーエコノミー」の実現 : これまでは、高度循環型社会をめざし、2050年度までに「水・資源利用効率を50%改善(2010年度比)」することを目標としていました。今回の改定では、2050年度までの「サーキュラートランスフォーメーション(資源とビジネスを循環型へ移行)」を新たな目標に設定します。循環型ビジネスへの転換を図り、エネルギーや資源の使用量を最小化するとともに、シェアリングやリカーリングによる製品使用時の価値向上や製品寿命の延長、リマニュファクチャリングやリサイクルによる寿命を迎えた製品の再資源化などにより、モノやコトのライフサイクル全体における価値を最大化することをめざします。なお、水利用効率の改善については、水を自然資本の一部であると捉えなおし、ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みの中で引き続き推進します。
- 「ネイチャーポジティブ」の実現 : これまで目標としていた、自らの事業活動による「自然への影響の最小化」に加え、自然災害に起因する被害を軽減し、より迅速な回復への貢献も含めた「ネイチャーレジリエンス」を2050年度の目標に設定しました。
上記それぞれの目標に対し、2030年度の行動目標を設定するほか、3年ごとのアクションプラン「環境行動計画」を具体化し、日立グループ全社で取り組みます。
- *3
- パリ協定で定められた「1.5℃目標」の排出削減シナリオに沿ってバリューチェーンにおけるGHG排出量を可能な限り削減し、残余分を吸収または固定化することで恒久的に除去し、中和すること
環境ビジョンおよび環境長期目標「日立環境イノベーション2050」
SBTiから「ネットゼロ目標」の認定取得
日立はSBTiから、パリ協定で定められた「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた「ネットゼロ目標」(science-based net-zero target)の認定を取得しました。認定された目標は以下の通りです。
- ネットゼロ目標 : 日立は、2050年度までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量をネットゼロにすることをめざします。
- 短期目標(Near-Term Targets) : 日立は、スコープ1および2の温室効果ガス排出量を、2030年度までに2019年度を基準として83%削減することをめざします。日立は、スコープ3の購入した製品・サービスからの排出量、および販売した製品の使用による温室効果ガス排出量を、2030年度までに2022年度を基準として付加価値*4あたり52%削減することをめざします。
- 長期目標(Long-Term Targets) : 日立は、スコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を、2050年度までに2019年度を基準として90%削減することをめざします。日立は、スコープ3の購入した製品・サービスからの排出量、および販売した製品の使用による温室効果ガス排出量を、2050年度までに2022年度を基準として、付加価値あたり97%削減することをめざします。
- *4
- 売上総利益
日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2024年度(2025年3月期)売上収益は9兆7,833億円、2025年3月末時点で連結子会社は618社、全世界で約28万人の従業員を擁しています。