ビルIoTソリューション「BuilMirai」の中小規模ビル向けモデルを開発、グリーン&スマートビル事業を大幅に強化

グリーン&スマートビル事業コンセプト

  株式会社日立製作所(以下、日立)と株式会社日立ビルシステム(以下、日立ビルシステム)は、ビル管理の効率化や、運営品質の維持・向上、利用者の快適性の向上を実現するLumada*1のビルIoTソリューション「BuilMirai(ビルミライ)」について、新たに中小規模ビル*2向けモデル(以下、本ソリューション)を開発し、グリーン&スマートビル事業を強化します。
  本ソリューションは、日立がこれまで大規模ビル向けの「BuilMirai」の開発・提供で培った技術や経験・ノウハウを踏まえ、中小規模ビルで求められるソリューションをパッケージ化したもので、日立ビルシステムがas a Service型で提供します。第一弾として、2024年11月以降順次、マンションなどのセキュリティ解除や、ビル設備の故障監視、防犯カメラの映像モニタリングなどがスマートフォンで行える3つのソリューションの提供を開始します。お客さまにて必要なメニューを選択してサブスクリプション(月額サービス)契約をいただく提供形態とすることで、お客さまの投資負担を抑え、中小規模ビルにおけるGX/DXを支援します。
  今後、日立と日立ビルシステムは、継続的にソリューションメニューの拡充・強化を進めていくとともに、日立の米国子会社であるGlobalLogic Inc.(以下、GlobalLogic)と共同で、「BuilMirai」のグローバルスタンダードモデルの開発を推進し、グリーン&スマートビル事業のグローバル展開を加速していきます。

*1

Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。

*2

延床面積3,000m²以下のビル。

本ソリューション開発の背景

  近年、原材料価格、エネルギー価格の上昇や、人件費高騰・人手不足、地球温暖化に伴う気候変動などを背景として、さまざまな社会課題やニーズが生まれています。ビル関連分野においても、オフィス需要の変化に伴うビルの新たな価値創出や、ビル管理の効率化、エネルギー利用の効率化をはじめとする環境対応などへの関心が大きく高まっています。
  大規模再開発案件においては、専用のスマートビルシステムを構築し、これらの課題に対処する動きが広がりつつありますが、日本のビル棟数の大多数を占める中小規模ビルにおいては、導入コストをはじめとする予算面の制約や、中小規模ビルに適したソリューションが体系的に整備されていないことなどから、GX/DXが進みにくい状況があります。
  日立は、グリーン&スマートビルの基盤となるビルIoTソリューション「BuilMirai」をこれまで大規模ビル向けに販売しており、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」*3をはじめとするフラッグシップ案件のビルOS*4として採用されていますが、新たに中小規模ビルのGX/DXのニーズに応えるべく、本ソリューションを開発しました。

*3

2023年12月7日付ニュースリリース「『芝浦プロジェクト』で導入するビルOSとして日立のビルIoTソリューション『BuilMirai』を採用」

*4

ビルOS:建物内のアセットを抽象化されたデジタルアセットとして扱うことで、データの標準化を行うとともに、ビル設備と多様なサービスを連携させ、アプリケーションの開発を加速させるデータ連携基盤。

本ソリューションの概要と特徴

  「BuilMirai」の中小規模ビル向けモデルの第一弾として、マンションなどのセキュリティ解除を遠隔で行えるセキュリティソリューション、受水槽やポンプ、受変電設備などのビル設備を一括で遠隔監視できるビル設備管理ソリューション、複数拠点の防犯カメラ映像を遠隔で確認できるモニタリングソリューションをas a Service型で提供します。

1. スマートフォン対応で高い利便性を実現
     全てのソリューションがスマートフォンに対応しており、マンションの居住者やビル管理者が、時間や場所を選ばず容易に利用できます。
2. サブスクリプションモデルで必要なメニューだけを利用でき、投資負担を軽減
     お客さまにて必要なメニューを選択してサブスクリプション(月額サービス)契約をいただく提供形態とすることで、お客さまの投資負担を軽減します。
3. マンションのセキュリティと快適性を向上
     セキュリティソリューションでは、スマートフォンを用いてマンションなどのエントランスのセキュリティを解除するとともに、エレベーターのセキュリティの解除やエントランス階への呼び寄せなどを行うことが可能です。さらに、スマートフォンで来訪者を事前登録し、GPS位置情報やワンタイム認証をチェックすることができ、来客や宅配業者のスムーズな入館や「置き配」対応を実現します。
     モニタリングソリューションでは、スマートフォンで防犯カメラ映像をリアルタイムで確認しながらエントランスのセキュリティを遠隔で解除したり、来訪者の記録が可能です。

日立のグリーン&スマートビル事業の取り組み

  日立と日立ビルシステムは、グローバル市場において100万台を超える昇降機などのビル設備に対し、2,000拠点超の事業拠点をベースに、IoTやAIなどのデジタル技術を活用したメンテナンスサービスを提供しており、この強みを生かして、ビルのスマート化、環境対応を支援するソリューションを提供しています。ビルIoTソリューション「BuilMirai」をグリーン&スマートビルのプラットフォームとして提供し、さまざまなビル設備・システムをつなぎ、データの一元的な管理、分析、制御を行えるようにすることで、ビル管理の効率化や、運営品質の維持・向上、利用者の快適性の向上を実現します。
  また、グリーン&スマートビルの構成要素となるビル設備・システムの事業強化も進めており、2024年4月には、日立グループ内の入退室管理システム事業を、日立ビルシステムを含む日立のビルシステム事業部門に集約し、体制を強化*5しました。
  空調機器事業については、2022年以降、日立ビルシステムと、空調機器および空調IoTソリューション「exiida(エクシーダ)」を提供している日立グローバルライフソリューションズ株式会社(以下、日立GLS)との連携を強化*6しています。また、2024年7月23日に日立と日立GLSが発表した空調事業合弁会社の資本再編*7を通じ、日立グループ一体となって、生成AIの急速な普及に伴い需要が拡大するデータセンターや、電力不足に伴い需要が拡大するグリーンビルといった成長分野へのソリューション展開を加速していきます。

*5

2024年3月18日付ニュースリリース「スマートビル事業の拡大に向けて入退室管理システム事業体制を強化」

*6

2022年9月15日付ニュースリリース「日立ビルシステムが業務用空調機器の保全サービス事業を強化」

*7

2024年7月23日付ニュースリリース「空調事業合弁会社の資本再編について」

商標注記

• 「BuilMirai」は、株式会社日立製作所の登録商標です。
• 「exiida」は日立グローバルライフソリューションズ株式会社の日本における登録商標です。
• その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

関連情報

Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPANでの紹介について

  ビルIoTソリューション「BuilMirai」の中小規模ビル向けモデルは、日立が2024年9月4日(水)〜5日(木)に開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」において、ご覧いただけます。
  展示会場の「EX03-01: ビルで生活する人々の日常を豊かにする日立のスマートビルソリューション」にて、セキュリティソリューション(スマートセキュリティ)およびモニタリングソリューション(スマートモニタリング)をご紹介する予定です。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立ビルシステム カスタマーサポートセンター
TEL : 0120-7838-99(フリーダイヤル)