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Hitachi

日立ハイテクと韓国Gencurix社が、がん分子診断事業に関する協業を開始

バイオマーカー探索技術とデジタル技術のシナジーで、がん診断に新たな価値を提供

株式会社日立ハイテク
Gencurix, Inc.

  株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)と大韓民国(以下、韓国)のGencurix, Inc. (ジェンキュリックス社;以下、Gencurix社)は、がん分子診断事業*1に関する協業を開始します。この協業により、日立ハイテクが長年培ってきた体外診断分野における研究開発、モノづくりでの経験およびデジタル技術と、Gencurix社が有するがん領域におけるバイオマーカー*2探索と分子診断サービスの技術・経験を組み合わせ、がん分子診断向け検査サービスを開発します。この協業の一環として、事業の実現性に関して検討するフィージビリティ・スタディ(以下、FS)を実施し、2024年6月にFS契約で定めたチェックポイントを両社が達成したため、次のステップとして日本での商用化に向け具体的な検討を開始します。

*1
分子診断事業:組織や血液(体液)に含まれるDNA・RNA・タンパク質などの生体分子を測定し、診断や治療薬選択に必要な情報として医療現場に提供する事業。
*2
バイオマーカー:バイオマーカーは、ある疾患の有無、病状の変化や治療の効果の指標となる検査項目・生体内の物質。バイオマーカーの重要性は増しており、がんなどの特定の疾患分野においてバイオマーカーの活用により個別化医療が実現されている。また、治療効果を計る指標として活用されるだけでなく、今後は疾患予防のための指標としての活用が期待されている。

協業の背景

  近年、がん医療においては、遺伝子やタンパク質を詳細に調べて診断や治療薬選択を行い、患者一人ひとりに合った治療を行う「個別化医療」が広がっています。治療方法の発展に伴い、医師と患者が治療方法を選択する場面が増え、その選択を支える臨床検査の重要性がますます高まっています。新しい治療薬や治療方法の開発が日進月歩で進むがん診断の領域においては、適切なバイオマーカーの探索と検査手法の確立、およびデジタルを活用した迅速かつ医学的価値の高い結果報告が求められています。
  このような中、分子診断事業を強化している日立ハイテクとバイオマーカー探索技術に強みを持つGencurix社が組み、信頼性の高いがん診断向け検査サービスを開発していきます。

協業の位置づけ

  日立ハイテクのヘルスケア事業統括本部は、2024年4月に日立製作所のヘルスケア事業(放射線治療、デジタルヘルスケアなど)を承継し、「診断×治療×デジタル」によるヘルスケアイノベーション創出をめざしています。特に体外診断の領域においては、血液などの検体を分析し疾患の診断をサポートする生化学・免疫分析装置、DNAシーケンサーをはじめとした製品ラインアップを揃え、臨床検査の高品質化と高効率化に貢献しています。今回の協業は、日立ハイテクが成長戦略として掲げる分子診断事業の取り組みの一環です。日立ハイテクは、「がんを恐れることのない社会」の実現に向けて、「個別化医療」「難病診断の高度化」で人々のQoL向上に貢献します。
  Gencurix社は、2011年、韓国ソウルに設立された先進的なライフサイエンス企業で、がん診断のためのバイオマーカー探索から、そのバイオマーカーを用いた検査サービスの提供、および検査製品販売までを行っています。がんの早期検出から予後診断、コンパニオン診断*3、再発モニタリングまで、がんの診療サイクル全般にわたる分子診断ソリューションを提供しています。韓国、ヨーロッパをはじめとした世界各国において事業を展開し、製薬企業との共同開発も推進しています。
  今後、日立ハイテクとGencurix社は、がん領域の個別化医療推進に向け、臨床現場で求められているがん診断向け検査を共同で開発し、デジタル技術を活用した信頼性の高い検査サービスソリューションの提供をめざします。まずは日本において検査サービス事業を共同で立ち上げ、次いでグローバルでの協業へと進める予定です。

*3
コンパニオン診断:特定の医薬品の有効性または安全性を向上させるため、医薬品の適応対象となるか、あらかじめ検査するための体外診断。

Gencurix社について

  Gencurix社は、リキッドバイオプシーおよびバイオマーカーの探索・商用化プラットフォームに基づき、デジタルPCRベースの製品や検査サービスを提供するがん分子診断企業です。「Best in Class」のモットーで、新たな技術と検査製品として、医療現場のアンメットニーズを解消するために努力しています。
  主な製品には、乳がん予後診断検査のGenesWell BCT、肺がん、大腸がん、子宮内膜がんなどの多様な癌腫に対するコンパニオン診断が可能なDroplexの製品群があります。また、肝臓がんや大腸がんなどの主要な癌腫に対する早期診断検査を開発して、臨床研究を進めています。このようにGencurix社は、早期検出から予後・コンパニオン診断、再発モニタリングまでがんの診療サイクル全般にわたる分子診断ソリューションを提供しています。

日立ハイテクについて

  日立ハイテクは、医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造装置、分析機器、解析装置などの製造・販売に加え、モビリティ、コネクテッド、環境・エネルギーなどの産業分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、幅広い事業領域においてグローバルな事業展開を行っています(2024年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,704億円)。強みである「見る・測る・分析する」というコア技術をベースに、事業を通してさまざまな社会課題解決および持続可能な社会の実現に貢献していきます。

お問い合わせ先

株式会社日立ハイテク ヘルスケア事業統括本部 診断システム事業部
診断事業戦略本部 事業開発部
〒105-6409 東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー

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