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Hitachi

日立が、ニプロの再生医療等製品「ステミラック®注」を対象に
バリューチェーン統合管理プラットフォームのサービス提供を開始

データの一元管理により、高信頼なトレーサビリティ、バリューチェーンの最適化、業務効率化を実現

[画像]日立がニプロに導入した「再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム」の概念図
日立がニプロに導入した「再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム」の概念図

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、ニプロ株式会社(以下、ニプロ)向けに、同社の再生医療等製品「ステミラック®*1注」の供給管理で用いる「再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム/Hitachi Value Chain Traceability service for Regenerative Medicine*2(以下、「HVCT RM」)」のサービス提供を2024年5月より開始しました。
  ニプロは、脊髄損傷に対する再生医療等製品である「ステミラック®注」を2019年より製造・販売しており、バリューチェーン全体の細胞・トレース情報を一元管理できる日立のLumada*3ソリューション「HVCT RM」がこのたび採用されました。
  「HVCT RM」は細胞の採取から患者への投与に至る全工程において、細胞の情報や製品の製造スケジュール、各工程の進捗状況などを入力することにより、個体ごとにトレース・情報共有できるプラットフォームで、日立はこれを独自の秘匿化・仮名化技術*4でセキュリティ性能を高めたクラウドサービスとして提供しています。これにより、管理システムの拡張が容易になるとともに、高信頼なトレーサビリティ、バリューチェーンの最適化、および業務効率化を実現します。

*1
「ステミラック®」はニプロ株式会社の登録商標です。
*2
「再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム」のWebサイト
*3
お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/
*4
「患者レジストリサービス」のWebサイト

本取り組みの背景

  新たな治療法として研究開発・実用化が進む再生医療分野において、ニプロは脊髄損傷に対する再生医療等製品「ステミラック®注」を製造・販売しています。患者自身から採取した骨髄液中の間葉系幹細胞*5を体外で培養・増殖させ、再生医療等製品として患者に投与するという製品特徴から、細胞・製品の個体管理や情報トレースが必要とされます。さらには、将来の事業展開を見据えて、大手製薬企業で導入実績のある日立の「HVCT RM」がこのたび採用され、稼働開始しました。

*5
間葉系幹細胞: 神経や血管などに分化する能力をもった幹細胞

「HVCT RM」の特長

  • 再生医療等製品の供給・流通に関わる複数のステークホルダー(製薬企業、CMO*6/CDMO*7、医療機関、物流企業など)が、患者・細胞の情報、製造スケジュール、業務の進捗状況などを「HVCT RM」に入力することで、業務フローの実績と予定をシステム上で可視化します。これにより、後工程のスケジュール調整の迅速化が図れます。
  • 日立のデジタルツイン化ソリューション「IoTコンパス」*8を活用してサプライチェーンをデジタル空間に再現し、さまざまなステークホルダーによりサプライチェーン上で発生する業務の「つながり」を独自のモデルを用いて可視化します。これにより、細胞採取から製品のトレーサビリティを実現し、品質・安全の確保に貢献します。
  • 複数ステークホルダーを経由して患者に届く再生医療等製品では、トレーサビリティ管理の徹底が求められます。ステークホルダーが「HVCT RM」を操作するタイミングにおいて、モノに貼られているバーコードとシステム上でのIDを照合することで、細胞採取から投与までにおけるトレーサビリティ管理体制を支援します。
  • システムにデータが集約・一元管理されるため、従来、電話・メールや書類で行っていた業務・企業間連携の煩雑さを軽減します。
  • 個人情報保護法の対象として適切な管理が求められる「患者属性情報」や「検査結果」は、日立の秘匿化・仮名化技術を活用し、セキュアな情報管理を実現します。
*6
CMO(Contract Manufacturing Organization): 医薬品製造受託機関。
*7
CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization): 医薬品開発・製造受託機関。
*8
「IoTコンパス」は株式会社日立製作所の日本における登録商標です。
デジタルツイン化ソリューション「IoTコンパス」のWebサイト

今後の展開

  日立は、MES*9や受発注システムなどの周辺システムとの連携により「HVCT RM」の機能強化を図り、再生医療等製品向けプラットフォームのデファクトスタンダードとなることをめざします。また、これらのIT、OTと細胞培養加工施設などのプロダクトを組み合わせた、トータルシームレスソリューション*10の提供により、再生医療分野の課題解決に貢献していきます。

*9
MES(Manufacturing Execution System):製造実行システム
*10
  「トータルシームレスソリューション」は株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所  インダストリアルデジタルビジネスユニット

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