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2019年2月21日
オープン型MRI装置
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、「生理学的情報を高画質で取得できるオープン型MRI装置の開発」に関して「第65回(平成30年度)大河内記念賞」を受賞しました。
大河内賞は、公益財団法人大河内記念会が、生産工学、生産技術、生産システムの研究並びに実施に関する顕著な業績を表彰するものです。「大河内記念賞」は、大河内賞の中でも最上位に位置付けられ、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した業績に与えられます。日立は、医療用画像診断に使うMRI(Magnetic Resonance Imaging;磁気共鳴撮像)装置において、被検者の体内から放出される極微弱な電磁波(MRI信号)を高精度で検出する手法を開発しました。さらに、本手法を用いて、トンネル型MRI装置に比べて低コストで被検者負担の少ないオープン型MRI装置を世界で初めて製品化しました。今回の受賞は、これらの取り組みにより、医療の質向上に大きく貢献した点が評価されました。
日立は、1980年代にトンネル型MRI装置の研究開発に着手しました。そして、閉所恐怖症や体格の大きな被検者、小児でも安心して検査を受けられるオープン型MRI装置の開発を1990年に開始しました。トンネル型MRIに比べ、オープン型MRIでは、体内の様子を画像化するために必要な人体から発せられるMRI信号がより微弱となるため、高感度な受信コイルが必要でした。日立は、独自の電磁界解析技術を開発すると同時に、同技術を用いた高感度な受信コイルの生産技術を確立し、1995年に世界で初めてオープン型MRIの量産を開始しました。その後も、腫瘍や疾患の早期診断に貢献する高画質化や、生産技術の向上、運転コストの低減を進めることで、高い評価を得ています。これらの一連の開発成果が今回の受賞につながりました。
今後も日立は、優れた経済性と技術の先進性の両面を兼ね備えたオープン型MRI装置をはじめとし、人に優しい医用工学技術の開発により、医療の質と検査効率の向上に貢献していきます。
なお、贈賞式は、本年3月26日(火)に日本工業倶楽部会館で開催される予定です。
株式会社日立製作所 研究開発グループ
以上