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企業情報ニュースリリース

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2016年9月29日

爆発物の有無を3秒で探知する「ウォークスルー型爆発物探知装置」を提供開始

[画像]ウォークスルー型爆発物探知装置
ウォークスルー型爆発物探知装置

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、発電所やデータセンターなどの重要インフラ設備向けに「ウォークスルー型爆発物探知装置」(以下、本装置)を10月から提供開始します。本装置では、本人認証として使用されるIDカードに付着した微粒子を効率的に採取し、内蔵した装置で分析することで、爆発物の有無を3秒で探知します。1時間あたり最大で約1,200人の検査が可能であることから、通行者の流れを妨げることなく検査することができます。本装置は、まず、発電所やデータセンターなどの重要インフラ設備でのセキュリティ対策として導入をめざし、今後、空港や駅などの公共施設のほか、イベント会場での入場者セキュリティ対策など、公共スペースへの適用を拡大することで安心・安全確保に貢献していきます。

  近年、重要インフラ設備や公共施設、イベント会場などでは、入場者の管理やセキュリティ対策のさらなる強化が求められています。そのため、爆発物持込みの防止を目的とした金属探知検査、X線検査、拭き取りタイプの爆発物検査などが導入されていますが、従来の爆発物検査では、検査員による対応が必要となるため、検査時間の長さが課題となっていました。そこで、文部科学省の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」プロジェクトにおいて、日立は検査時間の短縮を実現する爆発物探知装置を2012年に試作し*、空港や駅での実証実験で実用化に向けた検討を重ね、このたび製品化に至りました。

  今回提供を開始する本装置は、より高感度な探知を実現するため、IDカードを認証部に差し込むことで高速の空気流をIDカードに当て、微粒子を採取する方式を採用しています。試作機では、IDカードを読み取り部にかざして微粒子を採取する方式を取っていましたが、本装置では、差し込み式とすることで、より安定した角度で風をあてることができ、短時間で正確な検査を可能にしました。採取した微粒子を高効率に分離し、短時間で濃縮することで、極微量の爆発物成分での探知を実現しています。また、爆発物成分を探知する質量分析器のコンパクト化や各ユニットをモジュール化するなど、内蔵機器の設計を見直すことにより、ゲート本体の幅を35cmから29cmと小型化しました。さらに、本装置は、長寿命・耐環境性の高い部品を採用していることから、24時間の連続運転が可能です。

  日立は、10月19日(水)〜21日(金)に、東京ビッグサイトで開催される「テロ対策特殊装備展 '16」、10月27日(木)〜28日(金)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi Social Innovation Forum 2016 TOKYO」において、本装置を展示します。

  今後日立は、本装置を監視カメラや顔認証システムなどと連携させ、広範囲なセキュリティシステムとして提供をめざすことで、公共スペースでのさらなる安心・安全確保をめざします。また、IoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」の基本機能群の一つとして、本装置を含むセキュリティシステムを提供することで、社会やお客さまの課題解決に貢献していきます。

*
日立製作所ニュースリリース(2012年10月3日) 「爆発物探知装置を内蔵した搭乗券読取装置を試作」
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2012/10/1003a.html

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