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2015年5月20日
株式会社日立製作所
東レ株式会社
サウジアラビア海水淡水化公社ほかとMOU締結
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)と東レ株式会社(代表取締役社長:日覺 昭廣/以下、東レ)はメガトンウォーターチーム*1として、去る5月5日に、サウジアラビア王国(以下、サウジアラビア)の海水淡水化公社であるSaline Water Conversion Corporation(以下、SWCC)および同国の水・エネルギー関連企業であるAbunayyan Trading Company Limited(以下、ATC)との間で、高効率大型海水淡水化システム「Mega-ton Water System(メガトンウォーターシステム)」の実証に向けた取り組みに関する覚書(MOU)をサウジアラビアのリヤドにて締結しました。
また5月19日には、ホテルオークラ(所在地:東京都港区)で開催された第15回日本・サウジアラビア ビジネスカウンシル(日本・サウジアラビア国交樹立60周年記念式典)において、両国政府をはじめとする関係者に覚書締結に関する報告を行いました。
本覚書では、SWCC、メガトンウォーターチーム、ATCにて、「メガトンウォーターシステム」の技術を活用した実証に向けた取り組みを相互協力して推進・実施することなどを定めています。今後、本実証によって、省エネルギー、低環境負荷、低コストで100万m3/日規模の淡水を海水から生産する「メガトンウォーターシステム」の早期実用化をめざします。
「メガトンウォーターシステム」は、世界トップをめざした先端的研究を推進することを目的に、内閣府の総合科学技術会議が創設した「最先端研究開発支援プログラム(FIRST*2)」に採択された30課題の一つです。本プログラムでは、国際競争力を有し、かつ21世紀に求められる省エネルギー、低環境負荷、低コストの大規模海水淡水化システムの基幹技術を日本イニシアティブで構築し、世界の水問題解決に貢献することを基本コンセプトとし、日立・東レなどの民間企業や大学など31の組織が2009年から2013年までの約5年間にわたり研究開発に取り組み、研究目標を達成しました。
「メガトンウォーターシステム」の研究の中で、21世紀が求める省エネルギー化のために、東レは世界初の低圧海水淡水化逆浸透(RO)膜*3やバイオフレンドリーRO前処理のためのモニタリング技術の開発を行い、日立製作所は、RO膜ベッセル(筒状の圧力容器)を二段に分割配置して高効率化を図る独自システムや超大型プラント建設に必要なモジュール工法の開発を行いました。これらの先進技術を組み込むことにより、従来システムに比べて最大20%*4の省エネルギー化と環境負荷低減が可能になります。この技術に世界最大の海水淡水化市場を有するサウジアラビアのSWCCおよびATCが関心を抱き、このたび、サウジアラビアにおける実証に向けた取り組みを行うことになりました。
日立と東レは、「メガトンウォーターシステム」に関して、小型プラントを用いたパイロット実証(造水能力:500m3/日)を2015年11月からSWCCが所有するサウジアラビアのアルジュベールのサイトにて行う予定です。さらに、日立と東レは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)より平成26年度「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」の一つとして受託した実証前調査を2016年3月まで行い、次のステップである大規模実証事業の実施をめざします。
日立と東レは、日立の有する水処理エンジニアリング力と、東レが有する水処理膜技術という両社の強みを結集して、メガトンウォーターシステムの実証・実用化に協力して取り組み、21世紀の課題である水問題解決に貢献していきます。
第15回日本・サウジアラビア ビジネスカウンシルでの関係者
以上