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2014年11月19日
セントーサエクスプレスの車両
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、アジア地域統括会社であるHitachi Asia Ltd. (取締役社長:森崎 裕彦)を通じて、シンガポール共和国(以下、シンガポール)のセントーサ開発公社(Sentosa Development Corp./以下、SDC)より、都市交通向け無線信号システム(CBTC*1)および車両2両(1編成)を約3,000万シンガポールドル(約27億円)にて受注しました。セントーサエクスプレスは、2017年10月末から、改修後のCBTCシステムでの運行開始を予定しています。
日立は、シンガポール本島の南部に位置するセントーサ島で2007年1月に開業したモノレール「セントーサエクスプレス」向けにモノレール車両12両(6編成)、信号システム、変電設備、運行システム、分岐器などの主要設備およびシステムをフルターンキーで納入しています。
セントーサ島はシンガポール随一の観光地であり、本島とセントーサ島を結ぶ本モノレールは、島内外の観光客の移動手段や景観を楽しむ観光列車として重要な役割を担っています。2010年には、シンガポール初となるカジノやテーマパークなどからなる複合リゾートが島内に開業するなど、セントーサ島を訪れる観光客数は増加の一途をたどっています。これにより、本モノレールもさらなる輸送力の増強が求められていました。
そこで日立は、新しい信号システム(CBTC信号システム)により、本モノレールのさらなる高密度な運行を提案し、既に稼働実績のある先進的なシステムであることに加え、開業以降、安全で安定的な運行を支えてきた日立の実績が評価され、今回の受注に至りました。
今回、日立が納入するCBTCシステムは、モノレールや近郊列車、地下鉄をはじめとする都市交通向けの信号システムで、2009年に中国・重慶市軌道交通3号線向けに納入されているほか、2013年6月に受注したベトナムホーチミン都市交通1号線への採用が決定しています。日立のCBTCシステムは、最高安全レベルSIL 4*2 のRAMS*3認証を、欧州認証機関から取得しました。本認証を欧州の認証機関から取得したのは日立が日本企業として初めて*4となります。無線を使用して列車の位置情報と制御情報を伝達することで、地上の列車検知設備が不要となることから、ケーブルなどの沿線設備コストやメンテナンスコストを削減することが可能です。また、列車の位置情報をリアルタイムに把握することが可能であり、各列車の安全上必要とされる最低限の間隔を動的に保てるため、より高密度な運行が可能となり、結果としてさらなる輸送力の向上を実現します。さらに、CBTCシステムを導入することにより、全自動運転化(ATO*5)も可能となります。
セントーサエクスプレスの車両はスピーディーなアクセスをイメージさせる流線型で、編成ごとに異なる明るい色彩は、世界中から集まる多くのゲストを乗せてリゾート施設へアクセスするにふさわしいデザインとなっており、今回、新たに納入する車両も、輸送力を高めるとともに乗客の皆さまに期待感を与えることができます。
日立は今後も世界の鉄道市場への事業展開を一層強化し、グローバルで鉄道システム事業の拡大を図っていきます。
「このたび、SDCに日立のCBTCシステムと増車1編成を提供できることを大変うれしく思います。2007年のセントーサエクスプレス開業以来、安全かつ効率よい運行に貢献してきました。今後もSDCと密接な協力関係を継続して、乗客の皆さまに安心で楽しい旅を提供していきます。また、今回の受注を契機にシンガポールだけでなく、他のASEAN地域などにもCBTCシステムを広く展開していきます。」
「セントーサエクスプレスは、見込まれているセントーサ島への訪問者の増加に対応すべく、既存インフラの改善や能力の増強など、利用者の利便性向上に取り組んできました。2007年に開業したセントーサエクスプレスは、現地のニーズに合わせて日立が提供したものです。今回の追加発注により、効率的で快適な移動手段を利用者に提供するための、両社のパートナーシップが継続されることは大変喜ばしいことです。」
以上