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2014年11月11日
大規模停電防止のための系統制御を行う新たなシステムをオンラインで検証
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)と日立アメリカ社(社長:渡部 眞也)は、このたび、Bonneville Power Administration, U.S. Department of Energy(米国エネルギー省ボンネビル電力局/以下、BPA)との共同研究において、同社と系統安定化システムの実証プロジェクトを継続することに合意しました。
本プロジェクトは、本年10月から21カ月間かけてオンライン実証システムの開発およびPoC*1を実施する予定です。本プロジェクトにおいては、国内電力会社の中で、統合型系統安定化システム*2を導入し運用実績を有する中部電力株式会社の協力を得ながら進めていきます。この新らたな研究では、解析評価や精度向上を目的としたPMU*3データの有効活用にも注目していきます。
日立は2012年12月にBPAの採択を受け、BPAと「2013年度 Technology Innovation R&D」プログラムで「自然エネルギー導入促進に適応する系統安定化システム」の研究について取り組み、2014年2月に共同研究プロジェクトを終了しました。
この共同研究プログラムは、近年、風力発電や太陽光発電など、発電量が変動しやすい自然エネルギーの導入拡大が北米の電力市場で進んでおり、自然エネルギーの比率が高まるにつれ、系統への影響も大きくなる場合があるために取り組むこととしたものです。
特に、自然エネルギーの導入拡大に対して、従来型の系統制御スキームでは十分に適応ができていないことにより、自然エネルギーによる系統への負荷変動などで電圧や電流、周波数の乱れが発生すると、電力の品質低下や大規模停電を引き起こす可能性があります。そのため、今後、予想される自然エネルギーの大規模導入を見据えて、新たな系統安定化システムの研究が必要とされています。
今回のプロジェクトでは、系統事故の波及などによる大規模停電防止のための系統制御技術として、共同研究で日立が提案したコンセプトに基づき、実際の系統でリアルタイムに計測されたデータを用いた新たな系統安定化システムのPoCを行います。本システムは、電力系統の解析技術、IT技術、米国で普及が広がるPMUを組み合わせて開発したもので、BPA内の研究施設に設置し、信頼性向上や経済効果、および実用可能性を検証していくものです。
日立グループは、これまで、BPAと開閉機器や変圧器などの電力流通製品を通じ、取引を行ってきました。今後も、本プロジェクトを通じて、BPAとの協力関係をさらに強化し、系統運用上の課題を解決するための新たな統合型系統安定化システムの実現をめざすと同時に、自然エネルギーの有効活用や普及をめざします。
米国エネルギー省ボンネビル電力局(BPA)は、オレゴン州、ポートランド市に本部を置く、米国エネルギー省管轄下の非営利の電力運用機関です。コロンビア川流域の連邦所有の水力発電の電力卸売り、および米国北西部地域における高電圧送電の約3/4の運用を行っています。BPAは、電力の効率的利用、系統運用上の課題解決、さらにコスト削減を目的としたプレークスルーを追及し、米国北西部地域における廉価で信頼性の高い電力供給および環境負荷の低減に貢献しています。
株式会社日立製作所 エネルギーソリューション事業統括本部 エネルギーエンジニアリング総括本部
電力情報制御本部 電力情報制御部 [担当:堀井]
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以上