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2014年11月5日
大規模シミュレーション解析による自然災害の研究および研究結果などの公開に活用
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭／以下、日立)は、このたび、独立行政法人防災科学技術研究所(理事長:岡田 義光／以下、防災科研)において、「防災情報システム(以下、本システム)」を構築し、稼働を開始しました。本システムは、大規模シミュレーションシステムと公開系クラウドシステムによって構成されています。防災科研は本システムを活用し、自然災害に関するさまざまなデータをもとに大規模シミュレーション解析を行い、地震、津波、火山噴火、地すべり、風水害、雪氷災害などの自然災害に関する研究を行うとともに、これらの研究結果などをWebサービスとして随時公開します。
本システムは、日立のテクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」を中核としており、複数のサーバ間でファイルを共有し、高速なデータ転送による並列処理を可能とする、日立独自開発の分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」により、データ処理の高速化を実現しています。さらに、日立のユニファイドストレージ「Hitachi Unified Storage 100 シリーズ」を採用し、合計約3.3PB*1の大容量ストレージ環境を実現しています。
本システムのうち、大規模シミュレーションシステムは、従来システムの約21倍となる298.9 TFLOPS*2の総合理論演算性能*3を実現しています。これにより、自然災害に関する研究を従来以上に高精度かつ高速に行うことが可能となりました。本システムを活用することで、例えば、地震の規模などを評価するために必要となる地震動*4のシミュレーション解析を行うプログラムであるGMS*5の解析速度が向上し、将来発生する地震の規模などを不確実性も含めて評価することが可能になりました。なお、各種研究成果は国や各自治体などへ提供されており、国や各自治体が作成するハザードマップ*6の精度向上にも寄与します。
また、公開系クラウドシステムは、「日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by Apache CloudStack」を適用しています。これにより、研究者が研究結果などを公開する際は、ポータル画面から簡単な操作によってWebサーバやストレージなどの必要なITリソースを準備することができ、オンデマンドで利用できます。また、災害時などWebサービスにアクセスが集中する際には、Webサーバにリソースを優先的に割り当てることが可能です。さらに、従来設置していた多数の物理サーバを集約し、一元管理できるため、セキュリティレベルが統一され、効率的なシステム運用が可能となります。
日立は、今後も最先端技術を取り入れたシステムの提供を通して、防災を支える科学技術の発展に寄与していきます。
![[画像]「防災情報システム」の概要図](1105.jpg)
防災科学技術研究所は「災害に強い社会の実現」を使命とし、1963年に防災科学技術研究所の前身が設立されました。地震・火山防災研究ユニット、水・土砂防災研究ユニット、雪氷防災研究センター、兵庫耐震工学研究センター、災害リスク研究ユニットの5部門で研究分野を構成し、地震災害、火山災害、気象災害および社会防災など専門分野に関する研究、科学技術開発を行っています。
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