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2014年10月8日
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、機器の状態を遠隔で診断し、故障につながる状態変化や異常(故障予兆)を早期に検出して高度な予防保守を実現する「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」(以下、「故障予兆診断サービス」)を開発し、グローバル市場で機器の製造、販売、保守を展開する企業向けに、10月10日から販売開始します。
「故障予兆診断サービス」は、SaaS*1型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」の新メニューとして、日立独自の分析技術を用いた故障予兆診断システムをクラウドサービスとして提供するもので、日立のビッグデータ利活用の専門家「データ・アナリティクス・マイスター」が導入を支援し、機器ごとに最適化した高精度な故障予兆診断を実現します。これにより、機器の稼働率向上と保守費用の低減を支援します。
近年、製造業においては、グローバル競争の激化を背景に、保守や部品販売などのアフターサービス事業を強化し、製品のライフサイクル全体から収益を上げる事業形態を指向する企業が増えています。そのような中で、M2M*2技術を活用し、機器に取り付けたセンサーから収集したデータ(センサーデータ)をもとに、遠隔で機器の状態を監視し、故障による想定外の停止を回避することで、機器の稼働率の向上や保守費用の低減を実現する取り組みが広がっています。現状は、機器の制御データに対してしきい値を設定し、技術者の経験・ノウハウをもとに保守作業の要否を判断しているケースが多く見られますが、適切なしきい値の設定が難しいため、高精度で機器の状態を診断できるシステムを容易に導入、運用できるサービスが求められています。
今回販売開始する「故障予兆診断サービス」は、日立独自の分析技術に基づく診断アルゴリズムを活用して機器の状態を遠隔で診断し、早期に故障につながる状態変化や異常を検出するシステムをクラウドサービスとして提供するもので、高度な予防保守を実現します。機器の正常な状態をシステムに学習させて機器の状態を診断するため、あらかじめしきい値を設定して技術者の経験・ノウハウをもとに機器の状態を監視する従来の手法よりも、機器の特性や設置環境に影響されにくく、より高精度に故障につながる状態変化や異常の予兆の検出が可能になります。「データ・アナリティクス・マイスター」が導入を支援し、機器ごとに最適化した高精度な故障予兆診断を実現します。
日立は、今後、「故障予兆診断サービス」の機能を拡充するとともに、「Global e-Service on TWX-21」の機器管理や保守履歴管理、M2Mなどの機能との連携を強化していきます。また、日立は、スマート情報分野における製品・サービス群をIntelligent Operations(インテリジェント オペレーションズ)として体系化しており、今回新サービスを追加した「Global e-Service on TWX-21」を中心に、製造業向けソリューション「Intelligent Operations for Manufacturing」の開発、提供を推進し、製品やシステムの稼働率の向上と保守費用の低減を実現します。
日立独自の分析技術である「ベクトル量子化クラスタリング(VQC:Vector Quantization Clustering)」または「局所部分空間法(LSC:Local Sub-space Classifier)」に基づく診断アルゴリズムを活用して、機器の状態を遠隔で診断し、早期に故障につながる状態変化や異常を検出するシステムをクラウドサービスとして提供します。機械学習技術を応用して機器の正常な状態のセンサーデータを学習させ、機器ごとに事前に作成した診断モデルに基づき、そのデータとの差異を異常度として出力し、故障の予兆かどうかを診断します。機器の特性や、設置場所の違いによる使用状況の差異などを加味した診断が可能で、より高精度で故障の予兆を検出できます。
診断モデルの作成にあたっては、日立のビッグデータ利活用に関する専門家である「データ・アナリティクス・マイスター」が、実際の各機器のセンサーデータを用いて、2つの診断アルゴリズムの適用性の評価をはじめ、診断方法の具体的な検討、性能評価などを行い、機器ごとに最適な診断モデルの作成を支援します。
機器のセンサーデータや故障予兆診断の結果はWEBブラウザ上で確認可能で、機器別のセンサーデータの推移や、機器別、日別の異常の有無のサマリー情報、診断アルゴリズムで算出した異常度のグラフ表示など、さまざまな側面からの機器の状態の見える化を実現します。
さらに、「Global e-Service on TWX-21」の機械管理台帳やサービス情報管理機能などと連携させ、故障予兆診断の結果と照合することで、効率的な予防保守計画の策定を支援します。また、グローバルに展開されている各機器の稼働状態、故障予兆の遠隔監視を実現します。
名称 | 価格(税別)*3 | 提供開始時期 |
---|---|---|
Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス | 180万円〜/月 | 2015年03月 |
2018年度までの累計で50億円
「TWX-21」は、Hitachi CloudのSaaSとして位置づけられ、1997年にサービス開始し、現在では、24の国と地域において約400業種、約55,000社に利用されている国内最大級の企業向け業務システムクラウドです。また、「TWX-21」ではサービス開始以来、「グローバルヘルプデスク」および「ユーザー連絡会」を設置し、ユーザーのニーズをいち早く把握するとともに、ユーザーが安心して使い続けられるサービスの環境を提案しています。これらの活動を通じて、「TWX-21」の基盤を活用し、複数の企業間活動に関わる設計・製造管理や受注管理、さらには企業内の業務システムを支援するクラウドサービスとして、各種業種、業態別に提供するアプリケーションサービスの拡充を図っていきます。
「Global e-Service on TWX-21」は、日立建機株式会社(執行役社長:辻本 雄一)が世界100以上の国・地域で運用している、建設機械のライフサイクル管理のサポートサービス「Global e-Service」をもとに、機器の製造や販売、稼働状況、保守履歴などのデータの収集、蓄積、共有を実現し、利活用を支援するクラウドサービスとして開発し、2012年9月からサービスを開始しました。製造業全般に向けて「Global e-Service」の機能を標準化したアプリケーションソフトウェアを、国内最大級の企業向け業務システムクラウド国内最大級の企業向け業務システムクラウド「TWX-21」を基盤としてSaaS型で提供しています。
日立は、2014年10月30日(木)〜31日(金)に東京国際フォーラムで開催するHitachi Innovation Forum 2014 TOKYOにおいて、今回新メニューを発表した「Global e-Service on TWX-21」を紹介します。
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 スマート情報システム統括本部
O&Mクラウドサービス事業推進センタ [担当:吉田]
〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館
以上