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2014年9月11日
高速に動く被写体でも、鮮明な映像撮影を実現
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原敏昭/以下、日立)は、このたび、強い光の反射などにより映像の一部分が白とびする視認性の悪い環境下でも、瞬時にブレなく白とびを補正し、鮮明な映像を撮影することのできる撮像処理技術を開発しました。この技術は、監視カメラや車載カメラ、ビデオカメラなどの広範囲な分野への活用が期待できる技術です。日立は、本技術を北米や欧州向けに提供している監視カメラモジュールの機能の一つとして加え、今月から販売を開始しました。
近年、社会の安全・安心に対する関心の高まりから、監視カメラは、店舗やオフィスビル、街中、工場など、さまざまな場所に用いられています。また、その用途は単なる防犯目的にとどまらず、遠隔監視による現地状況の把握、画像の解析・活用による顧客の業務・管理支援などにも拡大しつつあり、カメラの感度や解像度の向上だけでなく、霧や逆光など被写体が見えにくい環境下でも高い視認性が求められています。
これまで、霧除去や逆光補正といった技術の開発が進められてきたものの、突然明るい被写体が映りこんだ場合の白とびを鮮明に撮影する技術には課題がありました。白とびがある映像を見やすくするためには、明るさを抑えるように露出調整を行います。しかし、これにより白とびは解消できるものの、明るさを抑えたことでその他の部分に黒つぶれが発生してしまいます。この問題を解決するため、露出の異なる複数枚の映像を合成し1枚の映像を作成するハイダイナミックレンジ合成という技術が開発されていますが、動きのある被写体に対してはブレが発生してしまうという課題が残っていました。
そこで日立は、映像の一部が白とびするような悪環境下でも瞬時に露出を補正し、動きのある被写体でもはっきりと見えるようにするカメラの撮像技術を開発しました。白とびが起きないよう瞬時に露出を調整し、かつ従来のような合成処理を行うことなく補正できるため、突然明るい被写体が入った場合でも最大0.23秒の処理時間で鮮明な映像の撮影が可能となります。この技術は、例えば、不審車両の追跡などに有効活用することができます。駐車場での不審車両や当て逃げ車両などのモニタリングの際には、周りの車のヘッドライトにより不審車両のナンバープレートが白く飛んでしまい、車両追跡が困難な場合がありますが、開発した技術を適用することで鮮明な映像撮影が可能となります。
開発した技術の特長は、以下の通りです。
日立は今後、本技術を搭載して高速に動く白とびした被写体でも、鮮明な映像撮影を実現する監視カメラおよび映像監視ソリューションを順次提供していきます。
なお、本技術は2014年10月2日から3日まで東北大学で開催される「電子情報通信学会 画像工学研究会」で詳細を発表する予定です。
株式会社日立製作所 横浜研究所 企画室 [担当:吉田]
〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
電話:050-3135-3409 (直通)
以上