このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2014年9月9日
- 脳科学をモノづくりに活用 -
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)、株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)、慶應義塾大学(塾長:清家 篤)は、脳科学をモノづくりに活用する取り組みの一環として、株式会社バンダイ(代表取締役社長:上野 和典/以下、バンダイ)が販売するブロック玩具「BlockLabo® (ブロックラボ)」シリーズの「おおきなパン工場とすてきなおうちブロックバケツ」の開発に協力しました。
「BlockLabo®」シリーズは、脳科学の知見に基づいたブロック玩具として2011年4月より発売されました。本シリーズは、子どもの成長に合わせた玩具開発をめざすバンダイと、脳科学の知見をモノづくりに活用する取組みを進める日立ハイテクおよび日立との協働により実現したものです。
今回バンダイが発売する「BlockLabo®」シリーズの新商品には、日立ハイテク、日立、慶應義塾大学が実施、検証した「心の理論(他人の気持ちが分かる心)」研究の知見が活用されています。
なお、「心の理論(他人の気持ちが分かる心)」とは、他人の視線で物事を考える能力をいい、社会性発達の第一歩と考えられているものです。
今回、4歳児を対象に、心の理論に基づく「『どこかな?』ごっこ遊び」を段階的に行い、この遊びの前後で子どもの「心の理論」のスコア(理解度)の変化を調査しました(検証総数43名)。
「『どこかな?』ごっこ遊び」とは、主人公が持っている対象物を、主人公がいない間に、別の登場人物が移動させてしまい、戻ってきた主人公がどこを探すのかを推定する遊びです。まず、子どもに対して、人形を実際に動かしながら、登場人物や対象物の一連のできごとを説明します。その後、「戻ってきた主人公がどこを探すのか」について子どもに質問し、「子どもが主人公の人形の立場になって回答できるか」を実験者が確認して、間違った回答のときは、順序立ててその理由を説明して子どもの理解を促すことを繰り返し行いました。この「『どこかな?』ごっこ遊び」で遊んでいるときには、子どもの理解促進のために、主人公の人形が考えている内容を吹き出しとして貼り付けて絵で表示しました。またこの「『どこかな?』ごっこ遊び」はブロックや人形に模様がある場合と模様がない場合とを比較して行いました。
「『どこかな?』ごっこ遊び」の前後には「心の理論」のスコアの調査を行い、子どもが他人の気持ちになって回答できるかを別の玩具を用いて検証しました。検証は、慶應義塾大学「赤ちゃんラボ」と日立ハイテクおよび日立が共同で行い、調査には株式会社ベネッセスタイルケアおよび日立グループ託児施設「ゲン木くらぶ」の協力を得ました。
脳科学では、人間の脳機能の理解を目的として、脳を計測する神経科学分野だけではなく、内外の刺激に対する行動的反応から精神や認知機能を解明する心理学や認知科学的手法などが活用されています。今回は、子どもの発達に応じたブロック遊びを脳科学でよく使われる認知科学的手法を用いて検証しました。その結果、対象の4歳児の子どもは、模様があるブロックや人形を使った「『どこかな?』ごっこ遊び」では、「心の理論」のスコアが上昇したことがわかりました。バンダイでは、この検証結果をもとに、遊び方をBlockLabo®「おおきなパン工場とすてきなおうちブロックバケツ」に盛り込んでいます。
日立では、脳科学をモノづくりに活用する取り組みとして、第三者の専門家が参画するBrain Science審査会を運営し、検証結果およびその表現の適正を審査し、その審査結果に基づいてBrain Scienceマークの付与を行っています。今回の「おおきなパン工場とすてきなおうちブロックバケツ」にもBrain Scienceマークが付与されています。
日立ハイテクと日立は引き続き慶應義塾大学と連携して研究を進めていくほか、さまざまな分野にてパートナー企業との連携を図り、脳科学のモノづくりへの活用を進めていきます。
なお、2014年4月10日付け日立ハイテク ニュースリリース「脳科学の産業応用事業に参入」*1にてご案内のとおり、日立ハイテクは、脳科学コンサルテーション事業を2014年4月に日立より取得し、脳科学の産業応用事業を推進しています。
株式会社日立ハイテクノロジーズ 新事業創生本部 プロジェクトマネジメントセンタ
ブレインサイエンスプロジェクト
担当:小幡
TEL:03-3504-3801
株式会社日立製作所 中央研究所 企画室
担当:木下
TEL:042-323-1111(代表)
慶應義塾大学 文学部 准教授 皆川泰代
論理と感性のグローバル研究センター・慶應義塾大学赤ちゃんラボ
TEL:03-3769-0295
以上