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2014年5月29日
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、植物工場内の生育環境のデータや栽培設備の制御データを収集し、リアルタイムで見える化するとともに、生育環境や栽培設備の遠隔での制御を可能にする「植物工場生産支援クラウドサービス」を開発し、本格的に提供を開始しました。
近年、日本では、農業従事者の減少、食料自給率の低下などが重要な社会的課題と認識されており、世界的には、急激な人口増加や異常気象による不作などでの食糧危機が懸念されています。このような背景のもと、野菜などの植物の計画的な生産を実現するため、施設内で植物の生育環境を適正に制御する植物工場での生産が拡大しており、植物の生育状況や栽培設備の稼働状況を遠隔で監視するなど、管理の効率化や、各種のデータ分析による生産の高度化などを実現するサービスが求められています。
新たに提供を開始した「植物工場生産支援クラウドサービス」は、植物の生育環境を制御し、生産する植物の高品質化と生産性の向上をめざす本格的な植物工場向けのサービスです。植物工場内の光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、養分、水分などの生育環境のデータや、細霧冷房や養液ポンプなどの栽培設備の制御データを、各種のセンサー機器から、日立独自のデータ収集・制御装置である「Farm Gate Way装置」(以下、FGW装置)*1に収集し、データセンター上のデータ収集・蓄積・配信基盤を経由して、リアルタイムでモニター画面に表示するとともに、生育環境のデータを収集するセンサー機器や、栽培設備の設定値の制御を遠隔で指示することが可能です。さらに、収集したすべてのデータをデータベースに蓄積し、BI*2ツールを活用して分析、評価することで、生産管理や経営視点での意思決定を支援します。
「植物工場生産支援クラウドサービス」は、株式会社グランパ(代表取締役社長:阿部 隆昭/以下、グランパ)が開発したグランパドーム*3に採用されており、各ドームへのサービス提供を順次開始しています。グランパドームでは、生育環境のデータや、栽培設備の稼働状況のデータは、以前から収集していましたが、データの確認はエアドーム内の制御盤のモニター画面を操作、確認する必要があったため、リアルタイムでの監視、制御が難しく、運用負担が大きくなっていました。「植物工場生産支援クラウドサービス」を活用することで、生育環境や栽培設備に関する約1,000項目のデータを1分ごとに収集し、遠隔地にある拠点のモニター画面でリアルタイムに確認し、生育環境のデータが適正な水準で推移するように栽培設備を一括制御することが可能となり、効率的な稼働状況管理を実現しました。
日立は、スマート情報分野における製品・サービス群をIntelligent Operations(インテリジェント オペレーションズ)として体系化しており、新たに提供を開始した「植物工場生産支援クラウドサービス」を中心に、農業分野向けソリューション「Intelligent Operations for Agriculture」の開発、提供を推進し、農業生産の安定化、六次産業化*4を支援していきます。具体的には、生産する植物の需給のシミュレーション、Global Good Agricultural Practices(GLOBALG.A.P.)*5の認証取得対応の支援、生育のシミュレーションなどのサービスを追加していく予定です。また、植物工場だけではなく、中小規模の施設園芸向けにもサービスを拡充していきます。
名称 | 価格(税別)*6 | 提供開始時期 |
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植物工場生産支援クラウドサービス | 標準構成:18,000円/月 | 2014年6月1日 |
株式会社日立製作所 情報・通信システム社 スマート情報システム統括本部
スマートビジネス本部 [担当:小原、清水]
〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館
以上