このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2014年4月9日
国内-海外拠点間のデータ通信速度を100倍以上に高速化
株式会社日立製作所(執行役社長兼COO: 東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、海外の設計・開発・研究拠点から、日本に設置されたスーパーコンピュータなどの技術計算環境を日本国内の拠点と同様に利用できる基本技術を開発しました。日立が有するネットワーク高速化技術とデータ圧縮技術を組み合わせて、回線帯域の大きい日本・米国拠点間のほか、回線帯域の小さい日本・インド拠点間を結ぶWAN(Wide Area Network)においても、従来比100倍以上の高速通信を実現しました。これにより、米国やインドにおいても、日本に設置された技術計算環境を利用することが可能となります。今後は、さらに世界各国でこの環境を検証・整備し、設計・開発・研究部門におけるIT・業務システムのグローバル標準化・集約化を推進します。
日立は2015中期経営計画において、海外売上高比率を50%超まで拡大する目標を掲げるとともに、事業構造改革(Hitachi Smart Transformation Project)における柱の一つとして「IT・業務システムのグローバル標準化・集約化」 を掲げています。設計・開発・研究業務の海外現地化の促進においては、日本と同様にシミュレーションツールやスーパーコンピュータなどの技術計算環境を整え、信頼性や性能の確保が必要です。しかし、海外の開発拠点ごとに技術計算環境を構築するためには多大なコストがかかります。また、海外から日本にある技術計算環境を利用する際は、海外と日本の間で大規模な設計データや計算結果を転送する必要があるため、データ転送に多大な時間がかかるという課題がありました。
今回日立は、米国とインドの拠点を対象として、数ギガバイトから大きいものでは数テラバイトにのぼる設計データやシミュレーション結果を拠点間で共有する技術計算環境(以下、設計クラウド)を構築するために、データの転送時間を大幅に短縮可能な高速転送技術を開発しました。
データ圧縮技術とネットワーク高速化技術を組み合わせて利用した結果、シミュレーション結果のデータ転送時間を1/100以下に低減でき、日本・米国拠点間では170倍、日本・インド拠点間では120倍の高速化効果が得られることを実証しました。これにより、回線帯域が国内より一桁低いインドの拠点においても、国内と同等の時間で、日本のシミュレーション環境を使用できることを確認しました。
研究開発グループでは、今回開発したデータ高速転送技術を用いて海外研究開発拠点におけるシミュレーション活用を加速し、海外拠点で開発設計する製品の性能や信頼性を高め、日立グループのグローバル展開を支援していきます。
図1 技術計算クラウドの概要図
株式会社日立製作所 日立研究所企画室[担当:影山]
〒319-1292 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号
電話 0294-52-7508 (直通)
以上