ニュースリリース

イタリアのエンジニアリング会社Valcom社を買収

海外での石油・ガス分野向け事業を強化・拡大

  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭／以下、日立)は、このたび、日立の欧州における現地法人である日立ヨーロッパ社(社長:山本 潔)を通じ、イタリア共和国のエンジニアリング会社であるValcom S.r.l.(会長:Germano Valentini／以下、Valcom社)を買収することを決定し、Valcom社の発行済みの全株式に対する売買契約を締結しました。今後、本契約に基づき、4月中の買収完了に向けた手続きを進めます。なお、買収後は、商号を「Hitachi Engineering Europe S.r.l.(仮称)」(以下、Hitachi Engineering Europe社)に変更する予定です。
  日立は本買収により、Valcom社の保有する、大手石油会社やエンジニアリング会社などの顧客基盤や人財・ノウハウを活用し、海外での石油・ガス分野向け事業の強化・拡大をめざします。

  日立は、石油・ガス分野向け事業において、圧縮機、ポンプ、水処理装置、インバーター、モーターなどのコンポーネントや設計・調達・建設(EPC*1)などを展開しているほか、中東や南米に機器のメンテナンスサービスを行う合弁会社を設立しており、大手石油会社向けに機器を納めるなど豊富な実績を有しています。
  一方、Valcom社は、25年にわたり、欧州・中東・アフリカを中心に、石油・ガスプラントなどのインフラ分野向けの電気・計装エンジニアリング事業*2に携わっています。これまで、大手エンジニアリング会社を通じて、サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラビアン・オイル・カンパニー(以下、サウジアラムコ)をはじめとした大手石油会社向けの電気・計装エンジニアリングに従事した豊富な実績があるほか、需要拡大が見込まれる浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(以下、FPSO*3)向けの実績も有しています。またValcom社のエンジニアは、石油・ガス業界特有の規格・規則などに精通しているため、顧客からの高い評価を得てきました。

  今回の買収により日立は、Valcom社の保有する顧客基盤・人財・ノウハウなどの各種リソースを活用することでシナジー効果を創出し、今後も市場拡大が見込まれる石油・ガス分野向け事業の強化・拡大を図ります。具体的には、欧州・中東・アフリカを中心に、Hitachi Engineering Europe社では、電気・計装を中心としたエンジニアリング事業の拡大をめざすとともに、日立としては、Hitachi Engineering Europe社の有する顧客基盤を通じて日立製のコンポーネントの受注機会の拡大を図ります。また、日立では今後Hitachi Engineering Europe社を、欧州・中東・アフリカだけでなくグローバルに活用していく計画です。

  日立は今後も、石油や天然ガスなどを産出する資源国において、ビッグアカウントなどの顧客やパートナー企業との連携を強化し、石油・ガス分野向け事業のグローバル展開の拡大を図っていきます。

*1

EPC:Engineering, Procurement and Construction

*2

機械を動かすための電気設備(受変電設備、配電設備、動力設備、照明設備など)や、プラントを制御するための計測装置(センサなど)に関するエンジニアリング事業

*3

FPSO:Floating Production, Storage and Offloading system

Valcom社の概要

社名	Valcom S.r.l.
所在地	イタリア ミラノ
事業概要	石油・ガスプラントなどのインフラ分野の電気・計装エンジニアリング
代表者	会長:Germano Valentini
設立年	1989年
資本金	52,000 EUR
従業員数	約50名

以上