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2013年12月2日
日立グループの技術を結集した蓄電システム「CrystEna」*1の実証試験を北米市場で開始
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、風力発電、太陽光発電といった分散型再生可能エネルギーを、電力需給バランスを維持しながら、安定的に利用していくためのエネルギー貯蔵システムの中核製品の一つとなるコンパクトなコンテナ型蓄電システムを開発しました。本蓄電システムは、これまで日立グループ内で培ってきた日立製作所の電力系統制御技術と日立化成株式会社(執行役社長 : 田中 一行/以下、日立化成)の電池関連ノウハウを融合して、パッケージとして提供するものです。
まずは、2014年初旬に、本蓄電システムを用いて北米にて実証試験を開始し、「アンシラリー市場」*2と呼ばれる電力の需給バランス維持に係る電力取引市場において本システムの有効性を検証した上で、商用向けの製品に反映させていきます。さらに、本蓄電システムを「CrystEna(Crystal+Energy)」と名づけ、グローバル市場において電力流通事業を拡大させるためのソリューション事業の一つとして推進していくことを検討していきます。
現在、CO2削減を目的とした風力発電、太陽光発電などの分散型再生可能エネルギーが世界的に注目されており、電力需給バランス維持、エネルギー有効活用、および電源安定化を可能とする蓄電システムの需要が急速に伸張すると見込まれています。特に、電力自由化先進国である欧米市場においては、再生可能エネルギーで発電した電力を大都市に送る送電網の建設計画の具体化や、優遇税制やFIT(自然エネルギー固定価格買取制度)導入により、さらなる分散型再生可能エネルギーの拡大が見込まれており、需給バランス、周波数・電圧維持、予備電力確保、系統運用面の影響を解消する、蓄電システムの必要性が高まっています。
日立グループは、これまで数10年にわたり蓄電ビジネスを行っており、この実績をもとに、発電、送配電や系統安定化などの幅広い分野で、グループ内の技術とノウハウを活用し、電池の製造設備から、材料、電池本体、パワーコンディショニングシステム(PCS)、制御システムなど一括で提供するシステムの開発を進めてきました。
今回開発したコンテナ型蓄電システム「1MWリチウムイオン蓄電システムパッケージ」は、日立化成のリチウムイオンバッテリーを用いて、蓄電池の長寿命化対応をはじめとするシステム性能向上とコンパクトな設計による経済性の高さを実現し、お客様にとって長期使用期間に得られえる収益最大化のメリットを重視したのもです。まずは、急速に立ち上がる米国のアンシラリー市場において実証試験を行い、電池の容量最適性、耐久性を検証し、さらに売電収入最大化の制御アルゴリズムを検証しノウハウを蓄積していく予定です。
日立は、電力流通システム事業を電力システム事業の中核事業に位置づけており、機器と制御システムなどのIT、パワーエレクトロニクス技術を融合したソリューション事業の拡大を図っており、送電網の強化・拡充が求められる国や地域において、様々なニーズに応える電力流通システムソリューションを提供してまいります。
株式会社日立製作所 電力システム社 電力統括営業本部 国際電力営業本部
[担当 : 阿部、並木、大野]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
電話 03-4564-6081 (直通)
以上