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2013年10月22日
南山大学
日本アイ・ビー・エム株式会社
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社日立製作所
株式会社野村総合研究所

大規模システム開発プロジェクトの管理データを組織を超えて一元化

〜「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」による研究開発成果の
第一弾として「PROMCODEインターフェース仕様書」ほかを国内向けに公開〜

  南山大学、日本アイ・ビー・エム株式会社、富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社日立製作所、株式会社野村総合研究所の6社1大学で構成する「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」(PROMCODE : PROject Management for COntracted DElivery)は、成果の第一弾としてプロジェクト管理データを組織間で交換するための「PROMCODEインターフェース仕様書」を本協議会のWebページ(http://lab.nise.org/PROMCODE/)にて公開します。あわせて、この仕様書に基づき実プロジェクトへの適用を支援する「PROMCODE適用マニュアル」、「PROMCODEアダプターソフトウエア」とそれを適用した「PROMCODE実証実験報告書」も公開します。これらの成果によって、ユーザーとベンダー間でプロジェクト管理データを、標準インターフェースを介して一元管理することが可能となり、プロジェクトの開発遅延やコスト超過などのリスクの低減を図ります。

[図] PROMCODEインターフェース仕様書を介したプロジェクト管理データの一元管理

  本協議会は、ユーザーと複数ベンダーが参画する大規模なシステムインテグレーション(以下SI)やソフトウエア開発プロジェクトにおいて、ユーザーとベンダー間でのタイムリーで効率的な進捗管理や品質管理を実現することを目的に、組織やプラットフォームによらずプロジェクト管理データを交換できるインターフェースの標準規約を開発してきました。
  「PROMCODEインターフェース仕様書」をはじめとする本協議会の成果は、日本における複数組織による多層型の大規模なSIやソフトウエア開発における会員各社の知見を結集したものです。「PROMCODEインターフェース仕様書」は、実際の開発プロジェクトで使用している管理データをもとに策定され、実証実験を通して有効性を確認しています。今後、本協議会では、実プロジェクトへの適用を推進します。これにより、大規模なSIやソフトウエア開発に参画するユーザーとベンダーの関係が、柔軟かつ独立性の高いものとなり、日本の情報産業の革新に資することをめざします。
  さらに、オフショア開発の進展などに伴い、グローバルレベルでの複数組織による分散開発は世界共通の課題となっていることから、本協議会の成果を国際規格として標準化することを目指し、OASIS*1に技術委員会(Technical Committee)の設立を準備しています。

成果物 : 「PROMCODEインターフェース仕様書」、「PROMCODE適用マニュアル」、「PROMCODEアダプターソフトウエア」、「PROMCODE実証実験報告書」について

「PROMCODEインターフェース仕様書」
  異なる組織間でプロジェクト管理データを交換するための標準インターフェースを定めたものです。現場におけるプロジェクト管理の実績に基づき、国際的な知識体系であるPMBOK*2などとの整合性を考慮して定めています。
  組織間で交換されるプロジェクト管理データのモデルを標準化した「PROMCODEドメインモデル仕様書」とそのデータモデルを介して各組織で利用している個別の管理ツール間でデータ交換を行うリソースを定義した「PROMCODEリソース定義仕様書」から構成されています。
「PROMCODE適用マニュアル」
  「PROMCODEインターフェース仕様書」に基づきデータ交換ソフトウエアを開発するガイドとなる「PROMCODEサービス開発ガイド」とそれを現場へ適用するための指針となる「PROMCODE適用ガイド」で構成されています。
「PROMCODEアダプターソフトウエア」
  PROMCODEインターフェース仕様書に基づいて異なる組織間でデータを交換するためのソフトウエアの実装例です。ソフトウエアツール間のデータ交換インターフェースの標準仕様を目指しているOSLC*3に準拠し、Eclipse Lyo*4のオープンソースソフトウエアとして公開します。
  また「PROMCODE実証実験報告書」は、各社がインターフェースの実用性について実証実験により検証した結果を報告しています。

公開する成果物の一覧

  • 1. 活動成果報告書
  • 2. PROMCODEインターフェース仕様書
    • (1) PROMCODEドメインモデル仕様書
    • (2) PROMCODEリソース定義仕様書
  • 3. PROMCODE適用マニュアル
    • (1) PROMCODE適用ガイド
    • (2) PROMCODEサービス開発ガイド
  • 4. PROMCODE アダプターソフトウエア
  • 5. PROMCODE実証実験報告書

協議会発足から現在までの歩み

協議会発足から現在まで,次のような活動を進めてきました。

2012年5月21日 本協議会発足
2012年5月〜10月 各社の持つプロジェクト管理の事例や知見をベースに「PROMCODEインターフェース仕様書」などの一連の仕様書の作成
2012年11月 プロジェクト管理に関する国際会議で成果の発表
2012年11月〜 アダプターソフトウエア開発と各社における実証実験,およびそれを通した継続的改善
2013年9月 国内のソフトウエア開発技術に関する主要な会議で成果を発表

本協議会の成果がもたらす具体的な効果と特長

1. タイムリーなデータ共有によるプロジェクトの正確な状況把握
  昨今、プロジェクト規模の増大、海外へのアウトソースを含む組織の地理的な分散によりプロジェクトの状況を把握することが困難となっており、プロジェクトの遅延やコスト超過の一因となっています。本協議会の成果により、ユーザーとベンダー間、あるいはマルチベンダーの組織間でプロジェクト管理データをタイムリーに交換でき、プロジェクトの状況が正確に把握可能となります。
2. 人手による作業からの脱却
  従来、プロジェクト管理データを交換するために、ある組織で使用しているデータを他の組織で使用しているデータへ変換する作業は人手に頼っていました。そのため、データの交換と収集に時間がかかり、かつ、誤りが混入するおそれがありました。本協議会の成果により、変換と収集がソフトウエアにより自動化されるため、これらの課題が解消されます。
3. 実証実験により実用性を確認
  協議会各社における実証実験を通して、成果の実用性を確認しています。例えば、1つのプロジェクト内で、様式の異なる管理ツールや管理帳票が混在したとしても、全体集計帳票を統一的な様式で集計することが、この技術によって比較的容易に実現できる見込みを得ています。
4. 国際標準に基づいたオープンな仕様
  PROMCODEインターフェース仕様書の用語についてはプロジェクト管理知識体系PMBOK との整合性を考慮しています。さらに、この中でリソース定義仕様書は、データ交換の仕様OSLCに準拠しています。OSLCは、情報システム技術の国際標準OASISでの標準化が予定されています。このように、本協議会の成果はオープンな標準に基づいており、特定の技術やベンダーによらず利用可能です。
5. アダプターの提供によりIT技術者でなくても利用可能
  現場で広く使われているExcel®形式のプロジェクト管理データをPROMCODEインターフェース仕様書で定めている形式に変換するソフトウエアを提供します。さらに、この変換のルールもExcel®で指定ができるため、ITの専門知識をもたなくても利用が可能です。
6. アダプターソフトウエアはオープンソースとして、誰でも利用可能
  データ交換ソフトウエアの実装例をオープンソースソフトウエアとしてEclipse Lyo上で公開しますので、誰でも利用可能です。

国際標準化に向けたOASIS 技術委員会の設立の提案

  本協議会は、PROMCODEインターフェース仕様書を世界的に普及させるため、情報技術の国際標準規約を制定している非営利団体OASIS内に技術委員会(Technical Committee)を設立し、グローバルでオープンな標準の制定を目指しています。この技術委員会は、本年5月にOASIS内に設立された OSLC に関係する標準化を行う技術委員会の集まりであるOSLCメンバーセクション配下に設置されることを目標としています。

(参考)「次世代プロジェクト管理データ交換アーキテクチャ協議会」について

  本協議会は、ユーザーと複数ベンダーが参画する大規模SIやソフトウエア開発プロジェクトにおいて、ユーザーと複数ベンダー間でのタイムリーで効率的な情報管理を実現することを目的に、2012年5月21日に発足しました。組織やプラットフォームによらず、進捗管理や品質管理などのデータを交換できるインターフェースの標準規約を確立するための技術の開発と検証を進めています。

OSLCからのエンドースメント

  PROMCODEコンソーシアムの活動により、OSLCの活動が新たな業種や地域への広がりや、OSLC利用のためのオープンソースの強化などでインパクトを与えているのは、素晴らしいことです。OSLCコミュニティーは、PROMCODEに参加する業界の専門家の経験から恩恵を受け、OASISの標準化活動の推進をさらに進めることができると期待します。

OSLCコア・ワーキング・グループ・リード
W3Cリンクド・データ・プラットフォーム・エディター
エクリプス・リオ・プロジェクト共同リード
スティーブ・スパイカー

タスクトップからのエンドースメント

  ソフトウエアデリバリーが多くのサプライヤーが参加して行われるケースが増えていますが、世界中の企業がその管理に苦労しています。PROMCODEは、最大で百を超えるサプライヤーが関わるソフトウエアサプライチェーンを管理してきた日本企業の貴重な経験を提供してくれます。PROMCODEの知見やアイディアは、OASISでのOSLCの標準化活動の推進に貴重な貢献をしてくれるものとして、個人的に非常に興奮しています。

タスクトップ CEO
ミック ケルンステン

注釈

*1
OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards) [オアシス]
Web上で、クラウドコンピューティング、セキュリティーなどの情報システム開発のための業界標準を策定する非営利団体です。65か国以上から6,000を超える組織・個人が加入しています。詳しくは下記のWebページをご覧ください。
OASIS Web ページ(English)
*2
プロジェクト管理知識体系 PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)[ピンボック]
非営利団体PMI(Project Management Institute)が策定したプロジェクト管理に関する知識の体系です。詳しくは、 下記のWebページをご覧ください。
一般社団法人 PMI日本支部のWebページ
*3
OSLC (Open Services for Lifecycle Collaboration) [オーエスエルシー]
Web 上でソフトウエア基盤環境(OS、 ハードウエアなど)によらずソフトウエア開発のデータを交換するためのインターフェース仕様を定めている非営利団体です。OSLCの成果を国際標準とするために、OASIS内にOSLC メンバーセクションが2013年5月に設置されました。詳しくは、下記のWebページをご覧ください。
OSLC Webページ(English)
*4
Eclipse Lyo [エクリプス リオ]
OSLCの仕様に基づくソフトウエアをEclipse上のオープンソースとして公開しています。詳しくは、下記のWebページをご覧ください。
Eclipse Lyo Webページ(English)

他社所有商標に関する表示

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お問い合わせ先

南山大学

情報理工学部 ソフトウェア工学科 TEL : 0561-89-2081

日本アイ・ビー・エム株式会社

ダイヤルIBM TEL : 0120-04-1992

富士通株式会社

SI技術本部 開発基盤統括部 TEL : 03-6424-6068

日本電気株式会社

SI・サービス技術本部 TEL: 03-3798-6375

株式会社NTTデータ

技術開発本部 丹羽 TEL : 050-5546-2532

株式会社日立製作所

情報・通信システム社 プロジェクトマネジメント統括推進本部
幕田、伊野谷 TEL : 03-5471-2333

株式会社野村総合研究所

生産基盤サービス部 坂田、能登 TEL : 045-336-7341

以上

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