ニュースリリース

日立指静脈認証装置のラインアップを強化

認証速度と精度を大幅に向上させた機器組込み用H1EAXシリーズと
筺体色や企業ロゴなどデザインのカスタマイズが可能なPCログイン用H-1の新製品を販売開始

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明／以下、日立)は、セキュリティソリューションの注力事業である「指静脈認証ソリューション」のさらなる拡大のため、このたび、日立指静脈認証装置のラインアップを強化します。
  まず、入退室管理やタイムレコーダー、金庫、キャビネットなど、さまざまな機器組込み用に開発した新製品「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT−KCAX010)を、10月18日から販売開始します。本製品は、従来機種*1と比較して、認証速度や精度が大幅に向上しました。
  また、ITセキュリティのためのPCログイン用に、オフィスだけでなく店舗での利用などを想定し、場所や用途に応じた筐体色の変更や、企業ロゴの印刷などのデザインカスタマイズサービスに対応した新製品、「日立指静脈認証装置 H−1」(PC−KCA110)の販売を、同じく10月18日から開始します。

  日立の指静脈認証ソリューションは、生体の特徴を示すパターンが体内にあり、なりすましや偽造が極めて困難なこと、装置が小型で設置しやすく、かつ使いやすいことなどから、これまで入退室管理、金融ATM、PCログインなどの用途で数多く導入されてきました。さらに、近年では、法令や業界ガイドラインへの対応や業務効率および利便性の向上を目的に、金庫やキャビネット、タイムレコーダ、医療関連機器、アルコール検知器、介護用フィットネスマシンなど、個人認証用途での適用が拡大しています。このように企業内セキュリティからさまざまな分野への適用範囲の拡大に伴い、より多くの人が利用できる、大規模で利便性の高い認証装置が求められています。

  こうしたニーズに対応するため、日立はこのたび、機器組込み向けとPCログイン向けの製品ラインアップを強化し、それぞれにおいて、機能やサービスを拡充した新製品の販売を開始します。なお、今回販売を開始する製品は、従来製品の指静脈データとの互換性を有しています。

  「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT−KCAX010)では、バックアップ用フラッシュメモリーを搭載することで登録データのダウンロード時間が短縮し、指静脈登録数を12,000指まで大量に*2登録することが可能となりました。また、新開発のハードウェア認証アクセラレーターの搭載により処理性能を向上させたことで、生体情報のみで認証を行う「1:N認証*3」における認証時間を、2,000指登録の条件でも、約1.5秒まで高速化*4を実現しました。
  このため、「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT−KCAX010)を、利用者数が多い大規模システムで使用する機器に組込んでも、テンキー入力やカードと併用することなく、指静脈のみの1:N認証で高速に利用することが可能です。
  さらに、今回新たに採用した「逐次認証*3」方式により、1:1認証において、本人拒否率(FRR*5)を0.01%(1万分の1)未満に維持したまま、他人受入率(FAR*6)を0.0000067%(1,500万分の1)未満*7まで大幅に精度を向上*8させました。

  また、PCログイン用の「日立指静脈認証装置 H−1」(PC−KCA110)では、筐体色の個別変更や、企業ロゴなどの印刷が可能なカスタマイズサービスの提供を開始します。これにより、利用施設や顧客、パートナーの用途に合わせたデザインで、指静脈認証装置を設置することが可能となります。また、認証精度やサイズなどの基本的な仕様は従来機種を継承しながら、認証速度を約20%向上*9させています。
  なお、今後「日立指静脈認証装置H−1」(PC−KCA110)は、Microsoft Windows®8やWindows Server®2012などの新OSにも対応していく予定です。

  日立は今後も、国内外の組込み機器ベンダーやシステムベンダーなどのパートナーと「日本発の生体認証」である指静脈認証をグローバルに普及・進化させるとともに、適用範囲を企業内から公共・社会インフラ分野へと拡大し、より幅広い顧客ニーズに応える製品やサービスを開発することで、指静脈認証ソリューション事業をさらに強化していきます。

*1

「機器組込み用指静脈認証ユニット」(PCT-KCA5010)

*2

従来機種(PCT-KCA5010)では最大2,000指まで。フラッシュメモリーの搭載なし。

*3

生体認証方式には、IDと生体情報により本人照合を行う「1:1認証」、生体情報のみで本人照合を行う「1:N認証」があります。「逐次認証」とは、1人2指を登録しておき、1回目の認証で判定できない場合に、2本目の指で2回目の判定を行う認証方式です。

*4

従来機種(PCT-KCA5010)では、最大数である2,000指を登録した場合、1:N認証に要する時間は約24秒。

*5

本人拒否率(FRR)=False Rejection Rate 同一人にもかかわらず別人として判定される割合。

*6

他人受入率(FAR)=False Acceptance Rate 別人が誤って本人として判定される割合。

*7

バイオメトリクスの精度評価に関する国際基準規格「ISO／IEC19795-1」に基づいた測定方法で算出した精度。

*8

従来機種(PCT-KCA5010)では本人拒否率(FRR)が0.01%未満の時の他人受入率(FAR)は0.0001%(100万分の1)未満。

*9

認証開始ボタンを押してから認証完了ブザーが鳴動するまでの時間を、同一PCで従来機種(PC-KCA100)と比較。

新製品の特長

1.「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT-KCAX010)

(1) 高速処理

新開発のハードウェア認証アクセラレーターを搭載し、認証処理性能を向上させたことで2,000指登録時の1:N認証を、約1.5秒で高速に処理をすることができます。従来、利用者数が多いため、テンキー入力やカードとの併用による1:1認証が必要であった大規模システムで利用される機器でも、指静脈のみの1:N認証が利用可能となります。

(2) 高精度

1:1認証精度において、本人拒否率(FRR)を0.01%(1万分の1)未満を維持しつつ、他人受入率(FAR)を0.0000067%(1,500万分の1)未満と認証精度を向上させました。これにより、より確実な本人認証の環境を実現します。

(3) 大容量

バックアップ用フラッシュメモリーを搭載したことで、装置内に最大12,000指まで指静脈パターンを登録できます。これにより利用者が多い大規模システムにおける機器などへの組込みも可能です。

(4) 動作温度拡大

実装やハウジングの見直しにより、動作温度範囲を-20〜50℃*1まで拡大しています。これにより、従来設置が困難だった環境でも使用が可能です。

*1

従来機種(PCT-KCA5010)の動作温度は0℃〜40℃

2.「日立指静脈認証装置 H-1」(PC-KCA110)

(1) 筐体色の変更やロゴ印刷などのカスタマイズサービスを提供

顧客やパートナーの指定色の筐体を提供する「筐体色カスタマイズサービス」や、指定ロゴなどを印刷可能な「ロゴ印刷サービス」を提供します。

(2) 認証処理速度を向上

認証処理プログラムの改良により、認証処理速度が約20%向上*2しました。

*2

認証開始ボタンを押してから認証完了ブザーが鳴動するまでの時間を、同一PCで従来機種(PC-KCA100)と比較。

価格および販売／提供開始時期

製品名	価格(税込)	販売／ 提供開始 時期
「機器組込み用 指静脈認証ユニット H1EAXシリーズ」 (形式:PCT-KCAX010)	個別見積	2012年 10月18日
「日立指静脈認証装置 H-1」 (形式:PC-KCA110)	オープン*	販売: 2012年 10月18日 提供: 2012年 11月15日

• * ロゴ印刷サービスや筐体色カスタマイズサービスは個別見積

他社所有商標に関する表示

• Microsoft、Windows、Windows Serverは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
• その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

製品紹介URL

「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」(PCT−KCAX010)について

• 指静脈認証応用システム ホームページ

「日立指静脈認証装置 H-1」(PC−KCA110)について

• 指静脈認証ソリューション ホームページ

本件に関するお問い合わせ

「機器組込み用指静脈認証ユニットH1EAXシリーズ」
(PCT−KCAX010)に関するお問い合わせ先

株式会社日立製作所
都市開発システム社 カスタマー・サポートセンター
TEL : 03-3620-1040 (ダイヤルイン)

「日立指静脈認証装置 H-1」(PC−KCA110)に関するお問い合わせ先

株式会社日立製作所
情報・通信システム社 セキュリティ・トレーサビリティ事業部

• 「指静脈認証ソリューション」お問い合わせフォーム

以上