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2012年10月1日
株式会社日立製作所
執行役社長 中西 宏明
皆さん、入社おめでとうございます。日立グループを代表して皆さんを心から歓迎します。
日立グループは、よりダイバーシティに富んだ組織づくりに取り組んでおり、本日の入社式・導入教育は、その一環として開催する初めての試みです。
今日は、皆さんにお伝えしたいことを三点に絞ってお話します。
日立グループの始まりは、1910年に、小平浪平創業社長とその仲間たちが創業した鉱山用機械の修理というベンチャービジネスでした。その頃に生まれた「日立創業の精神」が「和」「誠」「開拓者精神」であり、普遍性がありながらも非常に重要なことを示しています。まず、「和」というのは、異なる意見や考えを侃々諤々皆で議論した上で、一度結論が出たら全員が一致団結して実行する、という意味です。次に、「誠」は、お客様に誠意をもって接し、社会からの信頼を得るよう必死に努力する、という意味です。最後の「開拓者精神」は、その名の通り、何事にも果敢に挑戦していく、ということです。この「日立創業の精神」は、日立を動かしていく根本原理であり、皆さんがこれから仕事に取り組んでいくための出発点にしてもらいたいと思います。
近年、先進国も新興国も世界中が社会インフラに関わる複雑な課題を抱えています。日立グループは、ITによって蓄積されたデータや知恵を社会インフラに組み合わせることでこのような課題を解決していく「社会イノベーション事業」に注力しています。しかし、この社会イノベーション事業をグローバル展開していくことは簡単なことではありません。例えば、今年7月に正式契約を締結した英国の都市間高速鉄道計画(IEP : Intercity Express Programme)の案件では、多くの課題や困難を乗り越えてようやく正式契約締結に至りました。日本には新幹線という優れた高速鉄道の技術がありますが、日本は「衝突させない」ことを前提に、事故を起こさないように、列車本体やレール、運行管理システムなど全体を通じて安全を高める仕組みをとっています。一方、英国では、「衝突した場合」を想定し、列車を強固なものにすることが必要になります。
このように、国や地域それぞれのニーズに合った商品、サービス、ソリューションを提供していくためには、日本にいて机の前に座っているだけではなく、現地に行き、言葉を覚え、現地の日立の仲間と一緒に知恵を結集し、具体的なセールス活動や提案を行う等の「挑戦」が必要です。
社会イノベーション事業でグローバルな競争に勝っていくために、皆さんには、一人ひとりの仕事を「世界レベルの仕事」にしてもらいたいのです。グローバルな競争社会では、一人ひとりの日々の仕事そのものがいかに競争力をもつかが重要です。
今、私は、お客様、各国政府の首脳、投資家など様々なステークホルダーから日立に大きな期待が寄せられている、という手ごたえを感じています。日立グループがこの期待を具体的な成果につなげ、グローバルメジャープレーヤーになっていくために、皆さんには大いにチャレンジしてもらいたいと思います。
Today, I pointed out three important points. The first point is the "Hitachi Founding Spirit" of "Wa," "Makoto" and "Kaitakusha-seishin." These are translated to "Harmony," "Sincerity" and "Pioneering Spirit." We would like to share these concepts as a very strong base for our futures.
Our business has been expanding globally and the expansion will accelerate more and more. To become a global major player, the most important point is how to contribute to our potential customers through our daily works. Please try to work hard.
I sincerely express my welcome to Hitachi. Thank you very much.
以上