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2012年6月4日

日立がIPAの文字情報基盤実証実験Webサイトをクラウドで構築

約6万文字の「IPAmj 明朝フォント」が使える環境をゲームや名刺作りで体験する
「漢字に触れてみよう-文字情報基盤プロモーションサイト-」を6月4日から公開

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、独立行政法人情報処理推進機構(理事長 : 藤江 一正/以下、IPA)の文字情報基盤実証実験Webサイトの構築、運用、公開後の技術検証に関する業務を受託し、このたび、2012年6月4日から2013年1月31日までの約8ヵ月間、「漢字に触れてみよう-文字情報基盤プロモーションサイト-」(以下、本実験サイト)を公開します。本実験サイトでは、IPAが行政機関や民間企業の情報システムで漢字を効率的に扱うために作成した約6万文字のフォント「IPAmj 明朝フォント」が使える環境を模擬的な文章作りやゲームを通して体験できるコンテンツを提供します。なお、本実験サイトは日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のPaaSサービス「プラットフォームリソース提供サービス」を用いて構築しており、短期間での本実験サイトの公開や、利用者の増減にあわせた柔軟なITリソースの拡張を実現しています。

  日本では、JISに規定された約1万文字の漢字以外に、旧字や略字など標準化されていない多くの文字が人名、地名などの中に用いられています。これらの文字は通常、情報システムには登録されておらず、JISに規定された標準的な文字に置き換えて利用しています。しかし、これら標準化されていない文字を扱う必要のある金融機関をはじめとした企業や戸籍を扱う自治体などが、それぞれの情報システムに独自にこれらの文字を「外字*1」として登録するケースが数多く発生しています。その結果、「外字」として登録されている文字は、それぞれの団体が所有する情報システムごとに固有の文字コードが与えられています。これにより、異なる情報システム同士の連携が不可能、あるいは連携のためのコストが必要となるといった問題の一因となっています。これは、電子政府システムの効率的運用および、国民からの効率的活用を阻害する要因のひとつともなっていました。そこで、IPAでは、JISに規定された約1万文字に加え、これまで情報システムに登録されていなかった約5万文字の漢字を収容し、情報システムの共通基盤として利用可能な合計約6万文字からなる「IPAmj 明朝フォント」を作成しました。

*1
外字 : 業務システムにあらかじめ登録されている文字以外に、ユーザーが独自に作成した文字

  この約6万文字のフォントをより多くの国民に知ってもらい、これまで情報システム上での入力や表示が困難だった多様な文字を使える環境を体験してもらうとともに、今後の本格的な利用のための技術的な課題を洗い出すために、2012年6月4日から本実験サイトの公開を行います。
  現在一般に市販されているPCは、JISに規定された約1万文字を扱うことを前提に設計されています。そのため、一般的なPCで約6万文字すべてを扱うためには、通常であればJIS以外から必要な文字を選び出して入力するための入力補助技術や多様な文字を正確に表示・印刷するためのソフトウェアなどをインストールする必要があります。本実験サイトでは、これらの機能をWebサイト側に実装することで、多くの方々が普段使っている情報システムに特に手を加えることなく、多様な文字の世界を体験することが可能となっています。

  日立は今後も、全国自治体の戸籍システム構築などで培った文字に関するノウハウとともに、クラウド技術を活用し、我が国における多様な文字活用に向けた、文字情報基盤の普及に寄与して参ります。

文字情報基盤実証実験Webサイト

[画像]「漢字に触れてみよう-文字情報基盤プロモーションサイト-」TOPページ

日立が提供する技術について

  日立が提供した本実験サイトは、日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のPaaSサービス「プラットフォームリソース提供サービス」により短期間でのWeb実証実験環境の立ち上げを実現し、かつ月間100万ページビューのアクセスにも耐えうる安定したシステム基盤を提供しています。また、独自の仮想化技術を適用した高信頼・高セキュリティなITリソースを、堅牢かつ高セキュリティな「Harmonious Cloudセンタ」から提供し、ユーザーの要望に応じて柔軟にITリソースを増減することができます。さらに、24時間ノンストップなWeb実証実験環境を提供するため、システムを冗長化しています。加えて、「Harmonious Cloudセンタ」は、地盤の強固な地域において直接基礎工法と免震装置を併用した堅牢性の高い構造物で、指静脈認証やICカードによる入退管理システムなどのハイレベルなセキュリティ対策を実現するほか、最先端のグリーンIT技術を駆使しており、省エネルギーにも貢献します。
  本実験サイトで提供される模擬的な文章作成や文字にかかわるゲームなどは、情報システムの文字環境を効率的に整備する日立文字基盤ソリューションのパッケージ製品である漢字電子辞典「五萬悦」や漢字統合管理システム「漢字かなめ」を利用して作成されています。これらの製品は、本実験サイトに必要とされる文字の入力補助機能や多様な文字を正確に表示・印刷する出力技術を網羅しており、本実験サイトの構築期間短縮やコスト低減に寄与しています。
  さらに、本実験サイトは、利用者からのアンケート回収機能やログ収集機能を実装しており、これにより得られた情報をもとに、日立の有識者による体系的な分析、課題の抽出を行い、文字情報基盤の普及に向け、報告書に纏められます。

文字情報基盤実証実験Webサイトに採用されている日立製品に関するホームページ

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当 : 西本、佐々木]
〒136-8632 東京都江東区新砂一丁目6番27号 新砂プラザ

以上

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