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2012年2月9日
株式会社 日立製作所
日立(中国)有限公司

日立グループ中国事業戦略2015について

2015年度連結売上高を2010年度比約1.6倍の1,600億元に拡大

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)と中国のグループ統括会社である日立(中国)有限公司(董事長 : 大野 信行/以下、日立(中国))は、このたび、中国において、事業の一層のローカリゼーションとさらなるグループシナジーの発揮を通じ、2015年度の中国における連結売上高を2010年度に比べ約1.6倍の1,600億元(約1兆9,200億円*)に拡大することをめざす「中国事業戦略2015」を策定しました。

  中国は、2006年〜2010年の過去5年間の平均GDP成長率が年率10%を超え、2011、2012年も10%近くのGDP成長率が予測されるなど、著しい経済成長が続いています。今後は、沿海部に加え、東北や内陸を含む幅広い地域で、電力、交通、水、ITといった社会インフラの整備が一層進み、引き続き内需が拡大することが見込まれます。
  2011年3月に発表された「第12次5カ年計画」では、都市化、内需拡大などを中心とした経済成長に加え、低炭素社会、グリーン経済などの環境に配慮した社会の実現が求められているほか、先端産業の育成、高付加価値化といったイノベーションが期待されています。

  現在、日立は中国において、140社以上のグループ会社と約6万人の従業員を有し、ATM、火力発電システム、鉄道システム、昇降機、建設機械、高機能材料、医療機器など多岐に亘る事業を展開しています。2004年度に5,975億円であった中国向け連結売上高は、2010年度には約1兆1,880億円に成長し、日立グループ連結売上高の13%を占める最大の海外市場となっています。
  こうした成長の著しい中国市場において、「第12次5カ年計画」を踏まえた中国社会の発展に貢献していくために、日立は、一層のローカリゼーションとグループシナジーの発揮を柱とする中国事業戦略2015を策定しました。具体的には、さらなるローカリゼーションの深化を図るために、省エネルギー・環境分野における現地自治体や企業とのパートナリングの強化や、電力システムや鉄道システム事業等で現地生産の拡大を図ります。また、日立グループの総力を結集し、グローバルに推進しているコスト構造改革プロジェクト「Hitachi Smart Transformation Project」の中国展開による経営基盤の強化や、営業拠点の拡充(現在12箇所から2015年までに16箇所)、さらには、12都市でグループ総合展を開催(2〜3回/年)することによるプレゼンスの向上などを通じ、さらなるグループシナジーを創出していきます。
  これらの施策を通じ、社会イノベーション事業を中心とした事業展開を加速することで、2015年度の中国における連結売上高を、2010年度に比べ約1.6倍の1,600億元(約1兆9,200億円*)に拡大するとともに、中国社会の発展に貢献していきます。
  「中国事業戦略2015」の具体的な内容は以下の通りです。

  • * 1元=12円で換算

中国事業戦略2015のポイント

1. 2010年度の実績と2015年度の目標

  2010年度実績 2015年度目標
売上高 990億元
(約1兆1,880億円*)
1,600億元
(1兆9,200億円*)
  • * 1元=12円で換算

2. 事業の一層のローカリゼーション

  • (1) 具体的な施策
    • [1] パートナーリングの強化
      中国内外市場を視野に入れた、政府、有力な中国企業との関係強化
    • [2] 現地化の推進・拡大(バリューチェーンの現地展開の加速)
      研究開発、設計、製造、エンジニアリング、販売、保守サービスといった事業機能に加え、調達、人財、財務に関する活動の現地化
    • [3] 伸長分野への対応
      環境・省エネルギー関連、都市化に伴う社会インフラ関連、サービス関連事業の展開
    • [4] 地域戦略
      経済の発展が著しい地域、日立グループのブレゼンスが高い地域、有力パートナー開拓が可能な地域に着眼した事業推進
(2)主要事業の戦略
  中国の発展の方向性に合わせ、以下の施策を実行していきます。
分野 セグメント 主要な施策
環境・ 省エネルギー 電力システム
  • 大連市生産拠点の機能拡張
  • 脱硝触媒現地生産による事業拡大(杭州)
  • 分散電源としてのガスタービン事業の拡大
社会・産業
システム
  • 環境・省エネルギーを支える技術・製品群の供給
    (産業機器・システム)
  • 水環境ソリューション事業の大連市東達集団、成都市興蓉集団との協業
情報制御
システム
  • スマートシティ・スマートグリッド市場参入による伸長地域における事業開拓
情報化イノベーション 情報・通信
システム
  • 北大方正とのクラウド・SaaSビジネスの展開
  • 大連におけるデータセンター事業展開
  • エネルギー、クラウド、データセンターなどの分野で日立の総合力を生かしスマートシティ化へ対応
  • ストレージ、ATMなど競争力のあるプラットフォーム製品の事業拡大
  • 金融・製造・流通・公共ソリューションの中国企業向け展開
産業 イノベーション 鉄道システム
  • パートナーとの一層の連携強化による事業の拡大
  • 鉄道車両用電気品の生産能力拡大
建設機械
  • 代理店販売、サービスサポート力向上
  • 新型機投入による販売強化
高機能材料
  • 中国拠点を鉄鋼圧延用ロール事業のグローバル生産拠点化(日立金属)
  • 産業インフラ市場への本格的参入(日立電線)
  • 統括会社設立による事業拡大(日立化成工業)
オートモティブ
システム
  • 地域統括会社を中心としたスピード経営の加速
  • 広州に開発・設計・製造拠点を新設
国民生活の 向上 都市開発
システム
  • 昇降機の生産能力増強
  • 開発体制強化
電子装置・
システム
  • 内需ビジネス対応強化(日立ハイテクノロジーズ)
  • 蘇州新工場の立ち上げ(日立メディコ)
デジタルメディア
・民生機器
  • 液晶プロジェクターの代理店関係強化によるトップシェア維持(日立コンシューマエレクトロニクス)
  • インバーター製品の拡充による売上拡大
    (日立アプライアンス)
金融サービス
その他
  • 有力パートナーとの連携による全土配送網の構築(日立物流)
  • 医療・建設機械リースビジネス拡大と内陸展開
    (日立キャピタル)

3. グループシナジーの発揮

  日立グループは、グループ経営基盤の強化やグループ営業・ファイナンスおよび研究開発・設計体制の強化など、グループシナジーの発揮を加速します。具体的な施策は以下の通りです。

  • (1) グループ経営基盤強化
    日立(中国)を中心とした、日立グループがグローバルに推進するコスト構造改革プロジェクト「Hitachi Smart Transformation Project」の一環としてのコスト削減の推進や、投資、人財、CSR、環境、知的財産、法務等シェアードサービスの拡充
  • (2) グループ営業の強化
    • [1] 大型案件の横断的対応
    • [2] 現在12箇所の営業拠点を2015年度までに16箇所に拡充(2012年武漢、済南分公司新設)
    • [3] 12都市におけるグループ総合展開催(2〜3回/年)
  • (3) グループファイナンスの運用拡大
    日立(中国)財務有限公司を中心とした資金調達の拡大とグループ会社への展開
  • (4) イノベーション強化
    2015年度までに中国における日立グループの設計、研究開発人員を3,000名に拡大
    (日立(中国)研究開発有限公司 : 200名、設計他 : 2,800名)

4. 日立グループ中国・アジア地区総裁の新設

  アジア・パシフィック地帯における現地司令塔機能を強化するために、4月1日付で、日立グループ中国・アジア地区総裁を新たに北京に設置します。中国・アジア地区総裁には、執行役副社長の森和廣が就任し、中国・アジア地域における地域戦略の立案、調達マネジメント機能、地域における経営方針の方向付けを行うとともに、中国・アジアの視点を日立グループの経営に反映していくことでビジネスの拡大を図ります。

日立グループの中国での実績

  日立は、1972年の日中国交正常化以降、中国向け事業を本格化させ、同年、唐山徒河発電所向けにタービン・発電機を納入したことを皮切りに、テレビなどの家電製品、建設機械、エレベーター・エスカレーター、北京市や上海市などの地下鉄車両用電気品、重慶市のモノレール、金融機関向けのATMなど、さまざまな製品・サービスを提供することで中国社会に貢献し、お客様から高い評価をいただいてきました。
  近年では、社会インフラとITを融合して提供することができる強みと、省エネルギー・環境保全分野における豊富な技術や経験、ノウハウを生かし、天津市郊外に建設中の「中国・シンガポール天津エコシティ」プロジェクトへのスマートシティ関連技術の提供、広州市郊外で開発が予定されている「中国・シンガポール広州ナレッジシティ」の構築に向けた協力、大連市との水処理や家電リサイクル分野を含むスマートシティ構築に向けた協業など、中国のさまざまな環境配慮型都市プロジェクトに積極的に参画しています。また、2011年10月には重慶市と、省エネルギー・環境保全や低炭素経済などの分野において、モデル事業づくりや技術交流、関連産業での協業を推進することで合意しています。

中国における日立グループについて

  中国は日立グループの最も重要な市場のひとつであり、141のグループ企業と、約60,000人の従業員を擁しています(2011年3月末現在)。中国における日立グループの2010年度(2010年4月1日から2011年3月31日)の売上高は、990億元(約1兆1,880 億円)にのぼり、日立グループ全世界売上高の約13%を占めています。 日立グループは、中国において、情報・通信システム、電力システム、社会・産業システムなど幅広い分野で事業を展開しています。今後は、「社会イノベーション事業」を通じ、中国の資源循環・低炭素経済に貢献していきます。詳しくは、下記ホームページをご覧ください。

以上

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