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2011年10月31日
国立大学法人北海道大学
株式会社日立製作所
国立大学法人北海道大学(総長 : 佐伯 浩/以下、北大)の学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点である北海道大学情報基盤センター(センター長 : 昌彰)では、本年4月から構築してきた国内最大規模の学術クラウドシステム「北海道大学アカデミッククラウド」がこのたび完成し、主に全国の大学研究者に向け、11月1日からサービスの提供を開始します。
「北海道大学アカデミッククラウド」は、「学際大規模計算機システム」の一部として、170テラフロップス*1を超える演算性能を有するスーパーコンピュータシステムとともに運用されるもので、全国共同利用施設として、北大ならびに全国の大学研究者の学術用途にオンデマンドで利用できる仮想サーバや、複数の計算機をまとめたクラスタパッケージによるMPI*2環境、Hadoop*3などの分散処理環境、さらにオンラインストレージやブログなどの利用環境をクラウドの形態(IaaS/PaaS)*4で提供します。
具体的なサービスメニューとしては、OSやミドルウェアのほか、ブログやWiki*5などの各種アプリケーションを含めて利用できるサービスで、冗長化構成により高い信頼性を実現している「ホスティングサーバ」と、OSやミドルウェアなどを研究者の利用用途に応じて自由にカスタマイズし利用できるサービスで、冗長化構成を省き仮想サーバを安価に提供するとともに、クラスタ化を可能とした「プロジェクトサーバ」の2種類を用意しています。
「北海道大学アカデミッククラウド」は、全国の大学研究者の学術用途ならびに研究支援を目的として提供します。利用希望者は、情報基盤センターのポータルページから利用申請をすることで、研究に必要な仮想サーバの利用を簡単、かつ迅速に始めることができます。本サービスを利用することで、利用者自身がサーバやストレージを設置・構築することに比べ短時間で必要な環境を用意できるため、より多くの時間を研究のために利用できるようになります。
「北海道大学アカデミッククラウド」は、株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)が日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のプライベートクラウドソリューションを活用し、構築したものです。統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」のハイエンドモデル「BS2000」(以下、「BS2000」)114台を演算ノードに利用し、40テラフロップスを超える総合理論演算性能を実現しています。また仮想ファイルプラットフォーム「Hitachi Virtual File Platform」(以下、「VFP」)やミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage2000シリーズ」(以下、「AMS2000シリーズ」)をストレージシステムに利用し、760テラバイト(TB)の実効総容量を備えています。
演算ノードとして利用されるブレードサーバの「BS2000」は最新のインテル® Xeon® プロセッサー E7-8870を搭載しています。1演算ノードあたり128ギガバイト(GB)の大容量メモリと10ギガビット(Gb)イーサネット*6の高速ネットワークを内蔵しているため多くの仮想サーバを作成でき、システム全体で2,000以上の仮想サーバを構築できます。また、消費電力のモニタリングが可能なため、グリーンITの実現に貢献します。さらに、北海道の冷涼な気候を有効利用して、外気を取り入れた空調設備を設置することにより、消費エネルギーのさらなる効率化を図っています。
利用者のデータを保存するストレージシステムでは、システム稼働中の性能調整を自動化する「ダイナミックロードバランスコントローラ」機能や、必要に応じたストレージ容量の割り当てを自動で行うボリューム容量仮想化機能「Hitachi Dynamic Provisioning」機能を活用し、クラウドサービスの設計と運用を容易にしています。
また、基盤ソフトウェアには、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のサーバ仮想化ソフトの「Citrix® XenServer®」やクラウド管理ミドルウェア「CloudStack™」を利用し、ポータルサイトを通じたサービス環境の申請、管理、運用を実現しています。
また、「北海道大学アカデミッククラウド」とあわせてサービス提供を開始するスーパーコンピュータシステムは、POWER7®プロセッサーを搭載した日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000 モデルM1」を利用し、170テラフロップスを超える演算性能を実現しています。クラウドサービスの利用者は、本スーパーコンピュータシステムの利用も可能となります。
北大は、この「北海道大学アカデミッククラウド」を、より多くの大学研究者に提供することで、日本の学術研究基盤のさらなる高度化と恒常的な発展に資する役割を果たしていきます。
日立は、今後も、大学や研究機関などの高度な研究環境を支える高性能、かつ信頼性の高いスーパーテクニカルサーバやディスクアレイシステムなどの開発を進め、提供していきます。また、これまで培ってきた多くのクラウドシステム構築の実績に今回のシステム構築によるノウハウも加え、今後もクラウドソリューションを強化していきます。
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