このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
2011年9月20日
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、海外での鉄道システム事業の拡大に向けて、鉄道の輸送力やエネルギーコストなど現地の鉄道事業のニーズに即したシステムを構築する、鉄道システム統合シミュレーターを開発しました。海外の鉄道システム事業においては、メーカーによる鉄道システム全体の提案が求められており、日立は本シミュレーターを活用し海外向け鉄道システムにおける提案力強化を図っていきます。
海外においては、国や路線により異なる電力供給方式(直流/交流)、多様な車両、電化/非電化区間の乗り入れなどを考慮した包括的な鉄道システム提案が求められています。本シミュレーターでは、車両設備、信号設備、運行管理設備、電力設備など、複数の設備の連携を考慮した大規模な鉄道システムを再現することで、鉄道システム全体を包括的な視点で評価することができます。また、技術の進歩により新しい設備が導入された場合においても、その効果を評価できる柔軟性を有しています。本シミュレーターを活用することで、設備の最適配置や、適切なエネルギーの分配が可能となり、グローバルな鉄道インフラ整備計画に対し、最適なソリューションを迅速に提供することができます。
近年、環境に配慮した交通手段として世界各国で鉄道システムの導入が計画され、海外鉄道需要の拡大が注目されています。海外の鉄道システム事業においては、メーカーによる鉄道システム全体の提案が必要であるとともに、世界各国で異なる安全基準や電力供給方式(直流/交流)、電化/非電化区間の相互乗り入れ運行など多様で複雑な輸送ニーズに対して、エネルギーコストの定量評価などを迅速に行う必要があります。しかし、一つの設備モデルの単体動作を再現する従来のシミュレーターでは、鉄道システム全体での最適評価に時間を要するなどの課題がありました。このような背景から日立は、各種設備の相互作用を考慮した、鉄道システム全体を包括的な視点で評価できる鉄道システム統合シミュレーターを開発しました。今回開発した技術の特長は以下の通りです。
本シミュレーターを用いれば、車両設備モデルおよび電力設備モデルに蓄電装置モデルを加えることで、蓄電装置の車両設備あるいは地上設備への導入による省エネ効果を定量的に評価することが可能となり、蓄電装置を用いた最適な鉄道システムの提案が可能です。また、変電所容量および車両の運転間隔に依存する変電所の消費電力の変動など複数のサブシステムをまたいだ検討や、省エネや輸送量増加に向けた施策の検討を可能とするなど、世界各国の鉄道インフラ整備計画に対応した最適な鉄道システムの構築を可能にします。
今後、本シミュレーターを活用することで、日立が国内で培った車両、信号、運行管理、電力の主要システムの基盤技術をグローバルに展開していきます。
株式会社日立製作所 日立研究所 企画室 [担当 : 鈴木]
〒319-1292 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号
TEL : 0294-52-7508
以上