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2011年7月20日
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、映像や音楽データの保存に用いられる光ディスクの記録容量を飛躍的に拡大できる「位相多値記録再生方式」を考案し、記録容量が2倍となる"位相*14値"において、データを記録、再生する検証実験に成功しました。「位相多値記録再生方式」の原理は、光の干渉*2で生じる微小な干渉縞(マイクロホログラム)を記録マークに用いて、この記録マークを書き込む深さを変えることにより多値化*3し、記録と再生を行うものです。本原理は、8値以上の多値記録*3に拡張できるため、記録容量を3倍以上に拡大できる可能性を持ち、光ディスクのさらなる大容量化を実現するものとして期待されます。
光ディスクは、信頼性が高く、長期保存に適していることから、映像や音楽などのアーカイブへの利用が拡大しています。このため、さらなる大容量化と、記録・再生におけるデータ転送速度の高速化の要望が大きく、世界的に研究が進められています。光ディスクは、記録層に書き込まれた記録マークの有無あるいは濃淡を、1bitに相当する0、1のデータとして記録し読み取るメディアです。光ディスクの記録容量を飛躍的に拡大する手段として、記録マークの情報を、2bitに相当する4値(22)、3bitに相当する8値(23)というように多値化し、容量を2倍、3倍に高める多値記録技術が期待されています。
そこで、日立は、多値化する手段として記録マークに光の位相情報を加えた「位相多値記録再生方式」を考案し、2倍の記録容量に相当する位相4値において、光ディスクのデータを記録、再生する検証実験に成功しました。
本原理は、位相の数を8値、16値、32値と拡張できるため、光ディスクの記録容量を倍増させるものとして期待されます。また、多値化により、光ディスクの一層あたりに記録される情報量(面記録密度)が高まり、データの転送速度の向上に貢献します。
今後は、小型の位相多値再生用モジュールを組み込んだ記録再生装置を用いて実証実験を行い、「位相多値記録再生方式」の実用化を進める予定です。
なお、本成果は2011年7月17日からハワイで開催される光ストレージに関する国際シンポジウム「The Joint International Symposium on Optical Memory & Optical Data Storage Topical Meeting (ISOM/ODS2011)」にて発表します。
株式会社日立製作所 中央研究所 企画室 [担当 : 木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 042-327-7777 (直通)
以上