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2011年4月7日
脳科学をモノづくりに活用
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、脳科学をモノづくりに活用する取り組みの一環として、株式会社バンダイ(代表取締役社長:上野 和典/以下、バンダイ)が行ったブロック玩具「BlockLabo(ブロックラボ)」シリーズの開発に協力しました。
「BlockLabo」は、脳科学に基づいたベビートイ「BabyLabo(ベビラボ)®」シリーズ(2010年1月発売)と同様に、子どもの成長に合わせた玩具開発をめざすバンダイとこれまで培った脳科学をモノづくりに活用する取り組みを進めている日立との共同プロジェクトで得られた知見を活用しています。バンダイが「BlockLabo」の商品化と販売を担当し、日立は脳科学に基づいて、ブロックの形状や模様の有無などによる組み立てやすさについて検証を担当しました。
日立は、生後1歳6カ月から3歳未満の子ども約110人を対象に、作品例を模倣して組み立てるという行程において、作品例と同じ形状を最後まで組み立てられる子どもが何人いるかという「達成率」と、子どもがブロックの組み立てにかかった「所要時間」を検証し、ブロックの形状や模様の有無などによる比較を行いました。
その結果、ブロックの形状や模様の有無に応じて、成長段階によって組み立て能力に差があることが明らかになりました。例えば、「(1)1歳6カ月から2歳6カ月未満の子どもには、立方体と直方体の組み立てにかかる所要時間に顕著な差が見られ、直方体よりも立方体の方が容易に組み立てることができる」ことがわかりました。また、「(2)1歳6カ月から3歳未満の子どもにとって、ブロックに形状や模様があるものの方が、無いものよりも容易に組み立てられる」といえることがわかりました。さらに、「(3)1歳6カ月から2歳6カ月未満の子どもが2ピースのブロックで作るアンパンマンの達成率が20%から50%未満だったのに対して、2歳6カ月から3歳未満の子どもは、50%以上の達成率になる」ことがわかったことから、子供が成長するにつれてブロックの遊び方も進化していくと考えられます。バンダイでは、この検証結果をもとに、子供の成長に応じた遊び方を「BlockLabo」に盛り込んでいます。
脳科学では、人間の脳機能の理解を目的として、脳を計測する神経科学分野だけではなく、内外の刺激に対する行動的反応から精神や認知機能を解明する心理学や認知科学的手法などを活用しています。今回、日立は、子どもが発達に応じたブロック遊びを脳科学でよく使われる認知科学的手法を用いて検証しました。
日立では脳科学をモノづくりに活用する取り組みに関しては2009年12月1日に発表しましたように、検証結果を適切に表現するプロセスとして第三者の専門家が参画したBrain Science審査会を設け、さらにその審査結果の表現を適切に活用している証としてBrain Scienceマークを付与しています。「BabyLabo(ベビラボ) ®」シリーズ同様に本シリーズにも、Brain Scienceマークを付与しています。
日立は引き続きさまざまな分野にてパートナー企業との連携を図り、脳科学をモノづくりに活用していくことや脳活動計測の技術開発を通して、脳科学や認知科学、心理学、教育学などの研究分野の発展に貢献していきます。
株式会社日立製作所 トータルソリューション事業部
新事業開発本部 人間指向ビジネスユニット [担当:吉村]
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