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2011年3月3日

スーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に
「SR16000 モデルVM1」を追加

早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」に先行納入

[画像]スーパーテクニカルサーバ 「SR16000 モデルVM1」

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、流体解析や気象予測などの科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ「SR16000シリーズ」に、POWER7®プロセッサーを搭載した新モデル「SR16000 モデルVM1」(以下、「VM1」)を追加し、本日から販売を開始します。本製品は従来モデル「SR16000 モデルVL1」(以下、「VL1」)に比べ6.4倍となる1ノード*1あたり約8.2TFLOPS*2の理論ピーク性能*3を実現しています。
  なお、「VM1」は、学校法人早稲田大学(総長 : 鎌田 薫/以下、早稲田大学)の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」に先行納入され、同センターでの研究の中核を担うスーパーコンピュータシステムとして2011年5月13日に正式運用を開始する予定です。

*1
ノード : 並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位
*2
1TFLOPS(テラフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
*3
理論ピーク性能 : 実際にプログラムを実行したときの性能ではなく、同時に動作可能な全ての演算器が動作したときの性能

  「VM1」は、1ノードにPOWER7®プロセッサーを最大32個、メモリを最大8TB(テラバイト)まで搭載可能な科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバです。
  今回、POWER7®プロセッサーの搭載により高いシステム処理性能を実現し、また消費電力あたりの性能を従来モデル「VL1」に比べ5.5倍となる256.8MFLOPS*4/ワット*5に向上します。消費電力をプロセッサーの稼働状況に応じ制御できる「電力制御機構」や消費電力のモニタリング機能などをあわせて活用することで、省電力なシステム運用が可能となります。また、メモリを最大8TBと大容量に搭載でき、最大640本のPCIスロット*6を備えI/O(データ入出力)の拡張性にも優れるため、大規模シミュレーションなど大量データを用いた科学技術計算を迅速に処理できます。

*4
1MFLOPS(メガフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に100万回実行する能力
*5
CPUコア最大構成時(256way)の値
*6
PCI スロット : コンピュータ内のデータ伝送路であるPCIカードを搭載する差し込み口

  「VM1」を先行納入した早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」は、産学官連携のもと、太陽電池による駆動が可能で、冷却ファンが不要であり低消費電力なマルチコア/メニーコア・プロセッサー*7のハードウェア/ソフトウェア開発、それらのサーバや情報家電などへの適用をめざし、2011年5月13日に開設予定の研究センターです。
  早稲田大学は、同センターの開設にあたり、学内で同様の研究開発に利用してきた従来のシステムと比べ、より大量なデータの高速処理が可能で、消費電力を抑えた運用管理ができるシステムの選定を進めていました。今回、従来システムと比べ7倍以上となる約4.1TFLOPSのシステム処理能力と、消費電力をプロセッサーの稼働状況に応じ制御できる「電力制御機構」などを活用し省電力なシステム運用が可能となることなどを評価し、「VM1」を採用しました。本製品を導入することで、次世代プロセッサーの開発や製品への適用に向けたシミュレーションなど大量データの高速処理を実現し、より迅速な研究解析が可能となります。
  なお、本システムは、早稲田大学と日立が共同開発した本センター屋上からの太陽光による電力を利用する「太陽電力サーバ駆動システム」を用いて運用される予定です。

*7
マルチコア/メニーコア・プロセッサー : マルチコアは半導体1チップ上に複数のプロセッサーコアを集積し、高性能、低消費電力を達成しようとする新プロセッサー技術。メニーコアは集積するプロセッサーコア数が32コアを越えるような次世代マルチコア技術

  日立は、今後も「SR16000シリーズ」をはじめとした先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提案、導入を積極的に行っていきます。

  今回の発表にあたり、以下のコメントをいただいております。

学校法人早稲田大学 グリーン・コンピューティング・システム研究開発プロジェクトリーダ
理工学術院 情報理工学科 教授
アドバンストマルチコアプロセッサ研究所所長
笠原 博徳 氏

  早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」では、このたび日立より発表されました最新鋭サーバ「SR16000 モデルVM1」を導入いたします。本システムは最先端の8コアPOWER7®プロセッサーを用いた世界最大級の空冷128コアSMP(Symmetric Multi-Processor)システムで、大容量・高速なメモリシステムおよびプロセッサー結合網を持ち、プログラム並列化の研究に最適なシステムです。本システム上で、マルチコア/メニーコア・プロセッサーのプログラム生産性・実効性能を高め、低消費電力化を実現する自動並列化コンパイラと、コンパイラと協調する次世代グリーン・コンピューティング・システムの研究開発を行います。
  この研究開発により、マルチコア/メニーコア・プロセッサーやそれらを複数接続したスーパーコンピュータなどのマルチプロセッサーシステム上で通常の逐次プログラムを自動並列化し、従来問題になっていた並列ソフトウェアの開発期間やコストを最小化しつつプロセッサー台数に応じた高速性を達成することが可能となります。さらに、早稲田大学が世界に先駆けて開発した自動消費電力削減技術を発展させ、高性能化、低消費電力化を実現する環境に優しい次世代グリーン・コンピューティング・システム技術を産学官連携で研究開発していきます。

早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」について

  早稲田大学の「グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター」は、産学官連携のもと、環境に優しいグリーン・コンピューティング・システムの実用化を目的に、2011年5月13日に開設予定の研究センターです。本センターでは、太陽電池による駆動が可能で、組み込み機器からクラウドコンピューティング向けのサーバ、スーパーコンピュータシステムまで使用可能な次世代超低消費電力マルチコア/メニーコア・プロセッサーをはじめ、それらのハードウェアを高性能・低消費電力で動作させる基盤ソフトウェア技術(自動並列化コンパイラー、API)、またそれらの技術を用いた医療画像処理(ガン治療など)、自動車、ロボット、情報家電への応用など、低消費電力で地球環境に優しい各種のグリーン・コンピューティング・システムの研究開発を産学官連携で行います。
  なお本センターは、2009年度の「先端イノベーション拠点整備事業」(正式名称 : 産業技術研究開発施設整備費補助金)の採択案件として開設されます。

新モデルの概要

製品名 冷却方式 プロセッサー
(周波数)
ノードあたり
CPUコア数
ノードあたり
最大理論
ピーク性能
ノードあたり
最大メモリ容量
SR16000
モデルVM1
空冷*8 POWER7
(4.0GHz)
24〜256way 8,192GFLOPS*9 8TB
*8
高効率熱交換水冷リアドア(排熱を水によって熱交換して冷やす方式を採用した後面ドア)をオプションにより提供
*9
1GFLOPS(ギガフロップス) : 浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力

新モデルの価格と出荷開始時期

製品名 価格 出荷開始時期
SR16000
モデルVM1
個別見積 3月3日

関連情報

他社商標注記

  • POWER7は、米国およびその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの登録商標です。
  • その他記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

HCAセンター
電話0120-2580-12
利用時間9:00〜12:00、13:00〜17:00(土・日・祝日を除く)

以上

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