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2010年10月24日
株式会社日立製作所
日立(中国)有限公司
大連市においてスマートグリッド、水処理、家電リサイクルの3分野における具体的な協業開始を決定
株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明)および日立(中国)有限公司(董事長:大野 信行)は、このたび、中華人民共和国(以下、中国)遼寧省大連市発展改革委員会と、資源循環・低炭素経済分野で協業を開始することで合意し、本日、東京都千代田区で開催された「第5回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」において合意書に共同署名しました。
具体的には、 (1)同市で開発が進められる「大連エコサイエンス&テクイノベーションシティ(中国名:大連生態科技創新城)」に対するスマートシティ関連の協業 (2)大連長興島臨港工業区および大連市街区において水循環の効率化を実現する「インテリジェントウォーターシティ」の構築に向けた協業 (3)大連市のリサイクル事業者への家電リサイクルに関する技術や工場設立・運営ノウハウの提供 が決定しました。
今回の合意は、2009年11月に、日立と中国国家発展改革委員会(以下、発展改革委員会)が合意した「低炭素社会建設・資源環境分野に於ける友好合作プロジェクト」の覚書に基づくもので、発展改革委員会の指導のもと、日立と大連市が協力関係を築くものです。日立は今後、スマートグリッド、水処理、家電リサイクルの分野を中心に、行政のサポートを受けながら、大連市のパートナー企業や関係機関と共同で、日立の有する最新技術・ノウハウ、製品・ソリューションなどを用いたモデル事業の実現をめざすとともに、新たな研究、開発、実証試験などの検討を開始します。また、これらの協業で得られた成果は、モデル事例として中国各都市への展開を図ります。
今年2010年に創業100周年を迎えた日立は、「グローバル」「環境」「融合」の3つを経営のフォーカスとし、IT(情報通信システム技術)で高度化された社会インフラを提供する「社会イノベーション事業」のグローバル展開を加速しています。特に、環境保全や社会インフラの整備に対する関心が大きな高まりを見せ、市場の拡大が続くアジアベルト地帯*を重点地域と位置づけています。発展改革委員会との包括的提携や、今年9月に決定した、中国・天津市郊外の「中国・シンガポール天津エコシティ」(中国名:中新天津生態城)に対するスマートシティ関連技術の提供をはじめ、中国をはじめとしたアジアベルト地帯において、電力、水処理、セキュリティ、都市交通などに関する先進技術やソリューションの事業開拓を積極的に展開し、拡大しています。
大連市甘井子区で開発が進められている「大連エコサイエンス&テクイノベーションシティ(中国名:大連生態科技創新城)」において、先進的なスマートコミュニティの実現に向けた協業を行います。
具体的には、億達集団有限公司をはじめとするパートナーとともに、ビル・住宅などのエネルギーマネジメントに関する共同開発や実証実験の実施について検討します。さらに、地域内エネルギーの効率的な制御、グリーン電力マネジメント(電力系統の安定化技術など)の実現をめざし、パートナーと共同で調査や検討を推進します。
上水、下水、工業排水処理、再利用に関する水循環の効率化を実現する「インテリジェントウォーターシティ」のモデル事業を共同で推進します。
具体的には、長興島臨港工業区管理委員会などと共同で、大連長興島臨港工業区における工業用水供給のための海水淡水化事業の実現をめざすとともに、工業排水の処理・再利用事業に関する検討を開始します。また大連市街区では、水処理、配水管理、工業排水処理、汚水処理、河川汚染監視などの分野における水の高度利用の実現に必要な調査、実験、開発を行います。
大連市のリサイクル事業者である大連環嘉集団有限公司に対し、日立が日本で展開する家電リサイクル事業で培ったリサイクル技術や工場運営ノウハウを、工場設計エンジニアリングおよび操業コンサルティングとして提供します。先進的な技術やコスト力を持った家電リサイクル工場建設への協力を通じて、中国の資源循環型社会構築に対する貢献を図ります。
中国国家発展改革委員会の関係部門と日立との協力関係は2007年に始まりました。2007年から2008年にかけて3回の「日立省エネ・環境保全技術交流会」を共同開催し、それを契機として、2007年には雲南省と、2008年には寧波市と協力して省エネ・環境保全に関するモデルプロジェクトを展開しています。
中国におけるこのような日立の取り組みが評価され、2009年11月、中国国家発展改革委員会と日立は、「低炭素社会建設・資源循環分野に於ける友好合作プロジェクト」の覚書を締結し、同委員会の支援のもと、省エネ・環境保全事業分野において日立が積極的に中国との協業を推進していくことで合意しました。その第一歩として、2010年3月、北京において、中国国家発展改革委員会と日立の共催で「国家発展改革委員会・日立グリーン経済技術交流会を行い、中国各地から集まった、政府機関・企業・業界団体・研究機関の関係者など約450名に対し、「高効率発電とスマートグリッド」「水処理」「家電リサイクル」「都市交通(地下鉄)」の4つの分科会を通して、中国の省エネ・環境保全事業に対して貢献できる日立の事業や、技術的な強みを紹介しました。
日立グループは、中国において1970年代から事業を開始しました。中国は日立グループの最も重要な市場のひとつであり、現在、中国におけるグループ企業数は134、従業員数は約53,000人です(2010年3月末現在)。中国における日立グループの2009年度(2009年4月1日から2010年3月31日)の売上高は、9,916 億円(約107億米ドル)で、日立グループ全世界売上高の約11%にあたります。 日立グループは今後も、中国において、情報・通信システム、電力システム、社会・産業システムなどの「社会イノベーション事業」を積極的に展開し、中国社会の発展と環境保全に貢献していきます。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
以上