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2010年9月29日

企業グループ・中堅企業向けERPパッケージ「GEMPLANET Ver.2」
においてIFRS対応版を販売開始

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、企業グループ・中堅企業向けERPパッケージ(ソフトウェア)「GEMPLANET Ver.2」(ジェムプラネット バージョン2)において、国際財務報告基準(以下、IFRS*1)に対応した機能強化版を2010年10月1日から販売開始します。今回強化された機能により、IFRS導入で必要となる、IFRSと日本基準という複数の会計基準への並行対応を一元的に実現することで、企業の円滑なIFRS対応を支援します。

*1
IFRS : International Financial Reporting Standards国際財務報告基準

  IFRSは、EU諸国における強制適用をきっかけに、会計基準の国際的な統一をめざし、全世界に広まりつつあります。日本においても2015年度での強制適用が予想されており、会計基準にIFRSを採用する検討が、上場企業を中心に本格化してきています。特に、日本においてIFRSを採用する場合、単体の会社法に基づく開示は日本基準、連結での金融商品取引法に基づく有価証券報告書の開示はIFRS、と異なる基準への対応が必要となります。そのため、IFRSの採用は早期適用をめざす上場企業だけでなく、連結する非上場子会社まで影響を及ぼします。実際、一部の企業グループでは親会社から子会社に至るまで、IFRSに対応した会計システムへの変更ニーズが出てきています。
  このような背景のもと、今回、日立では、国内の企業グループや中堅企業を対象とした会計システムにおいて、日本基準に加え、新たにIFRSアドプション*2へも対応可能な製品を提供します。これにより、2012年度から早期適用を行う企業グループ・中堅企業は決算期において、日本基準での財務諸表作成とIFRSでの財務諸表作成を並行して円滑に行うことができます。

*2
IFRSアドプション : 各国ごとに異なっている会計基準に替わり、IFRSを採用(Adoption)すること。

今回強化した機能について

  実際に企業がIFRS導入に取り組むにあたっては、従来の日本基準は残しつつ、IFRSへ対応することになります。これに対し、「GEMPLANET Ver.2」では1つのシステム内において、複数の会計基準に応じた機能を用意することにより、企業の円滑なIFRS導入を支援します。具体的には、「帳簿機能」および「償却管理機能」といった、従来は単一であったものを複数対応へと強化します。

1. IFRS、日本基準の決算を同時に実施できる「複数帳簿機能」
  本機能により、1つの会計伝票よりIFRSと日本基準、それぞれの勘定元帳へ同時転記を行い、それぞれの差分仕訳も登録することができます。これにより、煩雑な複数帳簿の管理に悩まされることなく、IFRS、日本基準の決算を同時に実現します。
2. IFRS、日本基準それぞれに対応した固定資産の「複数償却管理機能」
  固定資産の償却において、IFRSでは経済的耐用年数*3、日本基準では経済的耐用年数と税法基準耐用年数*4が適用されます。本機能は、基準毎に異なる償却計算を行い、それぞれの基準に対応した勘定元帳に会計伝票を転記することができます。これにより、円滑な固定資産の償却とその管理を実現します。
*3
経済的耐用年数 : 日本の税法により定められている固定資産の耐用年数省令とは別に、実態に即した耐用年数のこと。
*4
税法基準耐用年数 : 税法で定められた基準となる固定資産の耐用年数のこと。
  • 3. その他の強化機能 : コンバージェンス*5対応機能
    • (1) 過年度財務諸表の遡及修正を行う機能
      過年度に遡った財務諸表における仕訳の修正、および帳票出力を行います。
    • (2) 過年度の償却計算の再実行、償却計算結果の再出力を行う機能
      過年度に遡り償却計算を再実行し、それを受けた財務諸表の修正と帳票出力を行います。
    • (3) 財務諸表における「包括利益*6」を作成、出力する機能
      財務諸表へ新たに加わる「包括利益」などの利益項目へ対応し、「包括利益計算書*7」の作成および帳票出力を行います。

  日立は、今後のIFRSの改正についても、順次、必要とされる機能を追加していきます。

*5
コンバージェンス : 各国ごとに異なっている会計基準を、国ごとに個別に修正(Convergence)することにより、IFRSとの重要な差異を解消する方法。
*6
包括利益 : 資産負債アプローチを重視した新たな利益概念。純利益に含まれていない純資産価値の増減も含まれる。
*7
包括利益計算書 : 損益計算書(P/L)の代わりとなる財務諸表。営業外損益や特別損益、経常利益といった利益項目がなくなり、「その他包括利益」、「包括利益」が新たに加わる。

  また「GEMPLANET Ver.2」は、日立IFRSソリューションコンソーシアムの提供する製品群の1つです。日立は、「日立IFRS導入支援ソリューション」の1つとして、「GEMPLANET Ver.2」に韓国でのIFRS先行事例の導入ノウハウ*8を加味したソリューションを提供していきます。

*8
韓国でのIFRS先行事例の導入ノウハウ : 2010年9月7日に発表した、LGCNS社が保有する韓国でのIFRS先行事例のこと。大きくは、構想策定、基本設計、詳細設計、保守などのノウハウから構成されている。

機能強化版の主な製品の価格と出荷開始時期

製品名 価格 出荷開始時期
GEMPLANET Ver.2会計管理 2,100,000円〜
(税抜 : 2,000,000円〜)
2011年4月1日
GEMPLANET Ver.2固定資産管理 1,050,000円〜
(税抜 : 1,000,000円〜)

関連情報

日立IFRSコンソーシアムおよび「日立IFRS導入支援ソリューション」について

日立IFRSコンソーシアムは、2010年3月に日立がグループ7社と共同で、企業のIFRS導入支援を目的として発足しました。現在は11社体制となっており、会計分野でのシステム構築経験が豊富なコンサルタント、営業・SEで構成されています。日立グループがIFRS対応として提供できるソリューションや共同開発したソリューションを「日立IFRS導入支援ソリューション」として纏め、提供しています。

LG CNS社について

LG CNS社は、1987年に設立され、情報通信のあらゆる問題に関してコンサルティングからシステム構築、運用までお客様へ最高レベルのトータルソリューションを提供する総合ITサービス企業。特にスマートシティ、グリーンIT、モバイルサービス、コンバージェンスエンジニアリング、クラウドサービス、デジタルコンテンツサービス、金融自動化の領域などで差別化されたサービスを提供。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 産業・流通システム事業部
GEMPLANETソリューション部 [担当 : 青木、岸本]
〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目26番2号 大森ベルポートB館
電話 : 03-5471-2028 (ダイヤルイン)

以上

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