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Hitachi

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2010年9月6日

過去の製品開発事例のデータベースから設計に
役立つ情報を自動配信する
設計者気づき支援システムを開発

IT機器や白物家電等の設計効率化に貢献

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、過去の製品開発事例のデータベースから設計に役立つ情報を自動的に検索し、設計者に配信することで設計業務の効率化を実現する設計者気づき支援システムを開発しました。今後、本システムをサーバ等のIT機器や白物家電等、日立製品の設計に適用するとともに、製造業向けソリューションとして外販していく予定です。

  近年、IT機器や家電などにおいて、販売競争の激化から製品開発の期間短縮が求められる一方で、製品の信頼性や安全性に対する要求が高まっています。製品の品質向上と開発期間の短縮を両立するためには、過去の製品開発で蓄積された設計ルール・基準やノウハウ、発生した手戻り(不具合発生による設計変更)等の情報を設計の初期段階から反映することで、短時間で高度な設計を行うことが重要です。従来の設計者支援システムでは、設計に役立つ情報を設計者自身が設計の各段階で関連づけて予め入力しておかなければならず、手間と時間を要していました。

  そこで日立は、過去の製品開発事例のデータベースから、設計の各段階で役立つ情報を自動的に検索し、関係する設計者全員に配信する設計者気づき支援システムを開発しました。こうした情報配信機能に加え、本システムでは、3次元CAD*1システムで作成した設計データが、製造性(製造の可否や製造のしやすさ)に関わる設計ルールに適合しているか自動照合できるため、設計者の手戻りの防止や設計効率の向上に大きく貢献します。

  本成果は、2010年9月7日から九州大学で開催される第9回情報科学技術フォーラムにて発表する予定です。

気づき支援システムの技術概要

1. 設計に役立つ情報の自動検索・配信

  設計の各段階で役立つ情報を自動的に検索し、設計者に対し配信する機能を開発しました。設計業務に関連する適切な検索キーワードを抽出する技術と、設計業務との関連度で検索結果の有効性を評価する技術を組み合わせることで、設計に役立つ情報を迅速に抽出します。これにより、設計者に気づきを与え、業務効率化と検討すべき項目の確認漏れを防止します。サーバ等のIT機器設計で実証試験を行ったところ、自動配信した情報の80%以上が有用であることを確認しました。

2. 3次元CADシステムで作成した設計データの製造性を自動確認

  製品コストを低減するには、製造性(製造の可否や製造のしやすさ)をきめ細く確認することが必要ですが、多品種化と設計図面の3次元化により、製造性を漏れなく確認することが難しくなっています。そこで、独自の形状認識手法により、複雑な製品形状から、確認すべき箇所を自動的に特定する技術を開発しました。これにより、3次元CADシステムで作成した設計データと製造性に関わる設計ルールとの自動照合が可能となり、確認作業に要する時間の短縮が可能となりました。また、設計ルールに適合しない箇所は3次元CADシステムの画面上に表示し、設計者に考慮すべき点を気づかせる機能も備えています。掃除機の設計で自動照合を行ったところ、500カ所以上の確認を5分以内で完了することができました。

用語

*1
CAD: Computer Aided Designの略称。

気づき支援システムの概要図

[概要図]気づき支援システムの概要図

[画像]設計に役立つ情報を3次元CADシステムの画面上に表示した例

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 機械研究所 企画室 [担当:秋葉]
〒312-0034 茨城県ひたちなか市堀口832番地2
TEL : 029-353-3047 (直通)

以上

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