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2010年7月1日
情報漏えいなどに対するネットワークセキュリティの向上に貢献
株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、10ギガビット/秒のブロードバンド上で、Winny、Winnyp、PerfectDarkなど7種類のP2P(Peer to Peer)*1型ファイル共有ソフト(以下、P2Pソフト)のトラヒックを、平均99.78%の高精度で検知するソフトウェアを開発しました。
本ソフトウェアは、これまで検知できなかったブロードバンド上に占めるP2Pソフトのトラヒック*2が把握できるため、悪質なウイルスによる情報漏えいやデータの違法公開など、ネットワークセキュリティ上の問題を解決するキーテクノロジーとしての貢献が期待されます。
近年、新たな通信ネットワークの方式としてP2Pソフト通信技術が大きな期待を集めています。P2Pは利用者間を直接つないで音声や画像ファイルなどを交換できるため、その利便性が評価される一方、悪質なウイルスによる情報漏えいが大きな社会問題になるなど、セキュリティ対策が課題となっていました。P2Pソフトは、トラヒックを隠ぺいするために暗号化されている場合が多く、従来の侵入検知システム(IDS)*3で主に採用されているパターンマッチング(平文比較)*4方式では、そのトラヒックの有無を特定することが困難でした。
さらに、検知可能な帯域幅と検知精度は、トレードオフの関係にあるため、通信パケット*5の復号処理など、解析に多くの処理を要するP2Pソフトのトラヒックは、ブロードバンド上での検知が課題とされてきました。
このような背景から、日立は、ブロードバンド上で、Winny、Winnyp、PerfectDarkなど、国内における利用者の90%以上をカバーする*67種類のP2Pソフトのトラヒックを平均99.78%の高精度で検知するソフトウェアを開発しました。開発した技術の概要は以下の通りです。
開発したソフトウェアの実証実験を、独立行政法人情報 通信研究機構(NICT)北陸リサーチセンターの運用するインターネットシミュレータ「StarBED」において行いました。実験では12コアのアプリケーションプロセッサを備えた装置に、本ソフトウェアを実装し、ブロードバンド上で7種類のP2Pソフトのトラヒックを平均99.78%の高精度で検知することを確認しました。
今後は、P2Pの検知から制御まで、一貫した対策ができるソフトウェアの実用化を目指し、ネットワークセキュリティの向上に貢献していきます。
なお、本ソフトウェアは、総務省委託研究「ネットワークを通じた情報流出の検知及び漏出情報の自動流通停止のための技術開発」(2007年度から2009年度)の成果です。
株式会社日立製作所 システム開発研究所 企画室 [担当 : 塚越]
〒215-0013 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地
電話 : 044-959-0325(直通)
以上