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2010年6月29日

「日立グループ環境報告書2010」を公開

事業活動に伴うCO2排出量をグローバルで2009年度比31万トン削減
また、日立グループが提供する製品・サービスを通じ、
2009年度に1,136万トンのCO2排出抑制に貢献*1

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明)は、グローバルな環境課題に対する経営姿勢と環境保全に対する取り組み状況を詳しく紹介するために、本日「日立グループ環境報告書2010」を公開し、日立グループの環境経営の推進状況について報告します。
  日立グループは、ITで高度化された社会インフラを提供する「社会イノベーション事業」の展開を通じ、地球環境を保全しながら持続可能な社会を実現すべく、2007年に「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」を柱とする「環境ビジョン」を掲げました。このビジョンに基づき、具体的な活動項目と年度毎の目標を定めた「環境行動計画」や、長期計画「環境ビジョン2025」を策定し、環境保全に貢献する製品・サービスの提供、事業活動に伴う環境負荷の低減をグローバルに推進しています。

  2009年度、日立グループはグローバルで、事業活動に伴うCO2排出量を前年度に比べ31万トン削減しました。また、日立グループが定める基準に達し、環境保全に配慮した製品・サービスとして認定された「環境適合製品」*2の売上高比率は、目標の48%に対して、53%の結果となりました。これらを含め、2006年度に発表した「環境行動計画」で掲げた2009年度の目標を全て達成しました。
  さらに、日立グループが提供する、エネルギー効率や省エネ性の高い製品・サービスが使用されることを通じ、2009年度の一年間で、2005年度に比べ1,136万トンのCO2排出抑制に貢献しました。日立グループは、2007年に発表した長期計画「環境ビジョン2025」において、日立グループの製品・サービスを通じ、2005年度を基準年度として、2025年度までに年間1億トンのCO2排出抑制に貢献する目標を掲げています。2009年度の実績は2025年度の目標の約10%にあたるものであり、今回から毎年、実績値を公表していきます。

  なお、「日立グループ環境報告書2010」で公表している、CO2排出量などの事業活動に伴う環境負荷情報と、製品・サービスを通じたCO2排出抑制貢献量は、その算定プロセスと2009年度の結果について第三者機関による審査を受け、客観性と信頼性の向上を図りました*3

  2010年に創業100周年を迎えた日立は、次の100年に向け、高い環境性能をもつモノづくりと、環境負荷を低減する環境経営を加速し、地球環境の保全に貢献していきます。

「日立グループ環境報告書2010」で報告する2009年度の主な結果

(1) 事業活動に伴うCO2排出量の削減

  2009年度、グローバルでのCO2排出量は前年度比で31万トン減の約400万トンとなりました。国内外別の内訳は以下のとおりです。

<国内>
  国内におけるCO2排出量は、前年度比29万トン減の260万トンとなりました。1990年度比では、21%の削減となります。2009年度には、52億円の省エネ投資を行い、工場における燃料転換の推進や高効率機器の導入、オフィスや企業立病院におけるエネルギー使用量の削減など、事業所単位での省エネ施策を推進しました。
<海外>
  海外におけるCO2排出量は、前年度比2.2万トン減の140万トンとなりました。CO2排出量原単位は、2003年度と比べ、5%の削減となりました。中国やアジアを中心に、豊富な省エネ知識を持つ日立グループの技術者による設備の省エネ診断を実施し、エネルギー使用効率を改善したことなどが貢献しました。

  このほかに、国内の製品輸送におけるCO2排出量は、前年度比2.7万トン減の12.8万トンとなりました。実質生産高輸送エネルギー原単位の2006年度との比較では、11%の削減となります。製品の小型化・軽量化や、梱包の簡素化、積載効率の向上を図りました。また、トラックによる分割輸送を行っていた体積の大きな製品を、組み立て後に船舶で一括輸送するモーダルシフトを推進しました。

(2) 環境適合製品の拡大

  環境適合製品とは、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷を省エネ性や再生資源化などの8項目で5段階評価し、すべての項目がフルモデルチェンジ前の機種と同等であるレベル2以上、かつ8項目の平均がレベル3以上に達する環境に配慮した製品・サービスです。
  2009年度、環境適合製品の製品数は、前年度から1,433機種増加し、8,387機種となりました。また、売上高比率は、目標の48%に対して53%となりました。2010年度の売上高比率の目標50%を前倒しで達成したため、今回、2010年度の目標を55%に引き上げました。また、2025年度には、あらゆる製品・サービスを環境適合製品にすることをめざします。

(3) 製品・サービスを通じたCO2排出抑制への貢献

  日立グループは、長期計画「環境ビジョン2025」において、技術革新や製品の高効率化、環境ソリューションの提供など、地球温暖化の防止に寄与する製品・サービスの提供を通じ、2005年度を基準年度として2025年度までに年間1億トンのCO2排出抑制に貢献することを目標にしています。2009年度には、2025年度の目標の約10%にあたる、1,136万トンのCO2排出抑制に貢献しました。

「日立グループ環境報告書2010」の主な掲載情報

長期計画「環境ビジョン2025」実現に向けた取り組みの進捗 (P5)
地球温暖化の防止を核とする2025年度までの長期計画「環境ビジョン2025」の実現に向けた進捗として、製品・サービスを通じたCO2排出抑制の2009年度結果と2025年度までの計画を報告。
日立グループの環境事業 (P6〜11)
環境ビジョンの3つの柱である「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」のそれぞれに貢献する日立グループの事業について、環境保全に貢献した2009年度の活動実績と今後の展望を紹介。
日立グループ2009年度環境行動計画の達成状況 (P13)
CO2排出削減率や資源循環率、環境適合製品*2の売上高比率、グリーン購入比率など、環境行動計画を構成する18指標について、2009年度の目標と結果、2010年度目標を開示。
環境マインド&グローバル環境経営 (P14〜19)
日立グループの環境管理体制や環境教育、グリーン購入、環境会計、国際標準化活動への参画といった、環境経営の取り組み状況を報告。
環境に配慮した次世代製品とサービスの開発 (P20〜25)
環境適合製品の開発プロセスや売上高比率、製品の省資源化・再資源化、製品に含有される化学物質管理の取り組みについて報告。
事業活動に伴う環境負荷の低減 (P26〜34)
環境負荷を大幅に低減した「スーパーエコファクトリー&オフィス」の紹介、CO2排出削減量、廃棄物の発生削減量、水の有効利用、VOC(Volatile Organic Compounds : 揮発性有機化合物) 削減量などの2009年度結果を報告。
環境コミュニケーション活動 (P34〜38)
ステークホルダーとの双方向コミュニケーションを通じた環境活動の充実や社会貢献の取り組みを紹介。
生態系の保全に関する取り組み (P38)
生態系を保全し、生物多様性を維持するための、日立グループの取り組み方針とそれに基づく活動状況を報告。
「日立グループ環境報告書2010」の開示情報に関する第三者評価*3 (P39)
「日立グループ環境報告書2010」で公表している、CO2排出量などの事業活動に伴う環境負荷情報と、製品・サービスを通じたCO2排出抑制貢献量の算定プロセスおよび2009年度の結果に関して、第三者機関による審査を実施し、その結果を掲載。

  なお、CSR活動については、本日「日立グループCSR報告書ダイジェスト2010」を発行するほか、7月1日より、株式会社日立製作所のホームページにて、より詳細な情報を公表する予定です。

*1
2005年度の製品・サービスを基準年度とした実推値。
*2
製品の設計段階で、環境配慮設計の考え方を取り入れた「環境適合設計アセスメント」の8項目に基づき、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷を定量的に評価。8項目がすべてフルモデルチェンジ前の機種と同等であるレベル2以上、かつ8項目の平均点が、基準点であるレベル3以上の製品を「環境適合製品」として認定。
*3
ビューローベリタスジャパン株式会社による審査を実施。審査対象と内容は「日立グループ環境報告書2010」P39に審査結果資料を掲載して開示。

「日立グループ環境報告書2010」

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 地球環境戦略室 環境企画センタ [担当 : 田島]
〒100-8220 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
電話 : 03-4235-5811 (直通)

以上

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