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2010年5月28日

日立グループの水環境ソリューション事業の強化について

「水環境ソリューション事業統括本部」を新設しグローバル展開を加速

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、社会イノベーション事業として高い成長が期待される水環境ソリューション事業に関して、今後、日立グループの総力を結集しグローバルに事業を強化・拡大することを目的に、グループ全体の事業戦略を策定・立案する「水環境ソリューション事業統括本部」を、2010年6月1日付で社長直轄の組織として設立します。本組織の本部長には、株式会社日立プラントテクノロジー(執行役社長 : 東原 敏昭/以下、日立プラントテクノロジー)の上田 新次郎(執行役副社長)が就任し、日立プラントテクノロジーをはじめとしたグループ各社との連携を強化していきます。
  今後、日立は、高度な技術力と豊富な経験・ノウハウを有する先進の水循環システムとITの融合によるトータルソリューション力を活かし、機器・EPC*1だけでなく、管理・運営までを含めた総合水事業を行う企業グループへの転換を図り、水環境ソリューション事業で2015年度に2,000億円の売上高をめざします。

  グローバルの水資源の需要は、人口増加、経済規模の拡大や急速な都市化の進展にともない、急速に高まりつつあります。水資源の絶対量の不足や深刻な水質汚染の進行などの水問題は、食料問題やエネルギー問題とも密接に関係しており、地球規模で解決すべき課題となっています。このような背景から、地球温暖化を抑制しながら、限られた水資源の保全と活用により、持続可能な生活環境を作りだすための社会インフラの整備が各国で進展しています。
  グローバルの水環境ソリューション市場は、2007年の36.2兆円から、2025年には86.5兆円になると推定*2されており、特に新興国では、電力、鉄道、水道、空港、港湾といった社会基盤の整備が同時平行で進められることが予想されています。

  日立グループは、これまで水環境ソリューション事業として、上下水道施設のEPC、MBR・RO膜システム*3などの各種水処理システム、送水ポンプ、監視・制御システムから設備管理システム、料金システムなどのバックオフィスシステムまで幅広い製品・システムを提供しています。また、日立プラントテクノロジーでは、2010年3月にモルディブ共和国の上下水道運営事業会社であるマレ上下水道社(Male' Water and Sewerage Company Pvt. Ltd./代表者 : Mohamed Ahmed Didi)の株式の20%を取得し、管理・運営事業に参画しました。

  日立は、水環境ソリューション事業を社会イノベーション事業における成長分野と位置づけ、強力に事業を推進していくため、グループ横断の統括組織である「水環境ソリューション事業統括本部」を設立します。新組織では、日立グループの水環境ソリューション事業に関連する組織を取りまとめ、グループ全体の事業戦略を策定・立案するとともに、国内外パートナーとの連携強化を推進するほか、研究開発・投資・M&A計画の立案も行います。また、政府や自治体等とも連携しながら、水インフラ構築に関するワールドワイドなプロジェクト案件への参画に向けた情報分析・事業企画なども行います。

  今後日立は、国内はもとより、中国や中東、東南アジア、インド、南米などの新興国向けに、水環境ソリューション市場におけるボリュームゾーンである上下水分野でのEPCや事業運営・管理を拡大するとともに、今後の成長が期待される再生水、海水淡水化、工業用水・排水分野でのEPC、事業運営・管理も強化します。
  また、地域全体の水インフラを構築するシステムとして、「インテリジェントウォーターシステム」を提案します。本システムは、日立グループが保有する上下水処理や海水淡水化などの高度水循環システム、インバータ制御による省エネ制御のポンプ設備、高度なITを活用した監視・制御システム、シミュレーション技術、情報管理システム(アセットマネジメント、自動検針等)、センシング技術などの幅広い技術・ノウハウを駆使したシステムです。本システムにより、上水・下水・産業排水処理といった各種水関連施設の運用データの一元管理・相互利用が可能となり、地域全体としての水循環に関する効率運営を実現することができます。さらに本システムは、再生水・中水の積極活用が図れることから、水資源問題の解決にも貢献するものです。

*1
EPC : Engineering, Procurement and Construction
*2
出典 : 経済産業省「水ビジネス国際展開研究会」報告書(2010年4月)
*3
MBR : Membrane Bio-Reactor(膜分離活性汚泥法)、RO膜 : Reverse Osmosis(逆浸透)膜

説明会資料

以上

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