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2010年5月21日
The Government of Saskatchewan
株式会社日立製作所
カナダサスカチュワン州政府(The Government of Saskatchewan、首相 : Brad Wall(ブラッド・ウォール)/以下、サスク州政府)と株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西宏明/以下、日立)は、本日、火力発電のCO2回収・貯留(CCS : Carbon Capture and Storage)や、再生可能エネルギー、スマートグリッドをはじめとする、エネルギーおよび環境技術の開発に関する協力に合意しました。
グローバルに電力需要が増加傾向にある一方で、世界的な課題としてCO2排出抑制をはじめとする地球温暖化対策が求められています。サスク州政府は、経済的および社会的な利益の向上にむけて、環境保全と天然資源の持続可能な使用を推進することを公約しており、2020年までに、2006年度比で温室効果ガスの20%の削減を目標としています。
日立においても、日立グループの製品を通じて2025年度までに年間1億トンのCO2排出抑制に貢献することを目標としており、そのうち、CO2排出抑制の70%に相当する発電分野では、原子力、再生可能エネルギー、高効率化火力発電などの製品提供により、低炭素社会への構築をめざしています。特に、火力発電におけるCO2排出量を劇的に減少させる技術として注目が高まっているCCS技術の開発を強化しており、CO2の効率的な回収を実現する酸素燃焼技術や、排気ガス中のCO2を溶液で回収する化学吸収法における独自技術を有しています。
サスク州と日立は、過去40年以上にわたり、石炭火力、天然ガス火力、風力など、さまざまな発電分野で協力関係にあり、日立はサスク州の電力会社であるサスカチュワン州電力公社(Saskatchewan Power Corporation/以下、サスクパワー社)に発電設備を提供してきました。1988年には、サスク州に発電機器の製造拠点として日立カナダ・インダストリーズ社(Hitachi Canadian Industries Ltd)を設立し、サスク州およびサスクパワー社と緊密な関係を築いてきました。さらに、2010年2月には、サスクパワー社と日立の間で、CCS 技術をはじめとする低炭素エネルギー技術分野での技術開発および運用における協力協定に合意しています。
このたび、サスク州政府は、環境・エネルギー分野での協力先としては、民間企業では初めて日立を選びました。本合意は、低炭素エネルギー技術の実用化に向けた現在の取組みをさらに強化するものであり、エネルギーの保障促進と、環境および天然資源の保護を実現します。本合意における第一の目的は、CCS技術を含む低炭素エネルギー技術の実用化です。サスク州では、CCS分野に注力しており、世界最大規模のCCS実証プロジェクトを推進しています。さらに、本協定における低炭素エネルギー技術の開発によって、既存の火力発電に対する新規需要を生み出し、燃料となる天然資源を豊富に有するニューウエスト地区*の電力分野の企業にも恩恵をもたらします。サスク州政府と日立は、本合意に基づき、それぞれが保有する新しい低炭素エネルギー技術の情報を相互に提供し、CCS技術、排気ガス処理設備(AQCS : Air Quality Control System)、ボイラー・蒸気タービン発電機、再生可能エネルギー、スマートグリッド技術の5分野で協力していきます。
サスク州のウォール首相は、次のように語っています。
「今回の協力協定は、クリーンエネルギー技術分野における世界のリーダー同士がこれまで培ってきた良好な協力関係をさらに強化するものです。サスク州は、クリーンエネルギー技術の革新に高い関心をもっており、単に基礎技術の開発にとどまらず、技術の実用化について世界をリードしたいと考えています。今回の協力合意は、この目的を追求するものです。」
日立の中西執行役社長は、次のように語っています。
「日立は、CCSをはじめとする環境・エネルギー分野で多くの優位技術を有しており、低炭素社会構築に向けた技術開発を強化・推進しています。このたび、エネルギーおよび環境技術の分野における日立の高度な技術力が評価され、サスカチュワン州の最初のパートナーとなることができ、とても光栄です。日立は、サスカチュワン州、サスカチュワン州電力公社とこれまでに培った信頼関係をもとに、カナダにおいて、CCSや再生可能エネルギーなど、低炭素エネルギー技術を活用する分野での取組みを加速し、グローバルに事業を積極展開していきます。」
サスク州政府と日立は、今回の協力協定をもとに、エネルギーおよび環境技術の開発を進め、低炭素社会の実現、環境および天然資源の保護に貢献していきます。
以上