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2010年3月2日

名古屋市の陽子線がん治療施設の着工について

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長 : 川村隆/以下、日立)は、本日、愛知県名古屋市(市長 : 河村たかし/以下、名古屋市)が保健・医療・福祉の総合的エリアとして整備を進めている「クオリティライフ21城北(愛知県名古屋市北区)」に建設される陽子線がん治療施設に着工します。日立は、2008年12月に、名古屋市から、陽子線がん治療施設整備事業を約240億円で受注しており、2031年3月までの期間にわたって、施設の設計・建設から、運転・保守・維持管理業務等を行ないます。本施設は、2012年度に治療を開始する予定です。

  陽子線がん治療は、放射線によるがん治療法のひとつであり、水素の原子核である陽子を加速器で高速に加速した陽子線をがん細胞に集中して照射することでがんを治療するものです。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損なわないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QOL : Quality Of Life)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されています。

  名古屋市は、安心して生活できる福祉・安全都市の実現に向け、「21世紀の市民のQOLを支えるまち」をめざし、「クオリティライフ21城北」の整備を進めています。陽子線がん治療施設整備事業は、その中核事業の一つであり、名古屋市をはじめとする東海地域における「QOLに優れたがん治療」の実現を目的とするものです。本事業は、民間の資金、能力を活用し、事業者が名古屋市の要求水準を満たす施設を整備した後に名古屋市に所有権を移転し、その上で施設の運転・保守・維持管理に関する業務を実施するBTO(Build Transfer Operate)方式にて実施されます。事業者が施設の整備から、運転・保守・維持管理まで一括して行なうことにより、高い安全性と信頼性の確保、効果的かつ効率的な陽子線がん治療の提供をめざします。

  日立は、電力システム事業を通じて、陽子線がん治療施設の主要機器である加速器をはじめ、照射や制御など、放射線に関する豊富な技術・ノウハウを有しています。2000年には、筑波大学陽子線医学利用研究センターへ陽子線治療システムを納入し、現在も運転・保守をサポートしているほか2006年には、世界最大級のがん専門病院である米国のMDアンダーソンがんセンターに陽子線治療システムを納入しています。2007年12月には、同センター向けに、正常な細胞への影響を最小限に抑えた「スポットスキャニング照射技術」を開発し、米国の食品医薬品局(FDA : Food and Drug Administration)の販売認可を取得しました。2008年5月には、商用として世界初となるスポットスキャニング照射技術による治療が開始され、高い評価を得ています。

  日立は、本事業においてよりQOLの高い治療サービスを安定的かつ長期間にわたり提供し、名古屋市が掲げる「QOLに優れたがん治療」の実現と陽子線がん治療の世界的な普及に貢献していきます。また、本事業をはじめとする国内外の実績をもとに、年間1件以上の受注をめざします。

陽子線がん治療施設の概要

建設予定地 愛知県名古屋市北区平手町1丁目1番地(クオリティライフ21城北内)
敷地面積 49,201.99m2(クオリティライフ21城北敷地全体)
建設面積 3,150m2
延べ面積 5,624m2
構造・規模 鉄筋コンクリート造、地上3階・地下1階建
建物構成 地下1階/機械室、地上1階/診察室、治療室(ガントリー照射室2室、固定照射室1室)
地上2階/スタッフ室、地上3階/機械室

陽子線がん治療施設完成予想図

[画像]陽子線がん治療施設完成予想図

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 電力システム社 放射線治療推進本部 [担当 : 西村、渕上]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
電話 03-4564-3565 (直通)

以上

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