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2010年2月22日

ヘビーデューティー型*1の2軸ガスタービンとして世界最大容量*2となる
80MW級ガスタービンを開発・納入

  株式会社日立製作所(執行役会長兼執行役社長:川村隆/以下、日立)は、このたび、ヘビーデューティー型(重構造型)の2軸構造のガスタービンとしては世界最大容量となる80MW級ガスタービン(以下、H-80)の開発を完了し、九州電力株式会社(以下、九州電力)の新大分発電所1号系列に納入しました。

  近年、経済性向上と環境負荷低減を目的として、高効率なガスタービンへの更新需要が増加しています。日立はこれまで30MW級(以下、H-25)および16MW級(以下、H-15)のガスタービンをラインナップしてきましたが、九州電力から新大分発電所1号系列のコンバインドサイクル発電*3用ガスタービン更新の打診を受けたことを契機として、新たにH-80を開発しました。

  今回開発したH-80は、耐久性とメンテナンス性に優れたヘビーデューティー型のガスタービンで、H-25、H-15に続く3機種目の自社開発製品です。H-25およびH-15は、高い発電効率と信頼性、優れたメンテナンス性などの特長が評価され、世界でこれまでに120台以上の納入実績を有しています。H-80は、従来機種で培った技術を基に、出力を80MW級まで高めたもので、熱効率は38%*4です。また、高圧タービンの軸と低圧タービンの軸が分離した2軸構造の採用により、ポンプやファンの駆動など、発電以外の幅広い用途に対応できます。出力は最大で89MWを実現しており、ヘビーデューティー型の2軸構造のガスタービンとしては世界最大容量となります。対応する燃料は、現状では液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)のみですが、今後多種燃料への対応を進めていきます。

  このたびH-80を納入した九州電力の新大分発電所1号系列は、1991年に運転を開始した出力115MW(ガスタービン:76.3MW、蒸気タービン:38.7MW)のコンバインドサイクル発電設備を6軸有する出力合計690MWのLNG火力発電所です。今回は、ガスタービンのみの更新で、既設の配置に収める必要があり、また蒸気タービンを含めた全体の発電出力を変更せずに発電効率の向上を図るという制約がありましたが、タービン軸に2軸構造を採用することで対応しました。H-80の初号機は、全6軸でガスタービンで構成される同発電所1号系列の第4軸として、本年1月に営業運転が開始されています。日立は、同発電所の1号系列全6軸のガスタービンの更新を受注しており、今後残り5軸についても、2012年秋までに順次H-80を納入する予定です。全6軸のガスタービン更新により、1号系列全体の発電効率が従来の43.0%から3ポイント程度向上するほか、CO2排出量を年間約20万トン*5削減できる見込みで、環境負荷低減に貢献します。

  日立は、今後、H-80の性能向上と量産体制の整備を進めるとともに、特に需要が見込まれる国内の老朽化したコンバインドサイクル発電用ガスタービンの更新市場を開拓し、年間5台程度の受注を目標に、H-80の受注活動を展開し、H-25、H-15を含めたガスタービン事業の拡大を図ります。

*1
ヘビーデューティー型:重構造型とも呼ばれる、信頼性が高く保守頻度が低いという特長を持つガスタービン
*2
2010年2月22日現在(日立調べ)
*3
コンバインドサイクル発電:ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式。ガスタービンによる発電に加え、ガスタービンで発電した際の高温の排気エネルギーを生かして蒸気を作り、蒸気タービンを回転させて発電を行う。
*4
低位発熱量基準の熱効率。熱効率には、高位発熱量基準と低位発熱量基準があり、燃料中の水分および燃焼によって生成された水分の凝縮熱を発熱量として含まない熱効率が低位発熱量基準。
*5
全6軸のガスタービン更新完了後(2013年度以降、利用率:約60%、九州電力推定)

H-80ガスタービンの外観

[画像]H-80ガスタービンの外観

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 電力システム社 火力事業部 火力技術本部 [担当:佐藤(鑑)]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-3079 (直通)

以上

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